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第六十一話。僅かな傷と掬われる足元~ゲンコツダンジョン6階殲滅とダンジョン脱出

アルファ達は、6階階段前で食事を済まし、6階へと向かう。


防御壁に新たに設置した虫糸の網を試す為、

また、リリーのレベル上げの為に、

同レベルの魔物と戦う為である。


「魔力探知に感無し、階段20m以内に魔物居ないっす。

マメダ、どう?」


マメダが、答える。

「気配も無いわ」


「虫毒準備いいっすね?

リリーの魔力が残り少ないっす。

笠あと2回掛けたら、ダンジョンを出ましょう。

ダンザ、扉開けてくれ」


全員が、頷き、ダンザが階段の扉を押し開く。

アルファPTとオーラスは、明るく照らされた階段を下った。

6階の通路には、魔物の姿は無い。


俺は、指示を出す。

「先に進んで、一番近い脇道を潰して行こう」


ダンザは、ズンズンと奥に向かって進む。

中部屋に続く扉の前に到着した。


俺は、部屋の中を魔力探知し、報告する。

「左10mにGフロッグ1、

右15mGアント2、正面右20mコボルド2。

5匹は居ます、最大であと2匹居るかもっす。


マメダは、右のアリに射線あるかな・・・。

ハチムは、アリに、毒槍投げて見て?

黒曜石でも刺さるか試したいから。


奥に、イモムシが居るなら、

マメダ、オーラスさんはそっち優先で」


ハチムが、答える。

「普通の石槍でも、刺さりましたし、

刺せると思います」


マメダも、言う。

「右のアリは、撃てたら撃つけど、

まぁハチムに任せるつもりで行くわ」


オーラスさんが、

右手に持った投げ槍を軽く振りながら言う。

「神の使いがもたらした虫毒の効果、

見せて貰うとするよ」


ダンザが、呟く。

「左にカエル、右にアリ、正面コボルトだーな」


リリーが、続けた。

「探知外に、2匹居るかも・・・よ?」


俺は、最終確認をして、カウントをする。

「準備いいっすね?

出しますよ?

・・・2,1」


ゼロで、防御壁を扉の先、部屋の中に出す。


ズズ。


小さな地響きを合図に、

ダンザが扉を押し開き、光の差し込む部屋に飛び込む。

前衛も、後衛も、ダンザに続いて部屋に走りこんだ。


居た・・・魔力探知外の奥にイモムシ2だ。

俺が、防御壁の定位置に付くより早く、

奥のイモムシ右に、槍が突き立つ、オーラスさんだ。


一瞬遅れて、手前のアリにハチムの槍が刺さった。

視界のアリのステータスは、一匹毒状態だ。


防御壁に飛び乗り、槍を構えようとする時、

前方のイモムシ左に、マメダの矢が刺さる。


イモムシは、もう無視だ。


俺は、右のアリ、刺され!


右の後方のアリに向けて、俺の投げ槍が飛ぶ、

頭に当たったが、弾かれた。


左のカエルと正面のコボルト2匹は、

まだ動けないで居る。


リリーのライトが眩しいのだ。


ダンザは、コボルトに向かって、

石斧をブン投げていた。


外れだ。


視界にあるアリ2匹のステイタスが、毒状態。

俺の槍は刺さらずとも、傷は付けたか。


奥のイモムシは距離があって鑑定出来ないが、

明らかに毒状態。

2匹とも痙攣している。


「アリはいい、コボルトを手前から」


俺の指示より速く、

オーラスさんの投げ槍が、手前のコボルトの腹に刺さった。


次々に、矢と、ハチムの投げ槍、俺の投げ槍が当たり、

手前のコボルトのHPバーは0となった。


残ったコボルトに飛んだ、

ダンザの斧は当たらない。


コボルトが、目を庇い、

ダンザに向かって動き出す。


カエルは、頭をあちらに向けている。


虫共のHPが、急激に減っているのが、

視界のステイタスバーで見える。


カエルと虫4匹はいい、もうコボルト一匹だ。


投げ槍を肩に受け、よろめきながらも、

コボルトの突進は止まらない。


魔物・・・腹に槍が刺さろうと、

ひるまず人に襲い掛かる・・・狂気を感じる。


が、


「待った、見るっす」

俺の指示に、一瞬全員の動きが止まった。


コボルトは、肩に槍を受けながらも、

片手を上げ腕で目を庇い、ダンザに向かって来る。


ダンザは、左手の盾を前に出し、右手の手斧を後ろに回し、

左半身でコボルトを待ち構える。


防御壁に到達するか?


コボルトが、突如つんのめるように、前方に倒れ込む。


掛かった!


コボルトは、地面に倒れなかった。

網に倒れる体を受け止められたのだ。


網を張った棒が少ししなり、網がうねる。


コボルトは、手を付き立ち上がろうとするが、

地に付こうとするその手は、網に掛かり一瞬もたつく。


もたついた手は、

前方に伸ばされるも防御壁にギリギリ届かず、

もう一度方向を換え、地を付き立ち上がらんと下に向かう。


「攻撃を」


ゴズッ!


