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第97話。聖なる光にて掃われる暗雲~ターク神父の事後処理とキャンプファイヤー

アルファ達は、ドラカン集落を襲い、

ゲンコツダンジョンを爆破に来た領主バップと、

無防備な状態の騎士団員達に、スタングレネードを使った奇襲を行い、

爆薬を始め、武器防具が積まれた荷車の奪取に成功した。


アルファ達は、元高レベル冒険者、

ターク神父と冒険者ギルド長バイロン、ダフリー夫妻を、

スタンにより戦闘不能に陥った領主と、騎士団の居る草原に残し、

山の森の中に駆け戻り、襲撃者達に悟られる事無く、身を隠したのだった。


アルファ達は、リリーと、トーシ達自警団員と合流し、

森の中から草原を監視していた。


アルファには、草原の焚き火の明るさの中、

ターク神父が、一人の老人を捕らえ引きずり起し、

何かを言ったのが見えたが、何を言っているのかは判らない。


その後、バイロンギルド長が、聞こえているか?!と言ったのは聞こえたが、

ダフリーさんが何をその後に言ったのか、

さらにターク神父が、何を言ったのかは判らなかった。


アルファは、ボソっと呟いた。

「あのじいさんが、領主か・・・。

何を言ってるかは、聞こえないな・・・」


マメダの、声が脳内で聞こえる。

「アタシが、教えてあげるわよ」


マメダが聞き取った、ターク神父達と、

領主バップ、騎士団ターハイの会話内容は、

要約するとこんな感じである。


ターク神父達が、何故計画を知り、ここに居るのか?については、

ライツの神様から、ターク神父にお導きがあったから。


ターク神父達が、3人で騎士団を捕らえ、

ダンジョンに捨てるつもりで、この先で待ち受けていたが、

領主達を襲う寸前に、神罰が下った。


突然のカミナリが草原に落ち、

騎士団と領主が死んだものと神父達は思った。


と、領主達に説明しているらしい。


俺達が、領主バップ達を襲ったのに、

イーハンの町やら何やら、全部関係無い事にしてるのか・・・。


それにしても、天罰とか?神罰?カミナリ?

神の居るこの世界では、通じる嘘なのかいね?



ターハイ騎士団分隊長は、作戦がバレてる上、

武器も防具も、痺れ毒も爆薬も無い。

その上、バイロンギルド長達と戦うのは無理である。


捕らえられたバップ領主に、命が惜しければ引くしかないと、

進言しているらしいが・・・。


バップ領主は、騎士団に戦う事を命じていると言う。


幾人かの騎士団員は、逃げようとしていたが、

ダフリーさんに、私達相手に、この山中から逃げ切れるのか?

と一喝され、大人しく草原の中央に集っていた。


領主の命に従わず、騎士団員は、降伏すると言ってるらしい。


バップは、このままだと、領主から失脚するのが判ってるんだもんな。

最後の賭け、ターク神父達と戦って勝つしか道が無いか・・・。


それに対して、騎士団としてはバップを見捨てる感じかな?

領主失脚の道連れと、犯罪行為発覚を恐れたな?

それ以前に、生き残りを図ろうと言う事か?


まぁ、神父達3人と戦うったって、

武器防具があろうと、勝ち目なんて無い訳だしね。



ターク神父は、騎士団の戦意喪失を見て、

事件自体が無かった事にするよう、誘導しているそうだ。


カミナリを食らわせ、命を取らなかったのは、

神のみわざであり、意思である。


神が命をとらなかったのだから、

我々も殺さないと、ターク神父は言ってるらしい。


ふむふむ・・・。


ダンジョンがあると言うのは、誤報であったとして、

このまま引くならば罪には問わないと、騎士団に対し言ってるとの事。


それでも、領主バップは、騎士団に戦うように命ずるが、

騎士団は既に降伏していた。



これは・・・どうなるんだ?

何も無かった?罪には問わない?


ダンジョンがあると言う所に行ってみたが、

ダンジョンは無かった・・・で、何事も無く帰る?

うーむ・・・世間的に通ると言えば、通るのか?


荷車は、神隠しと言う事になったのか?

この世界では、良くある事なんかいね?



