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第二十一話。魔物との初遭遇と接近戦見学と初ドロップ

アルファの初戦が、始ろうとしていた。

早春の昼下がり、ゲンコツダンジョン、一階層殲滅である。


斧盾ダンザ、剣盾ドラカン、魔法オーラス、

弓マメダ、ポーションアルファと言う、5人PTである。


一行は、入り口の部屋から広間に入り、

一本目の脇道の先、行き止まりの小部屋に到達していた。


未だ、魔物との遭遇は、無かったのであった。



ダンザを先頭に、俺達は広間に戻った。


ダンザが、一本の通路を指差して言った。

「2本目は、扉付きの中部屋でいいだな?」


ドラカンさんが答える。

「ああ、あそこでいいだ」


「ふぅ・・・。

暗闇のダンジョン探索・・・緊張するっす」


ドラカンさんが、少し微笑みながら言う。

「ああ、それでいいだ。

ダンジョンを舐めたら食われるだー。

だが、パニックを起すで無いだよ。


アルファ、お前さんは、今日は何もしない、見物だー」


オーラスさんが、後ろから俺の肩をもみながら言う。

「ああ、俺とドラカンが居る。

少々の階層違いが出ても、どうにか出来る戦力はある。


魔力探知をするぐらいでいいんだ。

緊張しすぎず、気を抜かず行こう」


マメダには、背中を軽く叩かれた。

「アンタ初戦だものね・・・。

慌てず騒がず冷静に行くわよ」


失礼なヤツだが、頼もしいな・・・。


ダンザが、盾を構え広間を進む。

「じゃ行くだな。二本目」


ダンザを先頭に、横に広がった縦列で、

5~6メートルほどの幅の脇道を進む。


中部屋か・・・。

集落で言うところの、倉庫と言った感じか?

脇道のドン突きに、両開きの扉が見える。


通路とほぼ同じ大きさの、

両開きの大きな木の扉は、閉まっていた。


先頭のダンザが言う。

「居るな・・・右にネズミが一匹は居る。

アルファ、こっちへ」


手招きされ扉の前まで行く途中、俺は感じた。


俺は、ダンザの前、扉の前まで行き言った。

「魔力感知に引っかかります。

奥17mに1匹、左斜め15mに2匹、

右手前10mに1匹動いてます、計4匹。

鑑定しますから、少し待ってください」


感知したモノを、ウインドウを出して鑑定し、

掻い摘んで脳内で読んだ。

「奥がジャイアントマッシュ、Lv4、HP33MP23、毒胞子玉。

左は、ジャイアントスラッグ、Lv3と4、HP31と38、消化液。

右は、ジャイアントラット、Lv3、HP35」


鑑定をすると、視界のPTウインドウに、

敵のHPMPが、数値と棒グラフで表示された。


「俺以外のPTウインドウにも、敵表示されてますか?」


ニヤリとしながらオーラスさんが言う。

「ああ、見える。

便利だな、土魔法魔力感知と、詳しい鑑定」


頷きながら、ドラカンさんが答えた。

「魔物の正確な位置まで、先に判るだか・・・。

まぁ、いつもどおり行くだ。

調子が狂ってもなんだーな」


ダンザが言う。

「右にネズミ、左にナメクジ2、奥にキノコ。

準備いいだな?」


マメダが、矢を番え、弓を引きながら言った。

「いいわ、右のネズミからね」


ドラカンさんが、俺を見て、続いてダンザに言った。

「アルファは、そこ、扉から動くでないだ。

いくぞダンザ、3、2、1」


ゼロに合わせて、ダンザは中開の扉を開き、

中にライトの魔石を放り入れ、一瞬の間を置いて、

盾と斧を構え、中部屋の中、右方向に3歩ほど飛び込んだ。


ドラカンさんは、通路からまっすぐ、

オーラスさんとマメダは、

俺の横、左右をすり抜け、ダンザに続き右前方に入る。


右に飛び込んだマメダの弓が、ヒュっと鳴った。


放たれた矢が音を立てない・・・、

壁や床に当たった訳じゃ無いようだ。


俺の視界にあるPTウインドウで、

ネズミのHPが、半分くらい減ったのが確認出来る。


俺は、暗がりの部屋の中に、

肉眼でも、ウサギより少しデカイネズミに、

矢が立っているのを捕らえた。


当たってる!

