表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

27/186

第二十六話。石器加工と電車でゴー

アルファ達は、ゲンコツダンジョン一階層殲滅を終え、集落に戻った。

時刻は夕方前。


リリーとニックが、集落入り口前の広場で、子供達と犬を遊ばせている。


マメダを先頭に、俺たちは広場に入った。

「ただいまー」「ただいまっす」


子供達と犬が、俺たちに駆け寄り口々に言う。

「おかえりー」「狩りどうだったー?」「何か居たー?」「お土産はー?」


マメダが、集落入り口に向かい歩きながら答える。

「狩りはダメだったのよ。

何も居なかったわ。

お土産は・・・石ねw」


子供達が、不思議そうに言う。

「石?」「石なーに?」「石なんかいらなーい」


マメダめ・・・、

おチビ達のおもちゃに持って帰って来た訳じゃないのに。


集落入り口前の椅子に、

赤ん坊を抱いて座っているニックさんが言う。

「皆おかえり。

土産に石?」


「俺のアイテム収納に、

川原の石と砂利を、入れれるだけ入れて来たっす」


オーラスさんが、ニックさんの横の椅子に座りながら答える。

「ああ、なんか武器にでも使えればって事だ」


リリーが、不思議そうに言う。

「おかえりなさい・・・石を武器に?」


ドラカンさんも、座りながら言う。

「なんでも、石の加工が出来そうらしいだー」


ダンザは、立ったまま、おチビを抱っこしながら言う。

「土魔法ってヤツだーな?」


俺は、矢尻型に削った親指の先大の小石5つを、

アイテム収納から手の平に出し、

長椅子に座るドラカンさん達に見せながら言った。


「そうっすね。

歩きながら石削って見たっすけど、簡単に削れるっす。

この程度の加工なら、MP1で10個くらい出来たっす。

加工の魔力消費は、大した事無いっぽいっすね」


ニックさんが、矢尻型に削った石を一つ取り言う。

「ふむ、なるほど、石つぶての威力が上がりそうだな」


マメダも削った小石を取りながら言う。

「石つぶてねぇ・・・それにしても、

2tも持って来る事無いじゃないよ」


ドラカンさんが、少し笑いながら言う。

「だはは、まぁいいだーな。

一遍に持って来た方が、ここらで石探すより楽だー」


ダンザも笑って居た。

「小石一つ運ぶのも、

2t運ぶのもアルファには同じ事だーな」


俺は、預かっていた盾2つと水入りの瓶を、

アイテム収納から出して言った。

「なはは、まぁ2t以内なら同じ事っすね。

あい、盾と瓶。

あー・・・どしましょ?

石、どこに置けばいいすかね?内?外?」


ドラカンさんが、入り口の脇を指差しながら答える。

「んー?どこでも良いだが、

そこらに出しとけば良いでないか?」


「あいっす」


俺は、邪魔にならなそうな、

集落入り口から3メートルほど横の崖沿いに、

頭ほどの大きさの石と砂利を、アイテム収納から出した。


腰ほどの高さの小山が、2つ出来上がる。


「石山だー」「一杯運んだねー」「山だー」「山登りー」

子供達が、わーわーと先を競って登って遊びだした。


リリーが、おチビ達を注意する。

「あー、もう、危ないから登らないのよ」


マメダが、俺を軽く睨みながら言う。

「ほら、そんなに運ぶ事無かったじゃない」


俺は、おチビ達を、石山から抱き下ろしながら言った。

「あー、登るもんじゃないよ。

ホラ、危ないから、登るな、もう」


おチビ達め・・・まったく、

マメダに睨まれたじゃないかw


夕方前だが、今日はもうする事も無い。


レンダさんとカブールさんは、

まだ陶芸の作業場から戻ってないらしい。


戻って来たら、ダンジョン跡に入って入り口を閉め、

晩飯食って寝るだけだ。


それまで広場で子供と犬を遊ばせる、

まったりモードだ。


ドラカンさん、オーラスさんは、長椅子に寝そべり、

ニックさんとマメダは椅子に座り、

弓や矢をいじりながら、赤ん坊をあやして居る。


リリーとダンザは、広場で犬とおチビと遊んでいる。


俺は、石の小山に座って小石を、矢尻型に削っていた。


おチビ達、ダメだ。

石削るの見るのはいいけど、あげない、投げるから。

石投げたら危ないだろ。

普通の石でも危ないのに、尖らせてあるんだからな。

まったくもう・・・。


ヒマだ。

平和だ。


これがスローライフってか?

ダンジョンとは、丸っきり違う世界だな。


石つぶて用の削った小石は、

30もあれば十分だし・・・ヒマだ。

扉の固定でもしちゃうか?


