第86話。背骨を伝い先を思う~脱出口と11階の魔物対策
アルファ達、若手PT、
両手盾ダンザ、聖女リリー、槍ハチム、弓マメダは、
元冒険者、炎の魔法使いオーラス、弓使いニックと共に、
ゲンコツダンジョン10階のボスを倒し、
11階で格の変わる魔物を相手に、
防御壁戦法が通用するかを試した。
アルファ達は、最大8匹出る、3部屋の掃討をし、
2度の遭遇戦、徘徊する少数の魔物を倒したが、ほぼ無傷のまま、
背骨を通ってダンジョンを出るのであった。
俺達は、11階の来た道を戻り、
10階、ボス部屋近くの、2つ扉のある小部屋に着いた。
オーラスさんが言う。
「こっちの扉が、背骨、螺旋階段に繋がってるんだ」
ニックさんも、言った。
「今なら、岩が動いて通路が開いてるはずだ」
ダンザを先頭に、俺達は扉を開き、通路を進んだ。
前方に螺旋階段が見えて来る。
オーラスさんが、前方を見ながら言う。
「うむ、空いてるな」
ニックさんが、答える。
「ああ、ダンジョンは、俺達を外に出したいようだな」
俺は、疑問に思った事を聞く。
「岩が塞ぐ・・・。
今、岩は横にずれて、壁にハマってるって事すか?」
オーラスさんが、指差しながら頷いて言う。
「ああ、横を通る時に判るさ」
俺達は、通路を進み、
壁に収納された岩を、横から見た。
でかい・・・。
ダンジョンの5~6mはある通路を塞ぐ大岩。
厚さも、3mほどはある。
これをダンジョンの意図に反し、動かすと、
ダンジョンから魔物が溢れる、スタンピートの原因になるそうだ。
動かすっても、俺のアイテム収納でも、まるっきり無理だがw
大岩のすぐ先が、螺旋階段だった。
反時計回り?右側に階段が上がっていく作りだ。
左側は、通路を塞ぐ大岩のような岩で、塞がれていた。
元冒険者の2人いわく、
20階ボスを倒せば、左側の岩が動き、
一時的に通れるようになるそうだ。
螺旋階段は一本・・・ダンジョンの中心部を貫く、背骨か。
20階ボス部屋から、道は2手に別れ、
深く潜る道と、螺旋階段に繋がる道。
その20階の螺旋階段を上がると、
ここ、10階の螺旋階段に繋がってると。
俺達は、螺旋階段を登る。
左側の壁、螺旋階段の中央は、太い柱の様であり、
吹き抜けになってないから、上も下も見れる訳ではない。
俺は、地下鉄の構内に入る通路の様な感じがした。
今は、地下鉄構内から、外に向かってる感じか。
元冒険者の2人は、スロープになってないから、
荷車を運ぶのは、結構一苦労なんだと言いながら、階段を上がる。
いつもの様に、俺のアイテム収納があると、楽だと笑って居た。
しばらく進むと、リリーのライトじゃない、外の光が感じられる。
俺は、10階潜ったのに案外浅く、螺旋階段が短く感じた。
ハチムが、笑いながら、そんなに深くは無いと、
掌と小盾を使い、ダンジョンの作りを説明してくれる。
ダンザとマメダ、リリーも、説明を聞いて居るが、
判ってるのか怪しいもんだw
ああ・・・前にキッチンの皿で教えて貰った、
1階の真下に、2階がある訳じゃない、
横にずれてるってヤツか。
俺は、方向音痴だから判らんが、
まぁダンジョンてのは、そういうもんなんだろう。
螺旋階段の最後、出口は、自然洞窟の中だった。
自然洞窟の左壁に、さっき見たのと同じ様な、通路を塞ぐ大岩があり、
いつもは閉まっているそうな。
俺達が通れば、数分後には岩が動き、この出口を塞ぐらしい。
俺達は、10数m程度の、短い自然洞窟を通り、外に出た。
外の空気を吸い、日の光を浴びて、一息つこうかと思ったが、
休憩なしで獣道を通り、ゲンコツダンジョン前の広場に向か事とした。
ここはどこだ?
俺にはさっぱり判らん・・・。
まぁ、ゲンコツ入り口に近いらしいが・・・。
ハチムが、またも笑いながら、背骨の位置を俺に説明する。
なんでも・・・右手のカラオケポーズで言うところの、
手首の外側に当たる場所だそうだw
俺の胴体が、湖で・・・。
マイクを握る手に向かって、ゲンコツダンジョンに入り、
右に曲がって、手首の方に向かい、腕の部分に別の皿、2階層目。
3階層目の皿が、湖から見て腕の外側、
4階層目の皿が、湖から見てゲンコツ山の外側、
5階層目の皿が、ゲンコツ山の真下だそうな。
・・・えええぃ!
