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私にだって救える世界がある!  作者: 小鳥遊葵
第一章 聖都ヴェストファーレン
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下水前の攻防

 「早く!ここから下に降りて避難するのよ!」

 魔族の攻勢が激しさを増していた。

 下町を越え、教会が立ち並ぶ地区に緑色の巨人をぶら下げた飛竜が飛んでいくのが見えた。

 それよりも手前、先程までフレデリックたちが騒いでいた繁華街にも数体の巨人が落ちている。

 お父さん《フレデリック》の言う通り、すぐに避難誘導していて正解だった……

 あそこに残って魔族と戦っていたら――チェスカは背中に冷たい汗を感じた。


 チェスカは繁華街からは南に少し下ったところにある下水道への入口で住民の避難を指揮している。

 途中で出会った衛兵数名を指揮下に入れ、多くの住人を下水道へと送っていた。

 時折、散発的に魔族が襲っては来たが、いずれも大した敵ではなかった。

 だが、状況は刻々と変わってきている。


 緑の巨人――ギガンテスが街に侵入してくるのと同じくして、降下猟兵が波状攻撃を仕掛けて来ている。

 彼らは魔物とは違い、知性を持っていた。

 チェスカ達が下水の入り口という拠点を守っていること、また、そこに人間が逃げ込んで行くことを発見すると、攻略目標として狙われることとなった。

 チェスカは非武装の住民を守りながら、それらに対処する必要に迫られていた。


 「このっ、しつこいってば!」

 降下猟兵の剣撃を受け止め、押し返す。鋭く入れた突きが敵の急所を貫き、やがて物言わぬ骸となる。

 チェスカは決して弱くない――が、住人を守りながら拠点を防衛しているために、消耗していた。

 「た、大尉殿、敵が多すぎます……」

 指揮下に組み入れた衛兵たちが弱音を吐いている。

 すでに人数が半分以下に減っていた。降下猟兵が出現してから、もう何人もやられている。

 衛兵たちはリーチのある槍で敵を牽制するのが精一杯だ。

 「弱音を吐かないで!私達がやられたら、中に逃げ込んだ人たちが危ないのよっ」

 また襲ってきた降下猟兵に鋭い突きを入れる――が、鎧に弾かれ、刀身がたわんで真っ二つに折れてしまった。

 「なんでっ!?」

 降下猟兵の一撃を折れた剣で受け止める。その勢いにつまづき、後ろにぺたんと尻餅をついてしまった。

 今が好機と、敵は剣を振りかぶる。


 ――殺られる……そう思った時、ふっとあいつの顔が浮かんだ。

 ホーク……ホークは無事だろうか。ごめん、私、ここまでみたい……

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