第七十話。杞憂と皮算用~宿場町行きに備え一儲けの勘定
Lv20近い魔狼2匹とゴブリンマジシャン狩りは、無事に終わった。
俺は、魔狼の範囲魔法を喰らうと言う初体験をしたが、
HPが7削られただけだった。
俺のHPは今や90を越える、
MAXHPの一割も喰らわなかったと言う事だ。
低レベルの後衛があの魔法を喰らうと、
喰らっている間、痺れて動けなくなると言う話だったが、
自分達のLvUPとシガラキの笠により、
俺達若手PTの防御力は上がっている。
大きいのは笠だ、基礎防御力に上乗せされているのだから。
全身に満遍なく、急所、目や喉、耳にも、
革の上着を装備しているぐらいの、効果があったのだ。
何故ダンジョンの外に、
高レベルの魔物が居たのかについては、謎のままだったが。
ゲンコツダンジョンが、ダンジョンの外、
地上を支配下に置く前触れ。
俺がここに来る前、ドラカンさん達が、
ゴブリンを外で見かけて狩ったと聞いている。
たぶん、そいつと一緒に生み出されたのだろう、
と言う話に落ち付いた。
その日の晩飯時に、
俺は、かねてから考えていた事を切り出した。
リリーはじめ、俺達若手PTは、全員Lv16になっている。
もう、10階のLv14程度の魔物では、
Lvが上がり難くなっているのである。
そろそろ、Lv15の10階ボス、クレイゴーレムに挑みたい。
その為には、武器防具を揃えたい。
と言う事は・・・町に。
集落から一番近い、極東街道の宿場町、
イーハンに行くと言う事だ。
現状、外にシガラキ様の事がバレないように、
集落に閉じ篭っていたが、何時までもそう言う訳にも行かない。
隣村の商人、ニボガッツにHPポーションを、
大量に持ち込む訳にも行かないのだ。
急にそんな事をしたら、大量のHPポーションの出所を疑われる。
そうなると、ゲンコツダンジョンの事がバレるかも知れない。
やはりイーハンだ。
馴染みのハーネ商会に持ち込んで、
HPポーションの現金化、武器防具の調達。
それでボスに挑める、
その先11階以上の深さでリリーのLv上げ、
リリーが、新たなシガラキ教神職を生み出せるようになるまで、
そういう順序だ。
テーブル席のドラカンさんは、観念したかの様に言う。
「このまま町に行かない訳にも、行かないだーか・・・」
オーラスさんが続ける。
「どうなるかは判らんが、
直ぐにどうこうと言う事も無いだろう」
トンバーさんが、問う。
「ここを出る事に、なるかも知れないんだね?」
リリーが、明るい声で言った。
「大丈夫よ。
他所に行ったって、私達がダンジョンで稼ぐわ」
ダンザも言う。
「アルファは鑑定しても、
シガラキ様の使いとも、信徒とも出ないだな。
バレ無い事もあるし、大丈夫だーな」
ハチムもマメダも言った。
「シガラキ様の加護があるし、
アルファさんも居るし、他所に移っても同じですよ」
「ダンジョンがあれば良いだけよ。
南のゼンツに行けば、ダンジョンはあるし、
獣人差別を恐れる事も無いしね」
テーブル席の大人達は、心配顔だが、
小上がりのおチビ達は、町に行く事を喜んで居た。
「ライツ様は、シガラキ様の友達だから平気だよー」
「神様同士は、友達だもんねー」
「アルファ兄ちゃんが、町に行くんだよねー」
「ポーション売って、防具買うんだよねー」
「色々買うんだよねー」
「お土産もねー」
俺は、明日イーハンに出る許可を得て、
誰が行くのか、何を買うかの相談に入る。
メンバーは、俺、ドラカンさん、オーラスさん。
荷物運びを装う為と、防具のサイズを見るため、
ダンザとハチム、この5人に決まった。
イーハンで買うべき物は、
マメダの半弓の矢、最低100本と、マメダ専用半弓。
ダンザとハチムの鉄防具。
鉄槍の穂先5つ。
ポーションサイズの空き瓶を大量に。
出来たら、俺とリリーの、予備の杖、マメダの半弓の予備。
絶対に今欲しいのは、そんな感じだと相談で決まる。
