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第93話。交わる光と影~大学芋と双剣の才



その日、アルファ達は、スタングレネードを開発し、

ゲンコツダンジョンでの実戦テストで、上々の結果を出していた。


スタングレネードとして、

手持ち20発ほどの炸裂弾を使い切ったアルファ達は、

昼過ぎに、意気揚々とドラカン集落に帰った。


元冒険者達に、動物系の魔物に対するスタンの成果を報告すると、

納得顔で、大いに喜んだ。


スタンは、リリーのライトで、魔石の魔力が使い切られるまでなら、

掛けて直ぐより威力が落ちるだろうが、俺達以外にも使えるだろう。


まぁ、リリーがライトを掛けた魔石は、数時間しか持たないから、

売り物には、ならないけどね。


アルファは、黒曜石の小石に穴を開け、

魔石を埋め込み、炸裂弾の量産を。


マメダは、精度の落ちた矢の先に、炸裂弾を仕込み、

弓を使って撃ち出す、スタングレネードを作った。


集落地下での、弓矢タイプのスタン実験も、

元冒険者達が見守る中、恐ろしい閃光と轟音を生み、

こちらも大成功となったのである。



ドラカン集落に、夕刻が訪れていた。


オレンジの光が、集落前広場で遊ぶ子供達と犬、

それを見守る集落の者を、

希望に満ちた明日を暗示する様に、優しく包んで居た。


今日も、ゲンコツダンジョンに潜った若き6人は、

するべき作業、仕事を終え、

夕食まで、まったりとした時間を過ごしている。


俺は、ハチムと女性陣にせがまれ、

キッチンで、俺の世界のお菓子の作り方を教えていた。


お菓子の作り方っても、俺はそんな事・・・詳しくない。


水飴を俺の世界では、どう使っていたのか聞かれたので、

大学芋と答えただけの話なんだがw


集落には、甘味が足りなく小さいが、サツマイモのような芋があるし、

調理用の油と、ゴマがあった。


サツマイモを、茹でるんだか、蒸すんだか・・・。

とにかく、ハチムに指示を出して、サツマイモに火を通す。


ハチムは、茹でるのか蒸すのか、どっちだと俺に迫るが、

どっちでも良いと答えておいたw


火の通った、サツマイモを乱切りにして、油で揚げる。

というか、ハチムにフライパンみたいな浅いヤツで、揚げて貰うw


たっぷりの油で、俺の世界じゃ揚げてる気もするが、

別に、テンプラみたいに揚げなくても、いいんだろ?たぶんw


表面がカリっと揚がったサツマイモに、

水飴とゴマを振り掛けて、あえる。


これは、俺がやったw

ここの工程でも、火に掛ける様な気もするが、まぁいいww


出来上がった、大学芋モドキ?

ほぼ大学芋を、キッチンで、興味深げに見ていた女性陣と、

俺とハチムで味見をした。


・・・大学芋だ、大学芋以外の何物でもない。


俺の食って来た、売り物の大学芋と、

なんか微妙に違う気もするが、紛れも無く大学芋。


そりゃそうだw

こんなもん、どうやって作ったって、

大学芋に成らざるを得ないw


女性陣もハチムも、大学芋を大絶賛だw


無かったのね?この世界に大学芋。


無いか?・・・無いね。

中世ヨーロッパ的な世界に、近代日本の大学芋、ある訳無いねw


畳あるけど、ゴザみたいな畳あるけど!ww


試しに作った、500g程度の大学芋は、瞬く間に無くなった。


ハチムは、俺に手順の確認を迫りながら、もう一度大学芋を作り始める。

今度は、蒸すし、あえる時に火に掛けると言う。


女性陣は、それを嬉々として手伝う。


ハチム・・・料理となると、熱いな、俺に対する圧が強いw

女性陣は、もう・・・夕食前にそんなに食って・・・。


つーか、夕食作ってよね?