「ダンザ、俺の部屋の扉の固定やっちゃう?」


広場中央で、おチビの両手を両手で掴み、

人間風車よろしく、グルグル回しているダンザが答える。

「おう、先やっちまうだな」


「どうすりゃいいの?」


ダンザが、子供を降ろし、こっちに向かいながら言う。

「土練って、隙間に詰めて乾けばいいだな」


「適当だなw」


「木桶持って来て、そこらの土を・・・、

アルファ、土、アイテム収納できるだな?

木桶は、扉のトコで練るまでいらないだなw」


「ん、おk、土はどれでもいいの?」


寝そべって、まったりモードのドラカンさんが、

アクビ混じりに言う。

「あー、焼き物用の粘土が良いだー。

そこらの土だと、粘りが無いだな」


リリーが、子供達に向かって言う。

「あら、じゃぁ陶芸の作業場まで、みんなで行きましょうか?」


子供達は喜んで、囃し立てる。

「行くー」「作業場行くー」「早く行こうー」「いこー」


ニックさんが、抱いていた赤ん坊を、

オーラスさんに預けながら言った。

「お前達だけで、子供連れはな・・・俺も行くか」


マメダも、弓を持って立ち上がった。


お前も来てくれるのか、いいトコあるな、マメダ。

子供達は勝手にどっか行く訳にはいかんもんな。

広場以外、どこでも行きたいんだよな。


ニック、ダンザ、リリー、マメダ、アルファは、

子供達と犬を連れ、

広場近くにある、陶芸の作業小屋に向う。


広場のはじ、森の入り口辺りで、

ニックさんからPT招待が来た。


おチビと手を繋いだニックさんが、

俺のほうを見ながら言った。

「まぁ、PT組むほどの事は無いが、まぁ一応な」


「はい。

あ、子供達も居るし、電車で行きましょうか?」


ニックさんが少し不思議そうな顔で言う。

「ん?電車?」


ああ、電車が無い世界に、電車ゴッコは無いかw

「えーと、ニックさん先頭で、子供達も全員一列に並んで、

前の人の肩とか腰辺りを掴んで、一塊で行進するんす」


俺は、ダンザの肩を後ろから掴み、電車ごっごを説明した。

「先頭と最後尾が大人なら、子供達が離れる事無くて安心っす。

ロープがあれば、輪にしてその中に入って列作るんすけど・・・。

まぁこれが電車ごっごっす」


ニックさんが、納得顔で言う。

「ふんふん、なるほどな、電車ごっこか。

それで行くぞ」


ニックさんを先頭に、子供達も俺たちも一列になった、

最後尾はマメダがやるようだ。


おチビ達は、電車で他所に行くのが楽しい様子だ。


先頭のニックさんが、後ろ全員に向かって言った。

「よーし、電車でいくぞー」


後ろに続く子供達が答える。

「電車ー」「行くー」


俺は、全員に向かって言った。

「出る時は『出発進行』って言うんすよ」


ニックさんが、少し笑いながら言う。

「よーし、出発進行!」


おチビ達も声を揃えて言う。

「出発進行!」


陶芸作業小屋に向けて、電車は動き出した。


おチビ達は、キャッキャとはしゃいで居る。

おチビ達の楽しそうな様子に、犬達も釣られて楽しそうだ。


広場の端から作業場までは、

電車でゆっくり移動しても5分ほどだ。


レンダさんが、作業場から出て出迎えしてくれた。


電車でおチビ達が、わーわー言いながらの行進なので、

随分遠くから、レンダさんとカブールさんに聞こえていたらしい。


おチビ達は電車から離れ、我先に作業場に入って行く。

「扉の木枠を固定する為、ちょっと土を取りに来たっす。

ついでに子供等の散歩っすねw」


出迎えてくれたレンダさんが、

山神様を描いた絵をこちらに見せながら言う。

「ああ、そうだったのかい。

丁度良かったアルファ、山神様の事なんだけどねぇ。

尻尾をどうするのかと、背中の笠?

これは雨具かい?日傘かい?」


「あー・・・たぶん藁で作った雨具なんじゃないかと、

備えの為にってヤツっすよね?

・・・正確にはなんとも・・・っす」


「尻尾はどうするね?」


「うーん・・・信楽焼きの尻尾なんて、

気にした事無かったからなぁ・・・。

何でしたっけ?尻尾は太く?

まぁ・・・おかしくない様に、太く大きく作ればいいと思うっす」


レンダさんが、笑いながら言う。

「なんだい、適当だねぇw」


「はは、まぁ山神様がお気に召すか、

一発目のお試しという事で・・・。

たぶん、町の教会で、

また中間管理神様に連絡取れると思うので、

その時、山神様のご希望を聞いて来ますから、

今は適当で良いと思うっす」


作業場の奥から、カブールさんが声を掛けてきた。

「像を作り始めては居るが、こっちは時間が掛かる。

しっかりと形を決めてから仕上げて、

何日も乾かしてから焼くんだからな。

急ぎという訳でもないが、姿が決まらんでは事は進まんぞ?」


作業場の奥に向けて答えた。

「はい、今度町行ったら、教会でしっかり相談して来るっす」


「あと、今度作業場来る時、水持って来てくれんかね?

