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第四十話。ワレポン

防御壁を試すべく、ゲンコツダンジョンに向かった、

アルファ達ドラカン集落の一行。


リリーの唱えたライトにより、

恐ろしい程の光を発した魔石。


アルファがリリーの手より叩き落とし、

魔石入りの薬瓶が転がった先の洞窟から、

広場に閃光と大音響が響き渡った。


リリーは気を失い倒れかけ、

リリーを庇ったアルファは、

倒れるリリーを左手で抱き止めた。


その刹那、

アルファの左手に、冷たく鋭い何かが当たった。


ドラカンの投げたポーションであった。


アルファとリリーに駆け寄るドラカンは、

アイテム収納から出したポーションの蓋を素早く開け、

薬瓶ごとリリーの背中に投げたのであった。


元冒険者、訓練したアイテム師の早業、咄嗟の行動である。


リリーの背に、ポーションがかかったのを視認したドラカンは、

そのまま進み、鑑定範囲内に入るとリリーの鑑定を行った。


リリーはPTに入っていない、

ステータス確認が出来ていない状態だったのである。

・・・HPMAX、MPは1減っていた・・・状態異常、気絶。


リリーの安全を確認したドラカンは、その刹那怒鳴った。

「マメダ!アルファ!敵の気配はあるか?!」


リリーを抱きかかえたアルファが答える。

「な、無いっす!魔力感知には何も!!」


リリーに駆け寄りながら、マメダも答える。

「居ないハズ!爆発の後は判らないわ」


立ち止まったドラカンを追い越し、

マメダはリリーを後ろから支える。


ダンザとハチムが、

リリーとアルファの横をすり抜け、洞窟に向かって盾と槍を構えた。


アルファとリリーを洞窟側から守ったのである。


ドラカンの指示が飛ぶ。

「ダンザ、そこでいい!奥に行くな!!」


ダンザの位置を魔力感知で正確に背に感じたアルファは、

洞窟とダンザの間に防御壁を出した。


それを見たドラカンは、広場のほうに振り返った。


腰を落とし小盾と小剣を構え、

しばらく広場の方角を警戒すると、

太い息を吐きながらワザとのんびりと言った。

「ふぅぅ・・・敵影は無いだー」


ハチムが、洞窟の方を警戒したまま興奮して言った。

「何が起こったんですか!?」


ドラカンがまたものんびりと答える。

「魔石の暴発だーな」


俺はリリーを抱きかかえたまま問う。

「暴発?」


ドラカンさんが、構えを解きながら答える。

「極々たまーに起こるだー。

魔石に負荷が掛かり過ぎたり、魔石が割れたりするとなるだーな」


ダンザも構えを解き、振り返りながら焦って言う。

「リリーは、気絶しただけだーな?」


ドラカンさんが言う

「ああ、気絶しただけだー、光や音にビックリしただーな」


リリーを後ろから支えているマメダが、それでも心配そうに言う。

「ホントに?ホントに何でもないのね?

ホラ、アンタ、鑑定して見せてよ」


俺はマメダにせっつかれて、

気を失ったリリーを下に横たえながら、

鑑定ウインドウを開いた。


でかく、細かい事まで、

ごちゃごちゃと出る鑑定ウインドウだな。


肝心なところに目を通す。

HP45MAX、MP54、気絶状態・・・。

問題無い・・・無いが・・・。


何だコレ?・・・シガラキ教徒?・・・聖女?・・・。


俺の鑑定ウインドウを覗きこんだマメダが、

安心したような不審がるような声を上げた。

「気絶・・・大丈夫だけど・・・何よ?聖女って」


後ろからダンザとハチムも、

俺の鑑定ウインドウを覗きこみ言った。

「なんだーな?」「シガラキ教徒?」


こちらに歩いて来て、

リリーを鑑定し直しているドラカンさんも言った。

「なんだーな?聖女?」


マメダが俺を睨み言い放った。

「チョット、アンタ!どうなってるのよ!!

魔石は暴発するわ、シガラキ教徒、聖女って何よ?!」


いや、俺に聞かれても。

なんすかね・・・シガラキ教徒、シガラキ様?!


ドラカンさんが、自分の鑑定ウインドウを見ながら言った。

「聖女・・・シガラキ教徒と、こっちでもなってるだー・・・」


そっちでもなってる?

シガラキ様?

山神様は、もうシガラキ様になってるって事すか?


あれ?

まだ像、出来てないっすよね?


姿と名前と信仰が揃って、山神様が宜しければ、

タヌキ族を守護する神となってくれるんすよね?


あれ?鑑定を読むに、シガラキ様?シガラキ教?

へ?リリーが聖女?どうなってるすか?

シガラキ様が、リリーを聖女にしたって事っすか?


頭の中に、子供とも女性ともつかぬ声が響く。

「我が聖女にしたポン」


我?・・・ポン?

この声は・・・もしかしてシガラキ様っすか?


「そうだポン。

お前が、我の名を呼び、祈らぬから連絡が取れぬで・・・、

いつかいつかと待っておったポン」


うぉ?お待ちでしたか?

つーか、いつから山神様は、シガラキ様になったっすか?


「昨日の晩だポン」


昨日の晩?


「リリーが我の名を呼び、我の姿に信徒と共に祈ったポン」


えー・・・と、晩飯前に、

壁の絵に向かっておチビ達と祈ったあれで?


「我はそれを受け入れ、シガラキの名と姿を得たポン」


像じゃなくて、絵でも良かったんすか・・・、

誰も像とは言って無い・・・か・・・?