イヤだよ、とっつぁんらの作った晩飯。

品数少ないし、あんま美味くないし・・・。


俺は、キッチンから追い出され、広間に移動した。


外が暗くなったから、おチビ達が中に入り、広間で遊んでいる。

俺も、おチビ達に混じり、リバーシで遊んでいた。



甘い匂いの立ち込めるキッチンから、晩飯の仕度が出来たと、

女性陣達が、皿や料理を運び始める。


俺は、小上がりの上のテーブルから、おもちゃを祭壇に片付け、

食事の準備の手伝いをする。


晩飯は、いつも程度の献立であった。


俺は、胸を撫で下ろす。

大学芋のせいで、晩飯のグレードが落ちる事は避けられたようだw


いつもの様にリリーが、おもちゃの供えられた祭壇の脇に立ち、

全員で、シガラキ様とアルファの神に祈りを捧げ、夕食が始まる。


俺は、小上がりのダンザの隣で、おチビ達の世話をしながらメシを食う。


大学芋の話と、スタングレネードの話で、食事中の会話は盛り上がった。

どちらかと言うと、大学芋の方が、喜ばれている気もするが・・・。


デザートと言う訳でも無いのだろうが、夕食が終わる頃、

キッチンから広間に、山盛り大量の大学芋が運ばれて来た。


サツマイモがあるだけ作ったそうだw


おチビ達は、初めて見る大学芋に大興奮し、

女性陣達も、別腹だと言って、食後であるにもかかわらず、

大学芋をバクバクと食べていた。


男性陣は、そんな様子を笑顔で見ながら、大学芋を摘んでいた。



マメダが、何かに感づき、つぶやくように言った。

「・・・誰か来るわ」


俺は、小上がりで大学芋にパクついたまま、

動きを止めたマメダに向かって聞く。

「ん?来る?」


マメダが、大学芋を飲み込み、出口の方を見ながら言う。

「外、人よ・・・」


マメダは、この集落で一番耳が良い。

何かの気配を感じるのは、誰よりもマメダが早いのだ。


それにしても、集落の広間から、外の人の気配を?


広間には、少し緊張が走って居た。


ドラカンさん達、元冒険者が、テーブル席から立ち上がり、

詰め所に向かう通路の方を見ながら、口々に小声で言う。

「客?・・・」


「こんな時間にか?」


「俺には、まだ聞こえん」


「マメダ、何人だ?」


マメダも、小上がりから音も無く降り言った。

「1人じゃないわ、2人かしら?

まだ、外の広場よ」


ドラカンさんが、指示を出す。

「詰め所に向かうだー。

アルファ、念の為にPT組むだぞ」


俺は、小上がりに居るダンザ、ハチム、シュンツ、リリーと、

小上がりから降りたマメダに、PT招待を送る。


ドラカンさん達、元冒険者もPTを組んだ雰囲気であった。


元冒険者と、俺達若手PTは、耳を澄まし詰め所に向かう。


広間に残された子供達と、レンダさん、サニーさん、カブールさんは、

人が来ると言う集落の異変に、過敏に反応し、黙って俺達を見守る。


そう・・・。

ドラカン集落に、客が来るなど異常な事、しかも、夜に・・・。


元冒険者も、俺達若手PTも、警戒をしながら、

足音を殺し、そろそろと詰め所に向かった。


マメダが、詰め所に続く通路上で、小声で言った。

「ハーネおばさん?

もう一人は・・・判らないわ」


ドラカンさんが、小声で言う。

「ハーネ?

足音に異常はあるだか?」


マメダが、詰め所に進みながら答える。

「無いわ、普通よ」


ドラカンさん達、元冒険者達が、先に進み詰め所に入る。

俺達若手PTも、後に続いた。


オーラスさんが、小声で言った。

「ハーネだな、もう一人は判らん」


外からの、ハーネさんの声が、

俺にも微かに聞こえた様に思う。


が、何を言ってるかは、俺には判らない・・・。

まだ、自然洞窟に入ったかどうか、と言う感じがする。


ドラカンさんは、その声に、詰め所の扉を閉めたまま答えた。

「もう一人は誰だーな?」


洞窟内に入ったハーネさんの声が、俺にも微かに聞こえる。

「バイロンさんのお孫さんよ」


俺は、魔力探知を掛けた。

まだ、ハーネさんも、もう一人も、30mほどの探知範囲には居ない。


オーラスさんが、俺達に向かって言った。

「危険は無いようだな、ハーネにおかしなところは無い」


ドラカンさんが、詰め所の出口の扉に張り付いたまま言う。

「うむ、まぁ念の為だー。

アルファ、鑑定を頼むだぞ?」


ドラカンさんオーラスさんのやり取りを聞き、

詰め所の中の緊張は、少しほぐれた。


俺は、ハーネさんともう一人が、魔力探知内に入るのを待ち、

もう一人が探知出来た瞬間、鑑定をし要所を声に出して読む。

「ラリーサ。

バイロンさんとダフリーさんの孫。

ゼンツ教神職、軽戦士、Lv18、双剣の才+」


俺の読み上げの途中で、扉の先からハーネさんの声が聞こえる。

「ドラカン、大変なのよ。

ここが襲われるわ!」


詰め所の中の俺達に、

ハーネさんの言葉が、新たな緊張を生んだ。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


急転直下?

緊張と緩和?

違うと思うww


平穏な日常に、忍び寄る不吉な影、かな?

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