第80話。口車に乗って~商人の戦闘と詐術
アルファは、両手盾ダンザ、槍盾ハチム、
弓マメダ、聖女リリー、商人シュンツと共に、
ゲンコツダンジョンに潜っていた。
シュンツのレベル上げと、
新調した鉄防具の調子を見る事が、目的であった。
アルファには、深く、長く潜るつもりは無い。
しかし、シュンツに誘われ、
既に、ダンジョンに生み出される魔物の格が変わる、
6階にまで潜っていた。
6階での戦闘も順調で、なんら問題が無い。
サクサクと6階の殲滅もこなして、昼休憩とする。
休憩に入ると、防御壁に寄りかかり、
飯をほお張りながら、シュンツが言う。
「アルファさん、6階も10階も同じ魔物が出るんですよね?
儲けは変わりませんが、経験値が違います。
どうです?このまま10階まで一気に潜りませんか?」
俺は、防御壁の踏み台に座って、
戸惑って、少し考えながら言う。
「同じっちゃ、同じだけど、そんなに深く行くのはなぁ」
ダンザが、部屋の真ん中で、
ガツガツとサンドイッチに、食いつきながら言う。
「なんだーな、シュンツ。
お前、Lv上げに熱心だーな」
ダンジョン壁際に座ったマメダが、矢をいじりつつ、
食事を取りながら、シュンツを見て言う。
「シュンツ兄ちゃん・・・何をあせっているの?」
隣のリリーも、スープを飲み込んで、同意して言う。
「そうよ?
ダンジョンを舐めてはいけないわ」
ハチムが、防御壁に張り付いたまま、飯を食いながら言う。
「そうですよ、
急げばそれだけ、危険が増えます」
シュンツは、少し笑いながら言った。
「あせっているとか、急いでいる気は無いですよ。
ただ、防御壁・・・
聖女と神の使いの戦い方が凄いだけです。
未だに、前衛でさえほぼ無傷だし、
薬草さえ使ってないじゃないですか」
ダンザが、寝転んで、飯を食いながら言う。
「まぁ、俺も鉄の防具の感じを掴みたいだーが・・・。
まだ、まともに一撃も食ってないだーな」
おれは、ダンザとハチムに尋ねる。
「鉄の胸当てと兜、どうなの?
重くない?」
ダンザは、頭の兜を軽く叩き言う。
「そう重くも無いだーな。
俺も前衛としてLvUpしてるだし、
力もそれなりに付いて来てるだーな」
ハチムは、胸当てを触りながら言う。
「僕にはまだ、ちょっと重いかもです。
思ったほど、重くは無いんですけど、
動けないってほどじゃないんですけどね」
シュンツは、ダンザに向かって言う。
「一撃、食いに行きませんか?」
俺は、飯を食いながら、
シュンツに向かって言った。
「わざわざ、一撃食いに行かなくたっていいよ」
ハチムも、続ける。
「そうですよ・・・
何が狙いなんですか?」
マメダが、何かを感づいた様に言う。
「ははーん、タダでLv上げが出来るからね?」
リリーが、呆れたように言う。
「シュンツ?そうなの?」
シュンツは、女性陣に振り向いて言った。
「違いますよ。
僕だって、聖女の商人になったんですから、
少しでもみんなに追いつこうと思って・・・。
それに、そろそろ10階ボスと戦うんですよね?」
ダンザが、上半身を起こし、スープを飲みながら言った。
「それと、一撃食うのと、
なんの関係があるだーな?」
シュンツは、ダンザに向き直って言う。
「10階ボスの顔、拝んで帰りませんか?」
ボスの顔を拝んで帰る?
俺は、何を言っているのか判らなかった。
ハチムが、眉を寄せて、ダンザに言う。
「シュンツの、口車に乗ったらダメですよ」
シュンツが、ダンザに向かって言う。
「10階ボスは、アースゴーレム。
動かないで、石つぶてを飛ばして来ると聞いてます。
ボス部屋の扉を開けて、
石つぶてを盾で受けてみたらどうです?
ボス戦への、予行演習ですよ」
ダンザは、飯を食い終わって、盾を見ながら言う。
「盾を変えただしな・・・。
一発試しに防いでおくと、安心だーか・・・」
俺も、飯を食いながら言う。
「予行演習か・・・、
ダンザ?一発喰らえば、感じが掴めるのか?」
リリーが、困ったような顔で言う。
「10階も、6階も変わらないけど・・・行くの?」
ハチムも、言った。
「ほら、口車に乗せられてる」
マメダが、シュンツに向かって言う。
「ホントは、こっちに居る間に、
タダでLv上げしたいだけなんじゃないの?」
シュンツは、笑いながら言った。
「それは、そうなんですけどねw
あんまりにも無傷じゃ、前衛は不安になるでしょう?
攻撃を受け始めた時、受け切れるのか、後衛を守れるのか。
扉を閉めて、帰れば良いだけなんですし、行きませんか?」
俺達は、結局、シュンツの口車に乗せられて、
10階ボスを見に行く事とする。
ついでに、安全の為と言う口車に乗って、
10階の殲滅を行う事となった。
シュンツ・・・。
商才って、詐術の間違いじゃないのか?w
俺達は、前衛でさえ無傷のまま、
ポーションも使わずに、10階の殲滅を終える。
ボス部屋の前まで行くのは、初めてだったが、
ハチムは、ドラカンさん達から、場所を聞いて知っていた。
俺達は、とうとう、
ボス部屋の前の扉に着いてしまったのだ。
ボス部屋の中、魔力探知範囲内にボスは居ない。
マメダでも気配は感じなかった。
ドラカンさん達の話では、
土人形は、先の階段に続く扉を守っているとの事だった。
ボス部屋は、広い部屋で、一辺50mを超えるらしい。
Lvは大した事は無いが、ボスだ。
並の魔物ではない。
HPが高く、MPも多い。
普通の倒し方は、前衛が突っ込み、
攻撃を引き付けながら、攻撃もし、少し引く。
ヒットアンドアウエィってヤツだろうか?
後衛は、全力で攻撃と回復。
感じとしては、10階の魔物の群れ2つと、
同時に戦うぐらいだと言っていた。
俺達、目潰しと虫毒で、楽してるからなぁ・・・。
俺たちと、ドラカンさん達の感覚とは、
また違うんだろうなぁ。
とりあえず、アースゴーレム?クレイ?
まぁ、顔を拝み、ダンザの防御力の様子見だ。
今日は戦わない。
防御壁をボス部屋の中にだし、
扉を開けて、光を差込み、奥を見る。
それだけだ。
俺達は、絶対に戦わない。
部屋の中には入らないと、全員で確認と約束をかわし、
ダンザが、扉の前にスタンバイした。
俺は、ボス部屋の中に、防御壁を出した。
ズズ、と言う小さな地響きを合図に、
ダンザが扉を、ダンザの肩幅ほどに開いた。
ダンザは、その場で声をあげ、左半身になって盾を構える。
アルファ、ダンザ、リリー、ハチム、マメダは、
シュンツの口車に乗せられ、
10階ボス部屋の扉を、開いたのであった。
若き6人は、ゲンコツダンジョンにて、
初めて、特殊な魔物、
10階ボスと対峙する事となったのである。
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
なんとなく、読み難いような気がして、
空白を開けまくってみました。
来ちゃったw
話が進んでるような、進んでないようなw




