第四十四話。軌道~遭遇戦と一方的攻撃
一戦目で魔物を4匹倒した俺達は、
ダンザを先頭に広間に戻り、1階層殲滅を目指す。
一戦している間に、
広間に徘徊する魔物が来ている可能性はあったが、
広間に魔物は居なかった。
2本目の脇道に進み、
小部屋の前の扉から魔力探知して見たが、
部屋の中に魔物の反応は無かった。
俺達は防御壁を中に出さず扉を開き、
リリーの照明で、部屋の中に魔物が居ない事を、
さっと確認し広間に戻った。
徘徊しているであろう魔物は、まだ広間に居ない。
3本目の脇道に、ダンザを先頭に俺達は続く。
3本目の脇道の先には、
小部屋があるが扉は無いそうだ。
そうだったな、昨日聞いた感じでは、
1階層20部屋程度の内、
扉付きの部屋は半分くらいだって話だった。
魔物が生み出されるのも半々・・・。
1階層では、約10部屋に、
1部屋3~5匹の魔物が生み出されている。
30~50匹程度の魔物が居る計算だ。
この先の部屋に、魔物が生み出されて居るなら、
どこか他所を徘徊してここには居ないか、
居れば突っ込んで来るはずだ。
マメダが、声を上げる。
「この先に居るわ、ネズミよ」
俺の魔力探知範囲外だ。
ドラカンさんが、指示を出す。
「こっちに突っ込んで来るかも知れないだー。
ダンザは、迎え撃つで無いだーぞ?
魔物が見えたら止まって挑発と防御だー。
アルファは、ダンザの前に防御壁を出すだぞ?
それでさっきと同じ事だーな。
ダンザ、ネズミが突っ込んで来るまでは、
近くにナメクジとキノコが居るかも知れないと思って進むだー」
ダンザは、頷き、進みながら言った。
「曲がり角までまずは行くだな、
あの角からは、部屋まで真っ直ぐだから、
あそこからは部屋まで見通せるだーな」
俺が続ける。
「曲がり角に、ナメクジとキノコが居るかどうかは、
魔力探知で判るっす」
ハチムが言う。
「マッシュとスラッグは気配が掴み辛いから、
魔物の攻撃範囲外からの探知は助かります」
マメダも、同意する。
「遠くから先に判ってれば何でもないものね、
不意打ちがイヤなのよナメクジとキノコ」
ダンザが角近くまで進み、俺を手招きで呼ぶ。
ダンザの後ろまで俺は進み、
通路の曲がり角の近く20m以内に、
魔物の反応は無い事を報告した。
ダンザが、指示を出す。
「俺が先に何歩か突っ込むだで、
リリー、直ぐに照明で奥まで照らしてくれるだか?」
リリーが、俺の後ろから前に行こうとするのを、
ドラカンさんが止めた。
「リリー、前に出てはいかんだー。
杖を倒して魔石だけ出せばいいだーよ」
リリーは、俺の後ろで止まり、杖を少し振りながら言った。
「はい。
魔石の高さが低くなるから、
みんな光に眩まない様に気を付けてね」
一同頷く。
ダンザが、俺のほうを向いて言った。
「防御壁の準備も頼むだーぞ?」
「ああ、角曲がってちょっと入ったら、止まってくれよ?」
「ん、では、行くだーな」
ダンザは、曲がり角に数歩入り、
奥の部屋に居るであろう魔物に姿を晒した。
俺達も、一瞬遅れて曲がり角を曲がる。
のと同時に、リリーも杖を前方に傾け、
30mほど先の魔物の居るであろう部屋を照らした。
通路の先30mほどの、
扉の無い部屋の中にネズミが見える。
突っ込んで来るかと思ったが、来ない。
ネズミの動きがおかしいのは、
防御壁では無く、リリーの明かりのせいだ。
ダンザが、ドラカンさんに指示を仰ぐ。
「どうする?」
ドラカンさんが、即座に答える。
「距離を詰めるだ、急げ!
ネズミの目が慣れる前に」
ダンザは、言い終わる前に、
部屋に向かって走り出していた。
俺達は、ダンザの後を追う。
ドラカンさんが、走りながら指示を出す。
「ネズミが来る様なら、ダンザは止まるだぞ?
アルファ、
いつでもダンザの前に防御壁を出せるようにしておくだ」
俺とダンザは頷いた。
「おう」「了解っす」
ネズミは、暫く止まっていたが、
眩しそうにしながらも、ダンザに向かって動き出す。
ダンザが、声を上げ止まった。
「来る!」
俺達は、部屋には到達していなかった。
まだ通路上だ。
俺は、ダンザの声を合図に、
ダンザの前1m程に防御壁を出した。
ズン。
防御壁が、通路に軽い地響きを立てる。
防御壁の定位置に付いたダンザが、
盾を構え声を上げる。
「来い!!」
ネズミは動き出して居たが、
まだまだ眩しがっている様子だった。
魔力探知内にネズミを捕らえた俺は、
即座に鑑定をしながら、防御壁に乗ろうとしていた。
ドラカンさんは、防御壁の定位置に着く前に、石槍を投じた。
まだ部屋の中、20m弱先に居るネズミに、投槍が刺さる。
定位置に着いた、ハチムとマメダの追撃が放たれた。
よろめきながらも、ダンザに向かって来るネズミに、
ほぼ同時に矢と投槍が突き刺さった。
ネズミのHPが、
0となっているのが視界の棒グラフで確認出来る。
が、まだだ・・・
照らされた部屋の奥に、ナメクジとキノコが見えた。
鑑定は出来ない・・・距離が遠いのだ。
魔物まで距離は4~50mある様に感じる。
ダンザが、問う。
「待つか、詰めるか?」
ドラカンさんが答える。
「このまま、撃て。
マメダ、後ろの音に気を配るだ」
そこからは、一方的な攻撃だった。
俺は、防御壁の収納に、
石槍と石斧をアイテム収納から補給しながら、
石槍を投げる。
50mもあろうかと言う距離の魔物に、
マメダの矢は全て命中した。
ハチムは、8割。
ドラカンさん、6割。
俺、4割。
ダンザ、2割といった程度の命中率だったが、快勝だった。
もう戦闘と言え無いかも知れない、的当てだ。
それほどの一方的な攻撃であった。
矢と投げ槍と、
たった一発の投げ斧を受けた、ナメクジとキノコが動かなくなり、
気が抜けたように少し萎んだ様に見える。
倒したな・・・邪気が抜けたか?
