翠と橙(みどりとゆず) vol.004 「しっかし…、絃ちゃん、はったらっくね~~。」
笑いながら絃、ジョッキを3つ持ちながら奥の席に、
「は~~い、生、おまちどうさま~~。」
「でも…、まぁ~。新人が入って来て、ジェシカも、順調ってことじゃねぇか~~。なぁ~~。しかも、若い新人。みど、一度、ここにも、連れて来いや。サービスしとくからよ。」
雅樂。
翠、
「あ~~い。」
そして雅樂、
「絃~~。3番さん、なんこつの唐揚げ、あがったよ~~。」
絃、
「は~~い。」
そして、別の客から、
「絃ちゃん、生、お代わりね~~。」
絃、にっこりと、
「はい。ありがとうございま~~す。」
万美、
「しっかし…、絃ちゃん、はったらっくね~~。」
尋音、
「ん~~ん。逞しい限り。なんで、雅樂じぃの知り合いに、あんな可愛い子、いるんだろ。あれでまだ、二十歳だよ~~。しかも、グラマーだし…。」
その声に雅樂、
「尋、おま、今、何か言ったか…???」
笑いながら尋音を睨む雅樂。
そんな雅樂に尋音、とぼけたように、
「な~~んにも~~。言ってませんよ~~。ニッ。」
雅樂、
「…ったく~~。こいつめ。ほぃ。みど、砂肝。」
「ほあ~~い。サンキュ。」
翠、両手で皿を受け取って。
「ふ~~ん。どのくらい、仕事…???ねぇ~~。」
万美。
「あっ。そうだ、ユッキ、明後日だっけ…、出張から~~???」
そんな万美の声に翠、
「ふん。明後日~~。」
「ねね。どうなの、彼氏とは…最近…???」
尋音。
「いやいやいや。どうなのって…。……、いつもと…変わんないけど…。」
「杉浦薫朗今のジェシカには…なくてはならない営業マン。わっ。それこそ、…え~~っと、誰だっけ、今日来た、新しい人、木葉…???」
万美。
「このはゆず~~。木葉と書いて、橙と書いて、ゆずと読む。」
翠。
「そうそう、ゆずちゃん。ユッキと同じじゃん、年令。22~~。」
「ふ~~ん。まっ、そうだけど~~。」
「みどさん、生、お代わりは~~???」
翠の後ろから絃。
「尋さんは…???」
尋音、
「あっ、ありがとう~~。」
砂肝を頬張りながら翠、声に出さずにジョッキを後ろの絃に渡す。
「ユッキか…。かかかか。みど…。あいつは良い。今時、ああいう男、なかなかいねぇぞ~~。大切にしねぇと、バチが当たらぁな。」
そんな雅樂に、
「はいはい。雅樂じぃのその言葉、耳にタコが出来てるよ。」
口を尖らせて翠。
「…と言いながら今頃、千慧マネージャーと美味しい晩御飯…食べたりしてて…。くくっ。」
尋音。
「あ~~、それはないない。千慧マネージャー、全然そういうタイプじゃないもん。マネージャーだったら、きっと、ひとりで食事してんじゃない~~。」
万葉。
「うんうん。何だか分かる。かなりの男性じゃないと、近寄り難い…。かかかか。」
翠。
「クシュン。ヘァ~~クシュン。」
「ん~~~。どした~、ユッキ。ほぃ、生。」
男性にジョッキを渡す女性。
「あ~~。すんません。ありがとうございます。」
「まずは乾杯。」
「はい。」
「ここ、開拓は、おっきいよ~~。」
「ですよね~~。」
「ちゃんと、着いといで。」
「はい。よろしくお願いします。」
名古屋市内の、とあるお洒落な居酒屋。
「ん~~。効くね~~。」
ビールを飲みながら山根千慧。
「ジェシカ」の営業マネージャーである。




