翠と橙(みどりとゆず) vol.034 「いつも、ルッポラ、ご利用、ありがとうございます。」
数秒後、尋音、
「…っと。では、準備、整いましたようで…。」
その時、テラスの階段を上って…。
その姿を見て千慧、にっこりと、右手で手招き。
「へぇ~~。間に…合った…???」
薫朗、
「おせぇぞ、ユッキ。」
礼人。
「ごめん、ごめん。」
そして礼人の隣に座って。
「おっ。これから、乾杯か…。」
小声で礼人、
「ま~だだ、矢萩リーダーの挨拶。」
薫朗、
「お~。お~。」
尋音、
「ユッキ~~。お疲れ。」
薫朗、チョコンと頭を下げて、
「おまたせ、しました~~。」
尋音、
「矢萩リーダー。お願いします。」
呉羽、
「ん。…じゃあ~~。皆様、お揃いになったようで…。とにかく、お疲れ様~~。まずは、ジェシカの最近。傍にいる院瀬見ボスがにこやかにされている事で、お分かりでしょうが…。
そんな呉羽の声に、笑顔で笑う惇哉、口パクで、
「コバ~~。」
「みなさまのお蔭で、アンジェリーナ、及び、ジェシカの名前も…、鰻上り。そんな中、何とも、素敵なルーキーが、誕生~~。」
その声にスタッフたち、拍手。
「木葉橙さん。我が、ジェシカに、ようこそ。」
橙、何とも照れながら、お辞儀を。
「みんなも、それこそ、チャーミングで素敵なスタッフたちなんだけど…。彼女も中々。是非是非、頑張っちゃって~~。ビールが温くならない内に、カ~~ンパ~~イ。」
そして、スタッフ全員、
「カ~~ンパ~~イ。」
各々、ジョッキをカチン、カチンと。
そして、あちらこちらで、
「うんうん。美味しい~~。」
「うんうん。行ける、行ける。」
「うんま~~。」
「さっすが~~。ルッポラで正解、尋~~。」
咲茉。
笑顔で応える尋音。右親指を立てて。
タイミングを見ながら料理をテーブルに、の、柴乃と巽。
そして珂帆。
「いらっしゃいませ、いつも、ルッポラ、ご利用、ありがとうございます。店長の本条と申します。」
惇哉に。
惇哉、
「これは、これは。店長。いつも、お世話になっております。いやいや、ウチでも、かなり評判ですよ、ルッポラ。」
「当然です。だからアンジェリーナに紹介したんですから~~。ねぇ~、珂帆ちゃ~ん。」
菫。
「ありがとうございます。」
実は、このレストランルッポラ。菫の大学の同期の妹が、店長の本条珂帆である。
因みに、アンジェリーナ設立の年に、店長に抜擢されたのが本条珂帆、
アンジェリーナの、それほど遠くない場所でもあったがために、
菫の口利きで評判にもなっていた。
更に言えば、アンジェリーナが設立する準備段階で、
院瀬見惇哉と旧姓、葉山菫とは出会っている。お互いに、一目惚れ…、だったと言う。
6歳年上の惇哉ではあったが、
逢った瞬間に絶妙の言葉のキャッチボールで、半年でゴールイン。
そしてその後、半年で菫がご懐妊。この時点で、会社を退職して専業主婦となっている。
「はいはい。分かってますよ~~。」
惇哉が菫に惚れた一つの理由に、声の質がある。
何とも歯切れの良さと、言葉の発音が綺麗なのである。
声に恋をすると言っても良い。そんな女性なのである。
そして、会社の女性社員も憧れるほどの、グラビア雑誌に載るほどの女性でもある。