「姿が確定すればそれで良いポン」


そうでしたか・・・えーとシガラキ様・・・、

えーあの・・・

何から聞けばいいか・・・聖女って何すか?


「我の使いアルファよ、お前は馬鹿ポン?

鑑定を読めば判るポン」


そ、そうっすか、えーと・・・。

ヒールMP3、キュアMP2、

聖女ボーナスシガラキの笠MP6、

・・・タヌ族ボーナス・・・。


色々と訳は判らないっすけど、

リリーはシガラキ教の僧となったって事すか?


「並みの聖職では無いポン。

聖女だポン」


並の僧じゃないんすね・・・で、『聖女』とは?


「聖女は聖女だポン。

我に許された範囲で、出来る限りの力をリリーに注いだポン」


許された範囲?どういう事っすか?


「我は、土地神として力を持っているが、

人に干渉する事、力を使う事は許されて居なかったポン」


名と姿を受け入れ、タヌ族守護神となったので、

許可範囲内で力を使えるようになったって事すか?


「少し違うが、そう思っていいポン。

お前は我を弱い下級神と思っておるポン、

しかし、我を弱い神と思うでないポン。

権限を無視すれば、力は持っているポン。

実際、我は、管理神と共に、お前を作ってやったポン?」


俺の体やチートの事っすね?

つーか、別に舐めて無いっすよ、

下級神、土地神様と聞いてはいましたが。


で、リリーは?リリーには何をしたんすか?


「リリーは、我が、我を崇めるのを受け入れる初の存在だポン。

それに、こっちの都合もあったポン。

それで出来る限りの力を注ぎ込んだポン」


こっちの都合?・・・とにかく、それで、魔石の暴発っすか?


「た、多分そうだポン」


多分って、大丈夫なんでしょうね?

リリーは、無事なんでしょうね?


「だ、大丈夫だポン。

お、お前と話すのに、大した力は使わないポンが、

我は、疲れているポン」


こっちの都合ってなんすか?


「リリーに力を注ぎ、今は使える力に限りがあるポン。

また後で祈るがいいポン、我が使いよ」


あ、ちょっと、待って、シガラキ様?!

シガラキ様?・・・早口でゴニョゴニョ言って・・・、

逃げたな?


マジか?聖女が何か判らんが、

とにかくリリーは山神様、シガラキ様に認められた。

そして、力を注ぎ込まれ?加護を受け?聖職に就いたって事か。


ダンザの声が聞こえる。

「アルファ、アルファ!!」


俺は我に返った。

「お、おおぉ、ダンザ・・・」


ダンザは、俺を後ろから揺さぶって居た。

「気が付いただーか、アルファ。

お前まで気絶でもしちまったかと思っただーな」


俺は、まだぼんやりしていた。


目の前に横たわるリリーを見つめ、

目を強く瞑り、頭を振って言った。

「シガラキ様と話してたんだ」


リリーの前にしゃがんでいるマメダが、

俺を睨みながら言う。

「何なのよ?シガラキ様?聖女?

リリーねぇちゃんは大丈夫なの?

魔石があんな暴発の仕方見たの初めてよ!?

一体何なのよ?!」


ドラカンさんが、興奮するマメダの肩に手を掛けゆっくりと言う。

「待てマメダ」


ドラカンさんは、俺に向き直り殊更にゆっくりと言った。

「アルファ、何があっただー?

説明はできるだーか?」


俺は、ドラカンさんの目を見てはっきりと言った。

「はい」


俺は、今起きた事を説明した。


シガラキ様の名を呼び問い掛けた事で、シガラキ様と交信した事。


昨日の夜から、山神様はシガラキ様に、リリーは聖女となっている事。


聖女は、シガラキ様が許された力の限りをリリーに注いだ結果の、

特殊か上位の聖職であろう事。


魔石の暴発についてシガラキ様に聞いて居たら、

力を注いだので疲れていると言って、俺のと交信を切った事・・・。


ドラカンさんは、俺の説明を聞きながら、

リリーを見つめ黙っていた。

ダンザもマメダもハチムも、黙っていた。


俺は、言った。

「説明出来るのはこれだけっす」


ドラカンさんが、ゆっくりと俺に確認する。

「山神様は、シガラキ様となった。

リリーは、聖女として貰った。

リリーは、ただの気絶、心配は無い。

魔石暴発については、判らない・・・保留だーな?」


俺は、ドラカンさんの目を見て答える。

「はい」


ドラカンさんは、俺の後ろに居るダンザとハチムに手招きし、

マメダにも、ドラカンさんの出している鑑定ウインドウを、

見ろと言う目配せをした。


俺とリリーを残し、

ドラカンさんの鑑定ウインドウを、

ダンザ、ハチム、マメダは見入って居る。


ドラカンさんは、震えを抑えるように低い小さな声で言った。

「シガラキ様・・・」


ダンザも震えた声で言う。

「シガラキ様・・・」


ハチムとマメダが、嬉しそうに言う。

「聖女・・・」「リリーねぇちゃんが聖女・・・」


四人は、目を合わせてから、

俺と寝そべるリリーの方を向いて口々に言う。


「アルファ」「お前」「アルファさん」「アンタ」

「ありがとうだー」「お前、ホントだっただーな」

「ありがとう」「アンタ・・・」



4人の目は、潤んで居た。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。

いいねやら、感想やら、ブックマークやら、

星5やらw頂きたいっす。

反応無いと、便所の落書きだものねw



割れ目でポンw

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