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第四十五話。殺意の石つぶて~ダンジョン6階のレクチャー

アルファ、ダンザ、リリー、ハチム、マメダの5人PTと、

PTに入って居ないドラカン。


6人は、ゲンコツダンジョンにて、

防御壁と聖女となったリリーの力を試すべく、

1階層殲滅を行っている。


21部屋を巡り、通路での遭遇戦も含め13回の戦闘をし、

36匹の魔物を倒している。


防御壁も、聖女のライトの魔石も、素晴らしい成果を出していた。

ここまで全員無傷なのである。


リリーが掲げる、太陽の如きライトの魔石によって、

ダンジョンの暗闇を払った上、Gラットへは、目潰し効果があった。


また、照明とアルファの魔力探知によって、

不意打ちを受けず、戦闘がほぼ先制攻撃となっている。


防御壁を設置し、

ほぼ無限供給される、

ジャベリンとトマホークによる中距離攻撃戦術は、

接近戦、乱戦を防ぎ、魔物に攻撃の機会を与えなかった。


6人は、最後の部屋の戦闘を終えた。

ダンジョン突入より、45分が経とうとして居た。


ドラカンさんが、のんびりと指示を出す。

「リリー、扉を閉めるだー。

殲滅したはずだが、念の為な」


リリーが頷き、扉を閉じる。


興奮気味のハチムが、

防御壁をポンポンと叩きながら声を上げる。

「ホントに凄いですよ。

無傷、いや、攻撃されてないですよね?」


マメダが、防御壁の上に乗ったまま答える。

「そうね、ダンザ兄ちゃん攻撃された?」


ダンザが振り向き、

防御壁に腰掛ける様に寄りかかって言った。

「・・・されてないだーな。

ナメクジもキノコのも、攻撃範囲に入って無いし・・・。

ネズミは、近づかれてさえないだな」


リリーが、嬉しさを隠さずに言う。

「凄いわ!アルファ!!

防御壁と魔力探知があれば、

危険を冒さずダンジョンに潜れるのね!」


ドラカンさんが、俺に向かって言う。

「アルファ、水出してくれるだな?」


俺は、扉からすぐに設置した防御壁を降り、

水入りの瓶を人数分出してから、

ドロップ品や投げられた武器を回収に、

部屋の中心に向かいながら言う。

「上手く行ってるっすね、

照明の効果も大きいと思うけど」


ドラカンさんが、一息付いて言う。

「まったく凄いだな。

アルファ、防御壁は凄いだーぞ?

その上、リリーは聖女だか?

ふぅ・・・頭が追い付かないだよ」


ダンザも、少し水を飲み、首を振りながら言った。

「頭が追い付かないだか・・・ホントだーな。

1階層殲滅で、無傷・・・。

ダンジョン内なのに、こんなに明るいし・・・、

薬草がHPポーションに出来る?

ホントに信じられないだーよ」


リリーが、にこやかに言う。

「シガラキ様の御加護。

アルファのお陰よ」


ハチムが、ドラカンさんに向かって言う。

「シガラキ様の件、戻って皆に伝えましょうよ」


ドラカンさんが、少し考えながら言った。

「いや、防御壁戦法が6階でも通用するか・・・。

6階で試したい事もある・・・だか」


マメダが、弓をいじりながら言う。

「6階・・・一度しか連れて行って貰ってないけど、

弓なら、防御壁で行くなら・・・行けるわね」


ダンザも言う。

「6階だか・・・防御壁で6階・・・。

うん、試すべきだーな」


ドロップの回収と、

防御壁への武器補給を終えた俺は、

ドラカンさんに問う。

「6階から魔物が変わるんでしたよね?

何が居るっすか?」


ドラカンさんが答える。

「キノコは、5階までと同じく出るだが、

カエルとアリとイモムシ、コボルトが出るだー」


マメダが続ける。

「カエルは、跳ねるナメクジよ。

アリは、堅いネズミね。

コボルトは、犬の顔した小鬼、

大きなネズミと言ったトコね。

イモムシなのよ・・・」


ハチムが、補足する。

「5階までの魔物も、

深くなるに従ってLVが上がるんですから、

舐めちゃダメですよ。

居る数も増えるハズですし」


俺は、部屋中央から防御壁に戻りながら聞く。

「群れの数が増えるのと、

倒すのに2~3発から4発必要になる感じっすか?

