第三十四話。アスレチック~防御壁と遊具製作
防御壁を作ったアルファ達は、性能を試すべく、
ドラカン集落2階、未使用の階層へと向かった。
俺達は、2階に続く階段の前にある扉に到達した。
俺は扉を見て、実験を思いついた。
「ちょっと、いいすか?」
後ろのドラカンさんが答える。
「なんだー?」
「ここで、魔力探知使って、
扉の先、下の階に出せるか試したいっす」
マメダが、さっさとやれと言う感じで言う。
「どうぞ」
俺は扉の前に立ち、魔力探知を使って周囲の魔力を掴む。
地面から感じる魔力は小さいが、ゼロではない。
地面、扉、壁、天井、階段・・・肌感覚か・・・判るぞ。
探知範囲は20mちょい、下り階段の先、2階の床に・・・いける。
探知範囲の一番先に、アイテム収納から防御壁を出した。
ズズ。
閉じられた扉の先から、小さな地響きが聞こえた。
成功だ。
階段の先、2階の床に防御壁があるのを感じる。
「できたっぽいっす」
ダンザが扉を開け、
ライトの掛かった魔石入りの瓶を階段にかざし先を覗き込む。
「出でるだな。
アルファ、見ずとも出来るだな」
「うん、段差があっても、扉の先でも、
魔力探知範囲内ならいけると思う」
俺達を追い越したマメダが、階段を下りながら言う。
「大きさは良い見たいね。左右に20cmくらい隙間があるけど」
ドラカンさんが後ろから答える。
「もう少しくらい大きくても良かっただか?
大きい分には、斜めにすれば出せるはずだー」
への字を7の字に、片面を正面にする感じか・・・
まぁそうすれば細い所でも出せるな。
こっちも、ゲンコツダンジョンも、
通路は幅高さとも5m弱だったな。
マメダ、ダンザに続き、俺も階段を下りながら言う。
「ダンジョンに、ここより細い通路あるっすか?」
ドラカンさんが答える。
「たぶん、無いだな」
「ここや、ゲンコツ以外のダンジョンにも無いっすか?」
「ダンジョンで生み出される大型の魔物、
それ以下の通路をダンジョンが作る訳無いだー」
「なるほど・・・逆に言えば、
通路よりでかい魔物は生み出され無いっすか」
「そうでも無いだー。
階層を隔てるボスは、通路を通る事は無いだで」
「ふむふむ、ボスは除くっすね」
2階に着き、通路を塞ぐ防御壁をアイテム収納した。
ドラカンさんが先を促す。
「小部屋、中部屋、大部屋。
通路の先、十字路、T字路、角。
好きなだけ出し入れをすればいいだー」
「了解っす」
ダンザが先導する。
「アルファ、こっちだ。
適当に好きな時に、壁出していいだな」
俺は、ダンザに続き、
魔力探知で床や壁を感じながら、
色々思い付く限り、防御壁を出し収納した。
その間、ドラカンさん、ダンザ、マメダに、
防御壁を出す位置を修正された。
特に、扉の閉まった部屋、
扉のすぐ近くに出す場合だった。
部屋の扉は内開き、両開きの木の扉だ。
扉一枚の大きさは横2mほど。
扉を部屋の内に開き切るのではなく、
90度の角度で止めたいとの事だった。
なるほど、扉自体を防御壁にしちゃうって事か、横壁ね。
イメージとしては『介』って感じ、
下部分の扉の横壁は、前方の『へ』より広いけど。
そんなこんなで、防御壁のポジショニングを良いだけ試して、
そろそろ戻ろうかと言う段で、マメダが全員に言った。
「防御壁ここに置いてって、
アタシ、扉外して後ろの壁として付けちゃうから」
ドラカンさんが、続けて言う。
「そうだか・・・
じゃ、ここで木のスパイクも付けちまうだー。
扉大きすぎるだで、小さく切るだーな?マメダ」
マメダが答える。
「そうね、扉一枚丸々は大きすぎるわ。
扉の廃材でスパイク作っちゃえば良いわね」
ダンジョン跡の扉を板として使う訳ね・・・。
お利巧と言うか、楽しようとしてからに。
「じゃ、ここでみんなでやっちゃうっすか?
