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第十六話。ゲンコツ山のカラオケポーズと魔力探知で潮干狩り

アルファは、土運び二往復を終えた。


土置き場は満杯でもなかったが、もう一往復したら溢れそうだ。


オーラスさん達は、本当に嬉しそうな様子だった。

よっぽど土運びは重労働だったんだな。


レンダ、カブール夫妻は、そのまま残り陶芸の作業をするとの事。

俺とオーラスさんは、犬をそこに置いて広場に戻る。


「犬をもう一匹連れて来れば良かったな」


「ん?2人じゃ危険っすか?」


「いや、広場は近いしどうって事無いが、

最低2人と犬が集落の決まりだ」


「安全対策っすね」


「うむ、集落を作った頃は、もっと魔物が多かったんだが・・・

その頃に作ったルールだ。

住み着いてから、数ヶ月もすると、

何故だか、今ぐらいに魔物が減ってな。

だからそう危険でも無いんだが、

最近はゴブリンも出たし、念の為だ」


広場に戻ると、ニックとサニーさんが広場で、

リリーは、ダンジョン入り口の椅子に座り、

子供達と犬3匹を遊ばせていた。


アルファは、リリーに声を掛ける。

「ただいまーっす」

「あら、もう土運びは終わったの?」


オーラスさんが、上機嫌で答える。

「いやぁ・・・アルファは凄い。

二往復してたっぷり土置き場に溜まったぞ」


「まぁ、もう二往復して来たのね」


ニックが寄って来て言う。

「速いな、もう二往復か、

しかも荷車より多く運べるんだろう?ご苦労さん」


「まずは、役に立てて良かったっすよ」


リリーが瓶入りの水を、

アルファとオーラスに渡しながら言う。

「ダンザ兄さん達は、まだ戻って無いわ」


子供達が、アルファを囲んで騒ぎ出す。

「アルファ兄ちゃんおかえりー」「おかえりー」「どこ行ってたのー」

「危ないトコ行ってないよねー?」「遊んでー」「こっちこっちー」

「湖に行こうよー」「湖ー」


アルファは、子供達と犬に、まとわりつかれながら、オーラスに聞いた。

「どうするっす?

あっちは戻って来るまで、まだ間があるっすかね?