今は、ドラカンさんの半弓を、マメダが借りて使ってる状態だ。
マメダの半弓が欲しい、出来れば予備を含め2本。
ニックさんは、半弓の矢を全てマメダに渡している。
半弓の矢は、集落に60本ほどあったが、
今や20本ぐらいしか、使えるのは残って居ない。
消耗品だし、マメダは毎日バカほど撃ってるから、消費も激しい。
自警団や騎士が町や村の警備にも使うから、在庫は常にあるはず。
簡単に手に入るだろうとの事だった。
100本の矢は、
ドラカンさんに20本、ニックさんに30本返して、
マメダの矢は、新しい50本プラス、今ある20で計70本と言う計算だ。
それだけあれば、また10日や15日程度は楽に持つ。
ダンザハチムの防具は、鉄兜と鉄鎧か鉄の胸当て。
出来れば、鉄の盾、小手なんかも欲しいが、
先ずは、急所を守れる兜と胸当てだ。
南のゼンツ、ダンジョンが近い町なら、
冒険者向けの普通の装備との事。
極東街道の宿場町イーハンでは、
丁度いいのがあるかどうかは、運だそうだ。
話によると、ダンザのサイズが、中途半端なんだそうな。
前衛職向きの他種族サイズだと大きすぎ、
人間サイズだと小さいらしい。
まぁそうだろうなw
防具のサイズを合わせる為に、ダンザとハチムは町に連れて行く。
町の中に入れなくても、防具を外に持ち出して、
サイズ合わせをしたいところだ。
鉄の穂先は、俺の投げ槍用。
村や町で自警団が警備に使う武器だし、
イーハンで手に入るだろうとの事。
山ほど買えるなら、ハチムも投げ鉄槍にしたい所だが、
値が張るしな、鉄は・・・。
槍の柄まで鉄となると、気が遠くなるな・・・
まぁ角材でいいけどさ。
ポーションサイズの空き瓶。
これも普通に安価で流通してるんだそうな。
教会が、聖水やポーションを作るのに必要だし、
ダンジョン近くでは有り余っているので、
南のゼンツからライツに向けて、
ガラス細工の原料として、大量に流通してるとの事。
我が集落も、今や教会みたいなもんだw
元々、首から提げてライトの魔石を入れるのに使っていたが、
我らの集落では、元々大した量は無かった。
これが、今や一本の余裕も無いw
俺達は、ダンジョンでポーションを、
まだ一本も使ってないんだから、空き瓶は増えない。
聖水をリリーが作り、
薬草と聖水でHPポーションを作って売るんだから。
ポーションサイズの瓶は減る一方だ。
空き瓶は、いくらあったって良い。
売り物のHPポーションだが、空き瓶が既に足りないw
粘液サイズの瓶は、たんまり手に入るので、
そっちに貯めている状態だ。
大瓶でもたぶん問題無く、
ハーネ商会なら買ってくれるだろうとの話。
ハーネさんシュンツ君が、
小瓶に小分けにする、手間賃は発生するだろうけど。
ダンジョン魔物産小瓶で、毎日15本ほど。
薬草聖水加工の集落産、小瓶5本分の大瓶で、
毎日5本位作ってるから。
一日計小瓶40本ほど、
ドラカン集落にHPポーションが溜まっていく。
この10日ほどで、小瓶400本ほどは溜まった。
ポーションの値は大銅貨3~4枚、
少なく見積もって3千円ほどか。
卸値は半値?1/3かも知れないがw
10本3万円、100本30万円、400本120万円!
6人で10日分とは言え、120万円!!
小銀貨1万円として、小金貨1枚と大銀貨2枚。
買えるだろう、鉄の防具が高いと言っても、
十分買えるはずだ。
魔狼2匹とオオカミ10匹を、
皮を剥がずに丸々荷車に満載し、
もう一つの荷車に、炭やら薪やら鹿皮やら、
何やら細々とした売り物を載せて、
ポーション以外の、売り荷のカモフラージュの算段も決まった。
まぁ、HPポーションやら魔石やら、
本当の売り荷も、荷車の売り荷も、
道中、俺がアイテム収納して運ぶんだけどねw
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
何もおこらなーいw
ごめんね。