とにかく騎士団は、領主を見捨てて引く気配だな。

領主バップは、引こうとはして無いが、騎士団が連れて帰る様子だ。

ターク神父達は監視として、イーハンの町まで同行するらしい。


俺は、困惑して、小声でドラカンさんに尋ねた。

「あいつら無罪っすか?これでいいんすか?」


ドラカンさんは、笑顔で答えた。

「これで一段とバップは立場が無い、失脚だー。

予定通り、ターク神父の派閥の方が領主になれば、

元のように、ここらでは、獣人差別は無くなるだーな」


オーラスさんも、俺に説明する。

「騎士団の罪は問わないとなれば、

ヤツらが、ウチの集落や、ダンジョン爆破にこだわる事も無いだろう。

アイツらに恨まれたら、今後危ないだけだ」


ニックさんも言う。

「騎士団は、この計画が外にバレて無いと思った訳だからな。

騎士団共は、領主の手先なだけだ、無かった事にするだろう。

ドラカン集落とイーハンの危機は去った。

それで良しとしよう」


ハーネさんが、ほっとした声で言った。

「そうね、襲われなければ、それで良いのよ。

表向き何も無かったとは言え、あの騎士団達には、

ターク神父の実力派閥が、何かしらの処分を下すでしょうし」


トーシさんが、俺に向かって言った。

「表向きの話の筋としては、

ダンジョン排除の為、領主、騎士団、ターク神父達が協力し動いたが、

ダンジョンはなかった、空振りと発表でしょう」


シュンツが、俺に言う。

「お咎め無しが釈然としないのは、僕らも一緒ですよ。

でも、先の事を考えると、事を荒立てるより、

何も無かったにしておいて、裏で話を付けるのが、良いと思います」


むー。

政治は判らんちんだな。


まぁ、これで安全になったのなら、いいのか?

ダンザを叩きやがったあのクソ門番に、一発返してやりたかったが。


トーシさんは、続けて若い隣村の自警団員2人に言う。

「そう言う事だ、この件は忘れてくれるな?

ダンジョンの事も、シガラキ教の事も全部だ。

公式に発表があるまで、胸の中にしまっておいてくれよ?

ニボガッツさんには、私から口止めされたとだけ言えば良い」


2人の自警団員は、トーシさんを見て黙って頷いた。


ドラカンさんが、少し困り顔でトーシさんに言った。

「済まなんだー。

ダンジョンの事、隠してただーよ」


トーシさんは、苦笑いをしながら答える。

「私にも秘密とは・・・困ります。

まぁ、あなた達が監視してたと言う事の様ですが・・・。

その件は、また後日詳しくお願いします」


トーシさん・・・何者?


隣村の自警団員に尊敬されてるっぽいし、

ドラカンさんも、一目置いてる?


俺の受付をしてくれた、冒険者ギルドの職員さんだよな?


草原の様子を監視していたマメダが、小声で言った。

「動き出すわ」


騎士団と領主が、隣村に向かって移動を始めたようだ。

その後を、ライトの魔石を持った、ターク神父バイロン夫妻が続く。


それを見たトーシさんと、若い自警団員達は、

領主、騎士団と、ターク神父達を、このまま監視し続けると言う。


トーシさん達は、俺達に別れを告げ、

真っ暗な夜の森の中に消えていった。



俺は、誰に聞くでも無く呟いた。

「トーシさんって、なんなんすか?」


ドラカンさんが、小声で言う。

「元々は冒険者だーよ。

若くして引退して、町に戻り自警団を率いてただー」


ハーネさんが、補足する。

「イーハンを守る、陰の実力者と言った所よ」


ダンザが、ボソっと言う。

「・・・腹減っただーな」


そう言えば、もう晩飯時だな。

とりあえずの危機が去って、みんな少しほっとしてる空気だ。

俺も、少し緊張が解けたようだ。


俺は、少し笑いながら小声で言った。

「へへ、お前、そればっかだな」


ラリーサが、少し大きめの声で、能天気に言った。

「今日も、大学芋あるかしら?

アレ、美味しいわねー」


マメダが、草原の方を見ながら、小声で言った。

「・・・大丈夫みたい。

ラリーサ、声が大きいわよ?」


リリーが、少し明るい小声で、ラリーサとみんなに言った。

「大学芋は、まだあると思うわ?