場所が判ってるなら、こっちから向かって合流するっすか?」


オーラスは、椅子に座り、水を飲みながら答えた。

「大体の場所は見当が付くが、行き違いになってもしょうがない。

しばらく待つとしよう」


「じゃ、湖畔までおチビ達と行って来るかな」


「うーん、ニックとリリーとアルファで行っておいで、

私はここで待つとするよ」


「了解っす。

ニックさんリリー、行きますかー」


アルファ、リリー、ニックは、

オーラスと赤ん坊を抱くサニーを置いて、

子供達と犬2匹を連れて湖畔に向かった。


ニックが、犬を連れて先導する。


「アルファ兄ちゃんどこ行ってたの?」「土運びだよねー?」

「ゲンコツ山のほう?」「ゲンコツ山は行っちゃいけないんだよ」

「危ないからね」「ゲンコツ山は危ないんだよ」


アルファは、子供達に聞く。

「んん?ゲンコツ山ってどこさ?」


子供達が、アルファの手を引き、先を急ぐ。

「こっちこっち」「もうちょっとで見えるよ」

「ゲンコツ山見えるよ」


広場から湖畔に向けて、山道を下る途中で視界が開けた。


子供達は、湖の対岸にある山脈を指差して、口々に言う。

「向こう側」「あそこだよ」「あそこゲンコツ山」

「ゲンコツ山危ないんだよ」「行かないよね?アルファ兄ちゃん」

「危ないからね」「行っちゃいけないんだよ」


「湖の向こう側にある山が、ゲンコツ山?か・・・」


リリーが、ニコニコしながら答える。

「ええ、私達が子供の頃から、あれをゲンコツ山と呼んでるの。

こうやって右手を握って、

顔の前に持って来た形に似ているでしょう?」


リリーも子供達も、顔の前に右拳を持って来て、同じポーズを取った。


マイクを片手に持ち、カラオケを歌う様なポーズである。

少し違うのは、拳より肘を高くしている。


アルファも同じポーズを取り、湖対岸の山脈と見比べた。


「ああ、ほんとだ。

左の方が拳で、手首のトコがへこんで、右肘が上がってる感じか・・・。

うんうん、あれがゲンコツ山ね」


リリーが、子供達を怖がらすように言う。

「そう、危ないから行っちゃいけないのよー」


ふむふむ・・・昨日、町からの帰りの湖畔で、

左にダンジョンがあるって言ってたな。


あの山にあるかどうかは知らないが。

とにかく、子供達にあっちに行くなと躾けてるんだな。


「そうか、あれが危ないゲンコツ山か、

アルファ兄ちゃんも危ないから行かないよ」


子供達は、安心したように、納得したように言う。

「な、アルファ兄ちゃんゲンコツ山行ってなかったろ?」

「行ってなかったねー」「でも危ないって知らなかったんだから」

「でももう行かないよねー」「アルファ兄ちゃん、ゲンコツ山危ないからね」


おチビ達は、俺の姿が見えないので、

ゲンコツ山行っちゃったんじゃないかと、心配してたのか。

可愛い奴等めw


アルファ達は、段々畑を抜け、畑を囲む柵の門から湖畔に出た。


子供達と犬が、アルファから離れ、

湖の淵まで走り、小枝を拾って何かを採っている。


アルファは、先を行って湖畔に立っているニックに尋ねた。

「おチビ達は、何採ってるっすか?」


「んー?貝だな。

居れば、カニでもエビでも小魚でもカエルでも、なんでも採るよ。

今の時期、カエルは居ないか」


「ほー、色々採れるんすね」


リリーが、補足する。

「この湖で採れたものは、大体食べられるのよ。

毒がある生き物は、毒ガエルくらいなの」


ふーむ・・・生き物採りであり、水遊びであり、ご飯の足しか。


ピコーン!

アルファ兄ちゃん、いいトコ魅せたるか!!


俺は、湖の淵まで行き、魔力探知を使った。

「ふふふ・・・おチビ共ー、

アルファ兄ちゃんは、貝がどこに居るか判るぞー」


「えー嘘だー」「砂の中に居るから判らないよー」

「見えないもんねー」「嘘だー」


アルファは、湖の砂の中に杖を刺し、

砂を掘るように、手前に杖を引き寄せた。

「ほーら、居た」


お宝探し、初の活躍だな。

結構居るわ、手前側に居るのを、バンバン掘り起こしてやろう。


ほーれほーれ、おチビ達よ。

兄ちゃんがバンバン掘って、

見えるようにするから貝を拾うのだ。


居ないトコには全然居ないが、

結構まとまって居るもんだな・・・こりゃ大漁だ。


「わーホントだー」「貝なんで判るのー?」

「なんでー?」「一杯居るねー」


ニックもリリーも、不思議そうな顔をしている。


アルファは、湖の淵に沿って歩き、

次々貝を掘り起こしながら言った。


「兄ちゃんは、土魔法使いだから、

魔力探知が出来るのだー、はっはっはー」


「魔力探知?」「魔力探知なーに?」「どうやってるの?」


「魔力探知はな、宝探しの土魔法だ。

地面に触れてるものは、見なくても判っちゃうんだなー」


「宝探しー?」「宝探しだー」「わーいっぱいだー」「貝一杯だねー」

「それは僕が採るのー」「アルファ兄ちゃんすごーい」


へへへ、おチビ達よ、なかなかやるだろう?

アルファ兄ちゃんは。


リリーが布を出し、

持ち切れなくなった子供達から、貝を回収していく。


湖畔を50メートルほど進んだ辺りで、リリーが言った。

「アルファ、もう十分よ。

貝は日持ちしないから、これ以上はもうダメよ」


「了解、へへへ大漁だったな」


「ええ、魔力探知は便利なのね」


「さっき、オーラスさんに、宝探しに使えるって教わったばっかw」


後を着いて来たニックが言う。

「じゃ、そろそろ戻るか?」


「戻りましょう」


「了解っす。ホレおチビ達、戻るぞー」


俺は、リリーから、貝が一杯詰まった、風呂敷状の布を受け取り、

アイテム収納しようとしたが、出来なかった。


それを見ていたリリーが、俺に言った。

「生き物は、と言っても植物は出来るけど、

動物?は、アイテム収納できないのよ」


「ふーむ・・・そういうもんか・・・」


「そういうもの、なの」


アルファは、杖の先に風呂敷状の布を引っ掛け、

肩に担いで広場に向かった。


時刻はまだ朝、

湖畔から見る東の大山の肩口に、太陽が昇っていた。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


朝が早いw


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