後は・・・イモムシはどうヤバいんすか?」


ダンザが、俺のほうを向いて答える。

「ああ、虫糸を吐くだな。

これがな・・・結構遠くから吐くだ、30mくらいか?

しかもな、糸を操るだーよ」


「操る?

石斧縛ってるその糸だよな?」


ドラカンさんが、補足する。

「ああ、その糸を口から吐き、宙を飛ばして操るだ。

切ればそこからは、操作されなくなるだが、結構厄介だー」


マメダも言う。

「毒とか刺さるとか撃たれるとかじゃないのよ。

絡むの、巻かれるのよ。

そうなると動きが阻害されて困るのよ・・・

刃物で切らないと・・・」


ドラカンさんが、補足する。

「イグニッションで、焼き切ってもいいだーが、

咄嗟には難しいだーな」


俺は、部屋中央から、

丸太がクロスしている『への字』の先頭に着き、

陣地の外側から、防御壁に手をついて言う。

「虫糸が飛ばされて来て、絡む・・・網じゃなく、

一本の糸のままなんすね?

攻撃と言うより、行動を妨害されるって事すか?」


ドラカンさんが、頷いて言う。

「そうだーな。

攻撃と言うより、妨害だか、上手い事言うだな」


行動妨害・・・ゲームで言うところの、

攻撃補助、状態異常?弱体化?そう言った感じか。


ダンザが、斧を縛る糸を弄りながら呟く。

「見えないだーよ、虫糸。

いや・・・照明で見えるだか?」


ドラカンさんも、石槍の虫糸を見ながら呟く。

「ああ、見え辛いのも厄介なところだーな。

どうだかな、見えるといいだが」


俺は、アイテム収納から虫糸を出し言った。

「試して見るっすか?

俺こっちから投げるっすよ?」


ダンザが、答える。

「うん、投げてみてくれるだな。

リリー、照明、戦闘時みたいに高くしてくれるだか?」


リリーは、定位置に付き、ライトの魔石を高く掲げる。


俺は、防御壁から15mほど離れ、

丸く巻かれている虫糸をすこしほどき、

ダンザに向かって投げようとした。


ダンザが、違う違うと言う、

ジェスチャーをしながら言う。

「糸球投げてもしょうがないだな、

糸の先になんか付けて、それ投げるだな」


そか、球投げても意味無いかw


俺は、石つぶて用に収納していた矢尻型の小石を出し、

糸に結びつけた。

「これ、石つぶてでいい?

当たると危ない?」


ダンザが、笑いながら言う。

「ノーコンだし、当たらんだーなw」

「ちっ、お前・・・魔法で石つぶて飛ばしたろーか?」


ドラカンさんが、少し笑いながら指示を出す。

「アルファ、糸球から足元に糸ほどいとくだーぞ。

魔法はヤメとくだー、魔力温存だー」


俺は頷き、虫糸から糸を引っ張り、

足元に8の字に広げ言った。

「ダンザ、投げるぞ?ちゃんと盾構えとけよ?」


ダンザが、盾を構え、軽くふざけながら答える。

「どこに来るか判らんだーな。

全員戦闘用意」


ドラカンさんも、ハチムも、小盾を構え、

リリーは、最後尾でダンザの影に隠れていた。


マメダは、防御壁の上で腰を落とし、

板壁に身を隠して、頭だけを上に出して言った。

「いいから、投げなさいよ」


俺は、リリーのライトに照らされて眩しく、

左手で目を庇いながら、

右手で、虫糸付きの小石を、

野球のキャッチボールの様に、ダンザに向けて投げた。


投げられた小石は、急速に失速し、

防御壁に届きさえしなかった。


ダンザが、笑いながら言う。

「はは、ホラ、ノーコンだーな」


っち、くそう・・・糸の重みと、

曳かれている糸が、空気抵抗を生む分、失速が激しい。


俺は、糸を手繰り、小石を手元に引き戻しながら言った。

「糸の分、計算に入れてなかったんだよ。

つーか、見えたのかよ?」


ダンザが、答える。

「見えてただーな。

頭の石はもちろん、曳かれてる糸も見えてただな」


ハチムも、頷いて言う。

「ええ、見えてましたよ」


ドラカンさんが、指示を出す。

「アルファ、もう一度だー」


ダンザが、ホレホレと言う感じで、

俺に投げて来いと言うゼスチャーをしている。


これが、前衛の挑発というヤツか?