粘土練る様に水が要るのさ」


ダンザが、横から答える。

「あ、水持って来れば良かっただーなw

アルファ、今度な」


マメダが、土置き場から山積みの土を見ながら言う。

「それにしても、随分運んだのね。アンタ」


「2tを2往復分だよ」


ニックさんも、積まれた土を見ながら言う。

「へへ、アルファがやれば、こんなもん朝飯前か」


「さすがに、朝飯前には、荷運びなんかやりたくないっす」


ダンザが、土置き場の土をシャベルで小分けにしながら言う。

「たぶん、このくらいで足りるだな。

いいか・・・運ぶのは手間じゃないんだし、

多めに持って行くだーなw」


俺は、土置き場に向かい、

小分けにされた土をアイテム収納した。


マメダが、おチビ達に声を掛ける。

「さて、帰るわよー」


おチビ達は、まだ作業場で遊んで居たい様だ。

「やだー」「まだ帰らないー」「まだー」「粘土遊びするー」


リリーが、子供達をあやすように言う。

「粘土は、アルファが運んでくれるわ。

さぁ、みんな、電車で帰るわよー?」


リリーがニックさんの肩を掴みながら言う。

「電車で帰らないと、置いてっちゃうわよー?」


子供達は、作業場から飛び出し、

わーわーと我先に電車の列を作った。


俺とダンザとマメダも、電車の最後尾に並ぶ。


ニックさんが、列が出来た事を確認すると大きな声で言った。

「よーし、出発進行ー」


おチビ達も、嬉しそうに揃って復唱する。

「しゅっぱつしんこー」


俺達は、電車で広場に戻った。


広場に戻ると、ハチムがヤリの練習をしていた。


気弱イケメンめ、少しはやる気になったと見える。

ドラカンさんとオーラスさんは、

相変わらず長椅子で寝そべって居た。


子供達が、ハチムに向かって言う。

「危ないから、ここで練習したらダメなんだよー」


ハチムは、子供達に注意されて首をすくめ、

広場中央から湖の方に移動しながら言った。

「なんだよー、みんな居なかったんだから、いいだろう?」


子供達が、ハチムを追い出すように言う。

「ダメー」「これから粘土遊びするんだからね」

「はじっこならいいよー」「ここダメー」


電車は、ダンジョン入り口に到着した。

ニックさんが、広場の奥のハチムに向かって言う。

「湖畔まで行くか?」


電車最後尾のマメダが言う。

「アタシも練習したいわ」


ニックさんが、長椅子でまったりしている、おっさん2人に言った。

「じゃ、2人連れて、湖畔行って来るわ」


ドラカンさんもオーラスさんも、

長椅子に寝そべったまま、頷いていた。


ダンザが、子供達に向かって言う。

「粘土の桶持って来るから、ちょっと待ってるだな。

アルファ、行くだな」

「あい」


俺とダンザは、子供達を置いて、ダンジョン跡に入った。

入り口の詰め所で、ライトの魔石を光らし、

広間から倉庫に向かい、2つ桶を取った。


「アルファ、水はどの位持ってるだな?」

「瓶に入ってる呑み残しだけかな」

「ん、じゃ水を少し汲んでから行くだな」


俺達は、桶を手にキッチンへ向かった。

トンバーさんとサニーさんが、晩御飯の支度をしている。


トンバーさんが、にこやかに話しかけてくる。

「おかえり、アルファ。

ダンジョンはどうだったね?」


「ただいまっす。

ダンジョンは・・・緊張したっす」


「無事で何よりだよ。

アルファ・・・待ってるもんも緊張するもんさ、

深く潜らないと判っててもね。

無事で何よりさ、今日は初ダンジョン祝いだね」


「お、そんな風習があるっすか?」


ダンザが、答える。

「無いだな。そんなの」


サニーさんが、笑いながら言う。

「良いじゃないさ、初ダンジョン祝い」


「お祝いされるのはありがたいっす。

何かいい晩飯期待できるっすかね?」


トンバーさんが、いたずらっぽく言う。

「今日はね、貝が一杯あるよ」

「それ、俺が取ったヤツっすw」


俺は、湧き水から水を桶一杯分くらいアイテム収納し、

ダンザと広場に戻った。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


また話が動きませんですな。

かったるいかたは、40話、ワレポン辺りに飛んで下さい。


一転マッタリモードw

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