扉外して外に運んでもいいっすけど?」
ニヤリとしてマメダが言う。
「いいわよ、ここは2人で。
アンタとダンザ兄ちゃんは、
外にやり残した仕事があるでしょ?」
「へ?やり残し?」
ドラカンさんが、笑いながら言う。
「おう、そうだっただー。
木こりのダンザと、神の使いアルファは、
子供達に遊具を作るんだっただな」
ダンザが、不平を訴える。
「なんで俺とアルファ2人でやるだな?
後で一緒にやればいいだーな」
ドラカンさんが、笑いながらあっちへ行けと言う手振りで、
俺とダンザに言った。
「あっちは力仕事だー。
ここは、マメダと俺に任せて、
お前ら若い男は力仕事に精を出すだー」
ドラカンさんめ・・・楽しようとしてやがるなw
「扉の加工だって力仕事じゃないっすか」
マメダは、扉の加工に取り掛かり、こっちも見ずに言う。
「こっちはいいのよ。
板だし乾燥してるし、大して重くないわ。
ホラ、子供達が待ってるわよ?」
ドラカンさんは、もう終わった話だと言う空気を出しながら、
マメダと相談に入る。
「マメダ、扉の板材から、棒も作れるだな?
スパイクついでに、投げやりの棒も調達してしまうだ」
「そうね。扉の板材は、堅いし長いし真っ直ぐだし、
投げやりの柄に丁度いいかもね」
ダンザが、尚も食い下がる。
「ホントに2人でやれって?」
「スパイクは危ないだで、
子供達の居るところでは作業出来ないだーな。
グズグズ言って無いで、行ってくるだー。
昼飯になったら、アルファが呼びに来てくれればいいだーな。
それまでに、防御壁は仕上げておくだー。」
マメダとドラカンさんに追いやられ、
俺とダンザは渋々、遊具作りに広場に向かった。
途中、若い男という事で、
キッチンに居たハチムを、力仕事に拉致してやったw
広場に出ると、さっきの遊具を作れとおチビ達が騒がしいw
リリーもおチビ達も楽しそうだ。
判った判った、作ってやるからまっとれ、
力仕事なんだぞ・・・ダンザはw
おチビ達を広場に残し、
広場の左、少し下った森の中に丸太の調達に向かう。
遊具分の丸太は、防御壁より少なくていいだろうという事で、
切るのは一本でいいかと思ったが、
ついでだからとダンザが言い、2t分丸太を調達する事となった。
まぁ、切るのはお前だから・・・いいけどさ。
切り倒すのが大変だから、防御壁より細めの木でいいし、
いくらか曲がっててもいいやと、近場の木を選んだ。
相変わらず、ダンザの手並みは見事だった。
5分足らずで、木を切り倒してしまう。
しかし、丸太にするため、枝や先を落としたり、
組む為に削ったりするのには手間取った。
俺とハチムじゃ作業が捗る訳が無い。
大半はダンザがやってしまった。
スマン、ダンザ・・・。
俺が、運ぶから・・・運ぶから許してくれ。
出来上がった木材をアイテム収納し、俺達は広場に戻る。
組み立てるのは、もう慣れた物だ。
一旦出した木材を、ダンザに言われるがまま、
アイテム収納し、組むように出す。
防御壁は丸太4段だったが、
あんまり高いのも危ないだろうと言う事で、
広場に置く遊具は丸太3段にした。
作業を見守るおチビ達から、
もっと高くと文句が出る。
高いのは危ないから・・・。
リリーが、残っている丸太で遊具を長くしたらどうかと、
おチビ達を説得する。
両脇に2段の丸太を増設し、M字にする事でご納得頂いた。
聖女リリー様のお陰で、おチビ達の人気を失わずに済んだかw
さっきのより、長いんだからいいだろう?
まったく・・・結局、2tの丸太を使い切ってしまったな。
まぁいいがな、丸太なんかいくらでも使って、
なんせ、俺には丸太運びが力仕事じゃないからな。
ダンザには、力仕事だがw
いいぞ、登れ登れ。
怪我せん程度に遊んでおれ。
おチビ達はリリーに任せた。
兄ちゃん達は、休憩だw
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
のんびりしてんだか、忙しいんだか。