すげぇ、マメダ。


ネズミは、矢を受けながらも、

ダンザに向かって、突進して来た。


オーラスさんは、胸の前に出した右手の平に、

ピンポン球ほどの火の玉を浮かべているが、

何故か撃たない。


ダンザは半身で、左手の中盾を前に、

右手の斧を後ろに構え、突っ込んでくるネズミに一歩進み、

右下から左斜め上に斧を振るった。


ゴッと言う、鈍い音が鳴る。


カウンターで斧に打たれたネズミは、少し後ろに飛ばされていた。


ウインドウで、ネズミのHPは0だと確認出来る。


ネズミの死を確認したドラカンさんは、

10数メートル左前方のナメクジに、盾を構えながら言った。

「キノコを」


オーラスさんの火の玉が、正面奥のキノコに向かって、

音も無く一直線に飛ぶ。


矢や俺の石つぶてより遅く見えるが、投げるのよりは速い。

床に立つ、でかいキノコは動かなかった。


キノコに当たった火の玉は、

砕ける様にボワっと燃え上がる。


数瞬、火はキノコに纏わり、燃え続けた。


PTウインドウでは、キノコのHPが見る見る減るのが判る。

・・・0になった。


一撃か。


いつの間にか、俺の右横に位置を変え、

しゃがんだマメダの弓が、ヒュっと音を鳴らす。


残り2匹の内、手前のナメクジに矢が刺さり、

ウインドウでは、ナメクジのHPが4割ほど減った。


ダンザは、ドラカンさんの横に移動し、

ナメクジに向かって、半身で盾を構えた。


ドラカンさんの指示が飛ぶ。

「迎え撃つだ。

マメダ撃て、オーラスはいいだ」


2匹のナメクジは、歩くより遅く、

ドラカンさん達、前衛に向かって、音も無く這って来る。


ドラカンさんの指示が終わるより早く、

マメダの2発目が放たれていた。


2本目の矢が刺さったナメクジのHPは、

残り2割ほどになる。


矢を番う間を置いて、3発目。


3本の矢を受けたナメクジは、動かなくなった。

矢を3発食らったナメクジのHPは0、

と視界のステータスで判る。


また間を置いてマメダの4発目。

最後のナメクジのHPが、4割ほど減った。


ドラカンさんに向かって這うナメクジが、

速度を落とし、首を反らす。


喉が膨らんだ。


ドラカンさんの指示が飛ぶ。

「来るだ、ダンザ」


「おう」

ナメクジに向かって、

半身で盾を構える、ドラカンさんとダンザ。


ナメクジの口から、コップ一杯ほどの液体が、

ドラカンさんに向かって吐き出された。


消化液の射程、7~8メートルまで、近づかれたって事だ。


ドラカンさんは、避けずに、盾で消化液を受けた。


マメダの5発目が、最後のナメクジに刺さる・・・。

残りHPは2割ほど。


ナメクジは、矢を受けても止まらない。


6発目の矢を番い、

マメダのトドメの矢が、ナメクジに刺さった。


ナメクジのHPが0になったのを、

俺は視界にあるステータスバーで確認した。



4匹の魔物を、無事狩り終った・・・。

15秒ほどの出来事だった。


ドラカンさんの指示が飛ぶ。

「アルファ、中に入って扉を閉めるだー」


俺は、言われたとおりにした。


ドラカンさんが、おれに向き直り、穏やかに言う。

「どうだな、魔物は」


「いやぁ・・・ウサギ狩りの時も思ったっすけど、

戦闘となると、みんな別人っすね・・・」


ドラカンさんは、小盾に付いた消化液を、

床に振り落としながら、ニコリとし、言った。

「はは、まぁ慣れるだーな、アルファも」


オーラスさんが、杖をネズミの方に向けながら言う。

「アルファ、ネズミを見ろ」


ダンザの斧に飛ばされたネズミの死骸が、

暗闇の中、レンガの床に、溶けて飲み込まれている様に見える。

「・・・溶けてるっすか?」


オーラスさんが、答える。

「溶けてはいない。

魔物が死に、邪気が抜けたんだ。


いや、邪気はたぶん、

ダンジョンに吸収されたと、俺達は考えている。

少し遅れて、肉もダンジョンに取り込まれる。


それは、アイテム収納と同じだな。

死骸の後に残るのは、魔石とドロップアイテムだ」


見る間にネズミは消え、マメダの矢と魔石と薬草が、

ネズミの死骸のあったところに残った。


ダンジョンの魔物は死ぬと、

邪気と死骸を、ダンジョンに回収されるって事か。


マメダが嬉しそうに言いながら、

矢とドロップ品を拾いに向かう。

「薬草だわ!

初戦からラッキーなんじゃない?」


俺は、視線を他の死骸に向けた。


キノコとナメクジ2匹も気が抜け、

しぼんでいるように感じる。


数秒見ていると、始めに消えたネズミと同じように、

不意に消えた。


魔石を残し、ドロップアイテムが、

死骸のあった所に、代わりに現れていた。


「アイテムのドロップは半々で、

魔石は100%出るっすか?」


ナメクジの死骸が、ダンジョンに回収されるのを見届けた、

オーラスさんが言った。

「ああ、魔石は出る。

今回のマッシュは、ドロップ無しか。

ナメクジは・・・粘液一つ・・・ハズレだな」


ダンザが補足する。

「ナメクジは、ドロップする場合、

薬草か粘液どちらか半々だ。

ナメクジの薬草ドロップは、1/4と言う事だーな」


「粘液ってのは、ナメクジから出たデカ目の瓶っすね?

・・・ハズレっすか?

鑑定してもいいすか?」


ナメクジの死骸跡から、瓶をそのままに、

矢と魔石だけを回収しているドラカンさんが言う。

「粘液は、何の役にもたたんゴミだー。

瓶だけ持って帰るだか?」


「まずは、鑑定してみない事には、

なんとも言えないっす・・・」


俺は、床に放置されている粘液入りの瓶を、

ウインドウを出して鑑定して見た。


結果を掻い摘んで読む・・・。


「粘液、ナメクジ、カタツムリの粘液・・・、

無色透明、無味無臭、食用・・・以上っす」


キノコの魔石を拾いに向かいながら、マメダが言う。

「ね、ゴミでしょ?

食べるの?それ」


「食べないけど・・・うーん・・・。

荷運びに力使わないから、持って帰るかな?

折角のドロップ品な訳だし、何か使い道があるかも?・・・」


粘液の使い道・・・。

こんなの明らかに、ヌルヌルローションだよなぁ。


こんなもんでも、商才イケメン、

シュンツ君なら、何か商売にしちゃうかも?


今度、シュンツ君に持ち込んで見よう。

まぁどう考えても、

俺には、ラブラブな使い道しか思いつかないが・・・。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


初戦と言えるのか?


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