凄惨な音が部屋に響き渡った。


防御壁から身を乗り出した、

ダンザの右手に握られた手斧が、

網に捕らわれたコボルトの後頭部に、

無慈悲に振り落とされた音だった。


一撃でコボルトのHPバーはゼロ。


残ったカエルに投げ槍と矢が次々と飛ぶ。


視界のステイタスバーでは、

手前のアリのHPはゼロとなっている。


奥のイモムシ2匹は、もう動いて居ない。


・・・槍を弾いたアリは、まだ生きていた。


カエルは4発の攻撃を受けて、倒された。


「このまま様子みるっす」


10秒にも満たぬ静寂ののち、

俺が傷を付けただけの、

アリのHPも0となった。


俺は、指示を出す。

「リリー、扉閉めて」


リリーは、ライトの魔石を横に下ろし、

扉を閉める。


オーラスさんが、防御壁に寄りかかり、

俺に向かって言う。

「虫毒・・・聞きしに勝るとは、この事だな」


俺は、防御壁を降り、前方に歩きながら答えた。

「俺の槍、刺さらなかったけど、

ちょっとは傷付けてたっぽいっすね」


マメダも、声を上げる。

「あんな傷で毒がまわった?

・・・矢に塗る量でさえ、多かったのね?」


ハチムも言う。

「この間より効き目が上がってましたよね?」


リリーが、笑顔で答える。

「中級虫毒ですものね」


俺は、ダンザの横で答えた。

「虫毒は今まで通りの量使おう。

元々少量しか使ってないし、十分にあるし、

効きが悪かったらマズいから」


ダンザが、前方を向いたまま、少し呆然として言う。

「掛かっただな・・・」


俺は、ダンザの横をすり抜け、

防御壁を乗り越えて、

網を掛けた棒の上を歩きながら言う。

「うん・・・掛かったね」


ハチムが、嬉しそうに言う。

「これで防御壁の前には、コボルトも無力ですね」


マメダが、釘を刺す。

「まだ一匹だし、網がどれだけ持つのかも判らないわ。

ハチム、アンタは前衛なのよ?

防御壁をアテにしすぎてはダメよ?」


オーラスさんが、少し笑いながら言う。

「はは、マメダも一端の事言うじゃないか」


リリーが、嬉しそうに言う。

「でも、これでコボルトも、脅威じゃ無くなるなら・・・」


俺は、棒を渡り終え、

魔物のドロップや投げた武器を回収しながら言った。

「網をアテにせず、これからは普通に倒すっす。

防御壁に取り付く前に、網に掛かるかも?くらいの気持ちで居ないと。

掛からなかった時に、対処が遅れるかも知れないっすから」


ダンザが、答えた。

「おう、掛からんものと思ったほうがいいだーな」


オーラスさんも同意する。

「そうだな、掛かるのを待つのは愚策だ」


マメダが、ハチムに向かって言う。

「判った?」


ハチムは、左手の盾を軽く上げ、答えた。

「判ってますよ、僕だって前衛なんですから」


リリーが、呟いた。

「何匹も居たら、

先に網に掛かったのを見て、動きが変わる・・・かも?」


俺は、回収を終え、防御壁に向かって歩きながら言う。

「そうなるかも・・・っすね。

さ、時間が勿体無い。

今掛けてる傘が切れたら、戻るっすよ」


リリーが、不思議そうに問う。

「笠はMP6よ?後2回掛けれるわ?」


オーラスさんが、言う。

「帰りに一回、一回分は余裕を持ってかい?」


俺は、防御壁前の網を、しゃがんで見ながら言う。

「はい、

ギリギリまでやるのは、無用なリスクっす」


オーラスさんが、頷いて言う。

「お前さんは、冒険者のやりようが判ってるんだな。

百階を越えるダンジョンも経験済み・・・か」


「それはお遊び、空想の話っすよ。

実戦は2度目、駆け出しもいいとこっす。

・・・網に、異常は無いっぽいっすね。

防御壁、回収するっすよ?」


オーラスさんとハチムは、投げ槍を一本抜き取り、

マメダは防御壁から降りた。


アルファ達は、最後の笠が切れる寸前まで、6階での戦闘を続けた。


6部屋を巡り、4度の戦闘を無事に終えて、

岐路に付くのであった。


帰り道は、オーラスもハチムも覚えていた。


オーラスは、元からダンジョン低層の道を把握しているし、

ハチムは、オートマッピングのスキルを持ち、

今日一度だけで、前回は回らなかった2~5階層、

全ての構造を把握していたのである。


リリーのPT防御魔法である笠を掛けずに、

地上に向かうアルファ一行。


2階に到達すると、魔物が湧いていた。


ダンジョンが、魔物を生み出すのに、

十分な時間が経過していたのだ。


アルファは、リリーに笠を掛けるよう指示し、

避けられぬ戦闘を2戦こなし、

ダンジョンの外に出たのである。


6階から地上まで、

30分少々の時間しか、

掛からなかったのであった。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


リリーの魔力使いきっちゃったw

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