非モテ高校生、最強魔装機と“初デート”!? だが、俺に恋の自信などない
「デート……だと?」
コックピットの中、フローレンスの声が甘く、けれどどこか狂気を孕んで俺の耳に響く。
『ええ。あなたとの感情リンクを深めるため、今日は“初デート”を用意しました』
俺はモニターを見つめながら、頭を掻きむしりたくなった。
「はあ? 何言ってんだよ。俺、恋愛ど素人だし、無理に決まってんだろ」
『関係ないわ。私はあなたの最愛の人。だから成功させるの』
どこか底知れぬ決意と狂気を感じる声に、吐きそうになった。
ぐわあああああ! 俺の脳みそ、爆発しそうだ。
こんな重圧、絶対俺には無理だって。
「で、どこに連れてくんだよ?」
『あなたの地元近くの商店街と公園。生活感あふれる場所が、親密度アップに最適よ』
はあ……俺の“お察しください”な地元かよ。
クラスメイトにバレたら、学校に戻れねえわ。
「……行けってことか?」
『ええ。あなたのために、射的と屋台グルメも予約済みよ』
射的……妹と行った思い出の場所だ。でも今さら感しかねえ。
でも断れねえ。俺、魔装機に“最愛”って言われてるし。
その瞬間、モニターが赤く点滅し、鋭い警報音が鳴り響いた。
「敵襲!? くそっ、タイミング最悪だろ!」
『ふふ、こういう時こそ私の本気を見せる時よ』
俺の人生、非モテ高校生と最強魔装機の“初デート&バトル”なんて、
完全に狂ってやがる。
胸の鼓動が高鳴り、冷や汗が背中を伝った。
敵が迫る中、俺は覚悟を決めた。
「やるしかねえ……けど、恋の自信は皆無だ!」
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