5 天使と悪魔の恋
天使と悪魔の恋
その日、よく晴れた青色の暑い夏の日。
いつものようにふくろうが大きな木のねっこみたいな図書館に行くと、そこにはいつものように悪魔の女の子がいました。
悪魔の女の子はやってきたふくろうを見つけると、とっても嬉しそうに(まるで天使みたいでした)笑って、ふくろうにこっちだよって、口だけを動かして言いました。
ふくろうはとっても嬉しくなって、悪魔の女の子のところに少しだけ早足で歩いていきました。
そして二人はいつものように本を読み始めました。
大好きな本を。
二人で並んで椅子に座って。
それはとっても素敵な時間でした。
「……、あの、ふくちゃん」
とさちこはとっても恥ずかしそうに顔を真っ赤にして言いました。
「なに? さっちゃん」
ととても鈍感な男の子のふくろうはいつもと同じ顔と声でそう言いました。
そんなふくろうを見て、さちこはふくろうは数学のお勉強はよくできるけど、恋のお勉強がぜんぜん足りないと思いました。
「聞いて欲しいことがあるんだけど、いいかな?」
とさちこは言いました。
「もちろん。いいよ」
とこれから恋の告白をされるなんてぜんぜんわかっていないふくろうは言いました。(どんな数学の問題を出されても答えてみせると自信満々でした)
さちこもなかなか恋の告白ができなくて、一時間くらい、恋の告白をするのに時間がかかりました。(いつものように数学のお話に逃げたりしました)
恋の告白のあとで、二人とも真っ赤な顔をしてずっと図書館の中で黙っています。
まだまだ本当に子供ですね。
天使と悪魔。どちらが天使でどちらが悪魔? (見た目だけで本当にわかる?)
君は図書館の小悪魔 終わり