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恋愛×転生×魔装機――何度も生まれ変わり、戦い続ける運命

 ――世界が血のように赤く染まる。


 轟音とともに爆発が校舎を襲い、炎と瓦礫が舞い上がった。悲鳴が教室の空気を震わせる。


 そこへ、黒い魔装機《ブラック=アルグレイ》が校舎の屋上から中庭に着地した。


「敵性反応、対象固定……エルグラヴィス、及びパイロット・レン=コイガサキ」


 無機質な機械音。まるで俺を“人間”として見ていないようだった。


「マジかよ、こんなところまで来るとか、嫌がらせかよ……」


 胸ポケットの起動キーをぎゅっと握りしめる。


 その瞬間、空間が歪み、紅黒の巨体――《エルグラヴィス》が転送された。


 地面が砕け、風がうねる。


『大丈夫、あなたが叫べば、私は強くなる――愛の言葉で』


 フローレンスの声が耳に直接響く。


「いやいや、今それ言う? 俺の命が今、軽く危険信号なんだけど!」


 それでも、わかっていた。こいつは“感情”で強くなる。


 かつての戦争で生み出された未知のエネルギー“エーテル感情粒子”を動力に持つ特別な魔装機。


 深く、強く、誰かを想う気持ちが装甲を変え、武装を覚醒させる。


 コアに宿るのは、“過去の恋人の魂”だという。


『私は、何千回も生まれ変わって、あなたと再び会うために創られた』


 フローレンスの声が甘く震えた。


「ったく、泣かせるなよ……いくぜ!」


 機体に飛び乗り、コックピットに接続。


『リンク率87%……感情粒子、反応良好』


 敵の腕が振り上がる。回避不可能だ!


「好きだ……!」


 反射で叫ぶ。


 その刹那、機体の周囲に光の盾が現れ、敵の斬撃をはじき返した。


「おい、マジで“好きだ”が防御スキルとか聞いてねぇ!」


『“好きだ”は防御呪文です。あなたの“心を守りたい”という意思が変換されました』


 スキルパネルが開き、感情と言葉の対応表が現れる。



[感情変換スキル一覧(暫定)]

 好きだ → フォース・シールドLv1(防御)

 守りたい → ブレイクスラッシュ(斬撃)

 一緒にいたい → シンクロブースト(加速)



「まさか、告白が盾になる日が来るなんてな……こんなこと、告白したことすらない俺にとっては革命だな。でも、戦ってる間に少しはモテるようになるかもな? いや、ないか……」


 敵の光刃が再び迫る。


「守りたいって言ってんだよォ!」


 叫びと同時に、《エルグラヴィス》の右腕が勝手に動き、紅の斬撃を繰り出した。


「ブレイクスラッシュ、発動!」


 敵の腕が切り落とされ、火花が散る。


 詩織の声がインカムに割り込む。


『遅いわよ、レン。あんたの“好きだ”には吹いたわ』


「え、聞いてたのかよ!?」


『当たり前でしょ。私の《カグヤ=ヴェスタ》も感情変換タイプ。つまり、言葉ひとつでお互い火力アップね』


「そりゃ爆発しそうだわ……」


『でも、こういうの嫌いじゃないんでしょ? 照れ屋さん』


 彼女の声に、微かな寂しさが滲んだ。


 リンクを通じて、俺は確信した――詩織もまた、消せない過去を背負っている。


 敵機から黒煙が漏れ出し、膨れ上がる。


『ミュートス個体識別コード:Type-V。再生機構、起動』


「え、再生とかマジかよ……チートすぎんだろ!」


『レン、感情粒子が足りてない! もっと強く叫んで!』


「強くって言われてもなあ!」


 言葉は俺の武器だ。


「フローレンス、俺は……お前が必要なんだ!」


 ゲージが跳ね上がる。


 胸部装甲が開き、新たな武装が姿を現した。


『新スキル解放――【心核ブレイザー】』


「ぶっ放すぜ、これが俺の愛の形だ!」


 紅蓮の光が敵コアを貫き、爆発が巻き起こる。


 静寂が訪れた。


 煙の中、震える声が響く。


『……また、あなたたちに会えてよかった』


「俺も……ちょっとだけホッとした」


 詩織の《カグヤ=ヴェスタ》が並び立つ。


『ふーん、なかなかの告白じゃないの。やっと、少しは心を開いたわけ?』


「うっせー!」


 フローレンスが感慨深げに、話しかける。


『詩織……久しぶりね。私たちは何度も時代を超えて出会い、恋をし、そしてあいつらと戦う運命なの』


 その言葉に、俺の頭が真っ白になった。

 最後までお読みいただき、本当にありがとうございました。


 「面白い!」「続きが気になる!」と思っていただけたなら、ぜひブックマークや評価での応援をお願いします。とても励みになります!


 これからも、心に残る物語を届けられるよう精一杯書いていきます。

 どうぞよろしくお願いいたします!

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