ダンジョンに邪気が回収されたのか?
攻撃をする皆の手が止まる。
魔物の死骸が、ふっと消えた。
ダンジョンに、死骸が回収されたのだ。
魔石と、ドロップがあれば、
ドロップ品が、死骸のあった所に落ちているだろう。
ドラカンさんの、指示が飛ぶ。
「まだだー。
アルファ、防御壁を回収するだー。
ダンザ、奥にまだ居るかも知れないだーぞ?
慎重に進むだ」
俺達は、ダンザを先頭に、明るく照らされた部屋に進み、
もう魔物が中に居ない事を確認した。
ドラカンさんが、のんびりと指示を出す。
「シガラキ様の使いアルファ様よ。
通路を塞ぐように、防御壁を出してくれるだか?」
俺は、いじられて、少し笑いながらも指示に従い、
防御壁で部屋の入り口を塞いだ。
マメダが、口を開く。
「照明凄く良いわね、遠くの魔物も丸見えよ」
ダンザも、続けて言う。
「ああ、それにネズミの動きが鈍いのも、
リリーの魔石のお陰だっただな」
ハチムも、続ける。
「防御壁と言うか、投槍が手元に沢山あるのも良いですよ。
当たろうが外れようが、
遠くから投げちゃえば、こっちは安全なんですから」
ドラカンさんが、同意する。
「ははは、シガラキ様の加護を受けた聖女と、
シガラキ様の使いのお陰だーな」
リリーが、微笑みながら言った。
「やーねぇ、叔父さんったらw」
俺は、戦利品や、部屋の中に散らばった、
投げ武器を回収しながら言う。
「リリーのライトも、防御壁もいい感じっすね?」
ドラカンさんが、答える。
「うむ、今のところ一方的だーな。
まぁ、1階層を殲滅してみて、色々試すと言うだか、
経験して様子を見てみるだーな」
俺は、続けて言った。
「キノコとナメクジの動きはどうなんすか?
リリーのライトを、苦にしてる様には見えなかったっすけど」
ダンザが、答える。
「キノコに目があるかどうかは判らんだが、
ナメクジも大して眩しがって無いかもだーな」
マメダが、続ける。
「キノコには、目潰しの効果無いんじゃないかしら?
ナメクジこそ判らないわ、眩しく無いのかしら?」
ドラカンさんが、ハゲ頭を撫でながら言う。
「ナメクジは、眩しがって無いのかも知れんだな・・・。
まぁそこらも含めて、試して見るだーよ」
ハチムが、明るく弾んだ声で言った。
「こっちはまだ一回も攻撃されて無いですよ。
防御壁も照明も、凄いです。
これなら、これなら僕でも、
ダンジョンで活躍出来るかも知れないですよ」
戦利品と投げ武器を回収し終わった俺は言った。
「回収と補給終わったっす、先に進みますか?」
ドラカンさんが、指示を出す。
「行くだーな、ダンザ」
ダンザが頷き、
防御壁で遮られた通路に向かって歩き出す。
俺は、防御壁をアイテム回収し言う。
「笠、残り時間11分、探知15分、
ライトの魔石は判らんっす」
気弱イケメンめ、槍の才持ちめ、やる気が出て来たか?
集落で家事じゃ、食って行けないぜ。
ハチム君よぅ、ダンジョンで一旗上げようじゃない。
お前さん、飲食店を持てるかもだぜ?
ダンジョンで一儲け・・・軌道に乗ったかも知れないな。
リリーは、元々ダンジョンに積極参加みたいだし。
魔力を使った聖水製造で、薬草をポーションに格上げ出来る。
聖女様となってレベル上げ、MAXMP上げが目標だ。
一緒にやってくれるよな?
マメダは、双剣使いの冒険者だった母に憧れ、か?
弓の才素晴らしいしな、
ダンジョン攻略、付き合ってくれるだろう。
ダンザも、タヌキ族では前衛として不安・・・、
防御力の持つ所まではって言ってたが、
防御壁と笠があれば、付いて来てくれるよな?
俺達を引っ張ってくれるよな?
今のところ完勝だ。
ダンジョン深く、先の事は判らないが・・・。
タヌキ族、ドラカン集落、
俺たちに他に道は見当たらないんだ。
ダンジョンで一儲け、死んだら終り、復活は無い・・・。
それでもやろうぜ?
気は抜かない。
やろうぜ、俺達で一旗上げようぜ?
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
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星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
行こうぜ