わからんでもいいw
一緒に説明を聞いているダンザ達は、
判った風に頷いているが、ホントか?w
5分ほどで、俺達は、
ゲンコツダンジョン、入り口前広場に帰りついた。
俺は、皆に水と昼飯を配り、ここで昼休憩とする。
ボス戦の話や、11階の魔物の話、背骨の話など、
みんなワイワイとしゃべりながらの食事となった。
俺は、それを聞きながら、考え事をしていた。
これからは、10階ボスの先で、リリーのレベル上げか・・・。
今日は、オーラスさん、ニックさんに来て貰ったが、
火力が落ちたらヤバいかも?
10階ボス、クレイゴーレムは、距離を保てば問題無いハズ。
火力が落ちても、防御壁を設置し直す、曳き狩りでいけるだろう。
問題は、11~15階に、虫系が出ない事だ。
俺達は、虫毒で随分楽をして来たからな・・・。
11階から出るゴブリンと魔狼にも、聖女の光は効果を発揮し、
目潰し効果が、これまでのコボルトと同じく、
目が慣れるまでの一定時間効いた。
11階から新しく出た、でっかいカタツムリは、殻が固いが、
まぁ、いままでのナメクジと同じ。
殻意外に攻撃を当てれば、何も変わらかった。
ゴブリン、魔狼、コボルトばかり8匹も出ると、
火力が足りない場合、一時的な目潰しの間に倒し切れず、
防御壁に殺到される可能性がある。
防御壁前の虫糸は、余りアテにしちゃ危ないな・・・。
今のところ、良く掛かって居るけど。
ゴブリン、魔狼、コボルト・・・何か対策を考えないとな。
虫系の出る16階まで、
すり抜ける手も無くは無いが、危険だ。
リスクを犯さず、ちゃんと11階からLv上げをするべきだろう。
今までは、魔物の待つ部屋に突っ込むのも、
虫系相手が多かったので、楽だったが・・・。
今日の11階の感じでは、
明らかに、数の少ない徘徊魔物を倒すほうが楽だった。
部屋に突っ込むのを避け、バラけた魔物狙いに切り替えるか?
考え込む俺に、オーラスさんが、話し掛けて来た。
「なんだ?アルファ。
二神様と話をしてるのか?」
俺は、我に返り、オーラスさんに答える。
「あ、いや、考え事っす」
リリーが、俺に問う。
「何を考えていたの?」
俺は、言った。
「イヤさ、11階には虫系居ないだろ?
こっちの火力が足りないと、
前衛に、ゴブリン魔狼コボルトが、群がっちゃうんじゃないかと・・・。
乱戦は避けたいなと、何か手は無いかな?ってさ」
ダンザが、飯を食いながら言う。
「なんだーな。
俺とハチムが居るだな、大した事無いだーな」
ハチムは、少し困った様な顔で言う。
「そんな、あんなのに群がられるの、僕イヤですよ」
ほほぅ、ハチム君。
イヤなだけかい、前衛として自信が付いてるのか?w
前のハチムなら、ダンジョンに潜るのヤメそうなもんだが。
ニックさんが、俺の方を見て言う。
「何か手を考えたのかい?」
俺は、ニックさんとオーラスさんに向かって言った。
「まだ、何もなんすけど、何か無いっすかね?」
オーラスさんが、少し考えながら言う。
「うーん・・・毒かな」
「毒っすか?」
ニックさんも言う。
「毒にも色々あってな。
吸い込ます毒は、使い勝手が悪い、こっちも危ないからな」
ふむふむ。
オーラスさんが、俺に向かって言う。
「魔物が落とす、蜂毒と言うのがあるんだが、
これは、刺さると痺れる、腫れ上がる。
比較的安全だが、あまり出回らない。
魔物や動物に対して使うものだが、値が張るな」
俺は、言った。
「手に入れ難いし、値が張るっすか」
マメダが、俺に向かって言う。
「10階の先ぐらいで、そんな物使ってたら、大赤字よ」
毒はダメか・・・。
ダンザが、俺に向かって言う。
「まだ、ポーションどころか、薬草さえ食ってないだーぞ?
大丈夫だーな、俺達だけでも、11階の魔物に負けはしないだーな」
リリーが、俺に向かって微笑んで言う。
「大丈夫よ、私が後ろに居るわ。
乱戦が大幅に防げるんだもの、それだけでも、凄い事よ?」
オーラスさんとニックさんも、言った。
「ああ、ポーションを使えば、負けはしないだろう」
「今まで無傷な方が、おかしいんだからなw」
俺達は、昼飯を終え、虫毒草の採取をして集落に戻った。
帰って、保険の話をシュンツ君にしたら、興味あり。
ではあるが、保険の胴元になって金儲けは、難しいかもとの事。
海運は勿論、冒険者にも保険は無いが、
保険をやるならば、その人達の組合、クランでやる事になるだろうと。
シガラキ教、俺達でクランを作る時には、
死亡保険や、積立金をやろうと言う話になった。
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
ふぅー。
外の空気は美味いぜ!