さぁ、みんなの所に行きましょう?」


ハチムも言う。

「ええ、芋があるだけ作りましたからね」


シュンツが、母のハーネさんに向かって言う。

「母さんも、大学芋にハマってるみたいですね」


ハーネさんは、答えた。

「シガラキ様の使いは、水飴が作れるなんてね。

水飴としては、甘味シンジケートと、交渉しないといけないけど、

大学芋、加工品ならいくらでも、自由に売れそうじゃない?

あれは美味しいし、儲かると思うわ」


ニックさんが、ハチムに向かって言う。

「お!いいじゃないか、お前。

大学芋で露天商になったらどうだ?」


ハチムは、小さく首を振って言った。

「僕は、聖女の槍ですよ?

小さな屋台なんて、名が泣きます。

いつか、大きな食堂を持って見せますよ」


一同、小声でクスクスと笑った。

騎士団達が去り、みんなの緊張は解けつつあったのだ。


ダンザが、情けない声で言う。

「もう良いだーな。

あいつら帰っただし、俺達も、もう帰るだーな」


ドラカンさんが、答える。

「ああ、みんなが非難してる所に、迎えに行くだーぞ」


オーラスさんは、皆の気を引き締める様に言う。

「まだアイツらは近い、ライトの魔石は使うなよ?

このまま集落側に下って、山陰に入ってからにしよう」


俺は、冗談交じりに、リリーに言った。

「リリーは、ライト掛けるなよ?

山陰だろうと、リリーのライトは、バレるに決まってるから」


リリーは、明るい声で答えた。

「前みたいに、弱くする調節が効かないのよ。

困っちゃうわ」


アルファ達は、緊張から開放され、

草原横の山中、真っ暗な森の中を、湖に向かって下り始めた。


十分に山陰となったのを見計らい、魔石にライトを掛け、

トンバーさんや子供達の待つ、一時避難場所に向かって進んだ。



突如降りかかった、ドラカン集落と宿場町イーハン、隣村の危機は、

こうして去ったのだった。


リリーのスタングレネードにより、

騎士団との戦闘は避けられ、全員無事に、この危機を乗り切ったのである。


しかし、この騒動を治めた一番の要因は、

領主の襲撃爆破計画を察知し、それを阻止せんと行動した、

自警団とターク神父達の働きであったと言えるであろう。



ドラカン集落の全員が、集落から少し離れた一時避難場所に集った。

ハーネとシュンツ親子、バイロン、ダフリーの孫娘ラリーサも加え、

そこで夕食をとる事となる。


避難していたトンバーさん達は、無事に危機が去り、集落に戻れる。

元の生活が出来るという、事の顛末を知り、ほっと胸を撫で下ろした。


一時避難所の空気は、一転して、とても明るいものとなったのだ。


避難場所に、簡単な食事は準備されていたが、

トンバーや、ハチムは、張り切って夕食を作った。


集落の荷物は全て荷車に載せ、アルファがここに運んでいたのである。

まるで、大掛かりなレジャー、キャンプの夕食であった。


特に、子供達は、焚き火の周りを走り回り、キャンプを楽しんだ。


夕飯を食べたら、集落に戻って寝ようと大人達は言ったが、

外で寝る、テントで寝ると言って、聞かなかった。

テントで寝るのを、楽しみにしていたのだ。


南の隣国、獣人国ゼンツに行く準備は整えていた。

隣村を通らず極東街道に出て、テントで一泊する計画であったのだ。


結局、集落からそう遠く無い一時避難所で、

一同は一泊し、

翌朝、電車ごっこで、集落に戻った。



俺は、思った。


おチビ達は、騎士団に襲われるのを聞いても、そんなに怖がらなかったし、

集落を捨てると言っても、祭壇におもちゃは置きっぱなしだったな・・・。

こうなるのが、判ってたかの様な気もするな。


おチビ達は、シガラキ様から、何か聞いてるんじゃなかろうか?

俺、二神様に、ほぼほぼ無視される訳だが・・・。


敬虔なる我が信徒とか、シガラキ様が言ってた気がするしなぁ。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


ざまぁは?

貯めといて、いつかやってやるさ。


リアルが忙しく、投稿間隔が伸びてしまっています。

その間も、アクセス解析を見るに、

読んで下さる方が居ると思うと、励みになっております。


書き始めたからには、切りの良い所までは書くつもりです。

どうぞ、気長にお付き合い下さい。


外伝的?脇役の方のバックボーン的な短編も書いてみます。

宜しければそちらもどうぞ。

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