えらいムカツクぜ・・・ダンザの野郎めw


俺は、小石を握り、糸の重さと空気抵抗を織り込んで、

ダンザの頭の上に向かって、

野球のピッチャーの様に思い切り投げ込む。

「うりゃ」


俺の殺意を込めた小石は、

糸のせいで急速に失速しながらも山なりに飛び、

ダンザの盾に当たった。


マメダが、声を上がる。

「うーん、イモムシとは違うけど、まぁ見える。

照明のお陰で見えやすいって感じね?」


ドラカンさんが、答える。

「うむ、魔物のは、もっと直線で速いだが・・・、

まぁ、糸は見えやすくなってるだー」


ダンザが、それを受けて言う。

「まぁ、試すしかないだーな」


ハチムが、呟く。

「僕は、6階行った事無いんですよ・・・。

魔物の糸・・・見えるかなぁ。

っていうか、レベル高くなってるし、

魔物の数増えてるんですよ?

僕達で6階、大丈夫かなぁ?」


マメダが、防御壁を降り、

水を飲みながらハチムに向かって言う。

「平気よ。

こっちには、防御壁と照明と笠、

父さんが居るし、アタシの弓もあるのよ?」


ドラカンさんが、〆る。

「ハチムとアルファは初めてだーな。

気を抜かずに行くだぞ。


6階まで出来るだけ戦闘を避けて行くだー。

魔物のLVで、HP、防御力も上がるだが、

まぁ、出るのはネズミとナメクジとキノコ、

1階も5階も同じだーな」


リリーが、ハチムに微笑んで言う。

「大丈夫よ、6階を見るだけなら、

私だって行ってるんだから」


ダンザも、ハチムを促す。

「1階も5階も同じだーな。

すり抜けるだけだし、1階層殲滅より時間掛からんだー」


ハチムが、観念したように言う。

「防御壁も照明も凄いし・・・6階か・・・行きますか?」


俺は、防御壁に投げ武器と矢を収納し、

虫糸付きの石つぶてと防御壁を収納して言った。

「ここまで、魔石36、薬草9、

毒消し草5、ラットの歯4、粘液5っす。


笠、2回目もうすぐ切れます、魔力探知は後10分弱。

残りMP、リリー38、俺43。

・・・ライトの魔石はいつ切れるんすかねぇ」


リリーが、首を傾げ言う。

「ライトの魔石、魔力がいつ切れるかは判らないわ。

でも、切れる前に暗くなると思うの」


ハチムが、補足する。

「集落で使ってるライトの魔石も、

魔力が切れる時、数秒?10数秒?かけて、

大体、段々暗くなるんですよ」


ドラカンさんが、リリーに魔石入りの瓶を渡しながら言う。

「予備を持って置いて、切れそうなら使えばいいだー。

低レベルの魔石でも、普通のライトなら、

数ヶ月は点けっぱなしだーが、

聖女様のライトとなれば、

数時間?で魔力が切れるかも知れないだーな」


リリーは、少し笑いながら、

魔石入りの瓶を受け取り、首から提げた。

「これで、すぐ換えられるわ。

笠はどうしましょう?

さっきみたいに、今重ね掛けしましょうか?」


ダンザが、ドラカンさんに向かって言う。

「階段までいいだーな?

殲滅終わってるだし、聖女様は魔力温存だーな」


ドラカンさんは、頷いた。


マメダが、言う。

「ところでアンタ、

いつまで戦利品に粘液数えてんのよ?」


俺は、水入りの瓶を持ち、マメダに向かって言った。

「この水筒、元々粘液入りの瓶だろ?

いいじゃないか、瓶も戦利品で」


ドラカンさんが、笑いながら全員を促す。

「瓶も戦利品だー、値は付かないだがw

さて、先ずは階段まで行くだー」


俺達は、1階層最後の部屋の扉の前に整列し、

6階層を目指して扉を開いた。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


攻略開始ですなぁw


序盤のかったるさを乗り越えて、

ここまで読んでくださった方には、

感謝しかありませんです。


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