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第十三話。山神様のお姿~信楽焼きと八相縁起

俺は、トイレへの水運びを済ました。


小便器は流しておいが、個室掃除はしなかった・・・。

便所掃除当番は、勘弁してくれw


広間に戻ると、テーブル席でドラカン達が酔っ払っている・・・。

俺は、それを避けて、小上がりの方に陣取った。


小上がりは小上がりで、チビッコ達がやかましいが、

酔っ払いオヤジよりはマシと言う物だ。


「ほれ、おチビ達、紙飛行機を渡してくれぃ」

それに、タヌキの置物の絵を、描かねばならぬのだ。


「やだー」「いやー」「やー」「だー」


「それに山神様の絵を描くから、

見てろって、山神様のお姿だぞー」


「やー」「だー」

くそう・・・チビッコどもめ・・・。


チビ達とジャレていたら、

マメダが、紙を持って来てくれた。

「何やってるのよアンタは、

コラ、お前達もあんまりふざけてると雷が落ちるわよ」


「おお、ありがと」

紙を受け取ったアルファは、タヌキの置物の絵を描こうとした。

が、書くものがない。


マメダが、呆れたように言う。

「かまどから、炭もって来てないの?」


「ごめん・・・炭ね」


立ち上がろうとするアルファに、子供達がまとわり付く。

「何描くのー?」「山神様描くんだってー」

「絵描くのー?」「山神様どんなのー?」


「まぁ、描くから待ってろって」


マメダが、ちゃちゃを入れる。

「アンタ、絵描けるの?」


「うーん・・・なんとなくイメージあるけど・・・俺、

絵はあんまりかな」


「じゃ、レンダさんに描いて貰えばいいのよ。

像を作るのもレンダさんなんだし」


リリーが、キッチンに居たレンダさんを呼んでくれた。

「レンダさーん、

アルファが山神様の絵描いて欲しいそうよー」


「はいはい、ちょっとまってね」


キッチンでの用事を切り上げ、レンダが小上がりにやってきた。

「どんなの描けばいいのかな?」


なんだったっけか・・・なんか商売の縁起もんなんだよな。

商店の前に置いてあるアレ。


俺は、レンダさんにタヌキ像の事を説明する。

「えーと、立ち姿のタヌキでして。

太ってて茶色っす・・・お腹は白。

愛嬌のある表情で。

頭の後ろに、首から紐で笠を被ってて。

片手に酒瓶。

もう片手に、メモの束、商売の通帳かな。

あと・・・キャンタマがデカイ・・・」


俺の発言に、リリーの顔が曇る。


俺は、やっちまったか?と思いつつ、

絵を描くレンダさんに、タヌキ像のイメージを伝え続けた。


何度かの手直しを経て、

アルファのイメージする、タヌキの像の絵が仕上がった。


「いい感じと思います。

この感じで像作れそうっすか?」


「うーん、作れると思うわ」


テーブル席から、酔っ払いドラカン達が、仕上がった絵を見に来た。

「アルファ描けただな?

山神様のお姿はどんなだな?」


「だいたいこんな感じっす」


ドラカンが、絵を手に取り笑い出した。

「山神様は、酒瓶を持ってるだか!

ホレ!オーラス!酒瓶持ってるだ」


「おお、酒瓶を持ってるのか、そりゃいい。

山神様は酒が好きか」


酔っ払いのおっさん連中には好評のようだ・・・。


マメダが、ドラカンから紙を奪い取り、

若手連中で絵を回し見する。


「うーん、山神様にしては威厳が無いような気がするだな」

ダンザは、今一の評だ。


「この山神様のお姿は、

アルファさんの世界では、どんな神様だったんですか?」

ハチムが、核心を突く。


「あー、えーと、神様と言うか・・・。

なんか、商売の縁起物と言うか・・・、

凄く有名で見覚えはあるんですが、

なんとなく、うろ覚えなんですよね」


酔っ払いドラカンが、当たり前のようにアルファに言う。

「なんだな、アルファ、鑑定してみればいいだな」


鑑定?

自分で書いて貰った絵を、自分で鑑定して何になるんだか?

とにかくやってみるか・・・。


ハチムに絵を渡されたアルファは、意味も判らず鑑定をした。


鑑定ウインドウが開く。

「あ!」


開かれた鑑定ウインドウには、鑑定結果が映されていた。


「信楽焼き、タヌキ・・・商売にまつわる縁起もの・・・

八相縁起・・・

太っ腹は、冷静さ、大胆さ・・・

笠は、災難から身を守る備え・・・

笑顔は、愛想良く・・・

大きな目は、周囲を注意し良い判断を・・・

酒瓶は、飲食を足らし人徳を・・・徳利か

通帳は、商売は信用第一・・・

太い尻尾は、初めより終りを太く・・・

金玉袋は、金運・・・」


アルファは、鑑定結果をざっと読み上げた。


「そうだ、信楽焼きだ。

でも鑑定って?

・・・俺こんな事知ってた・・・かな?」


酔っ払いオーラスが、鑑定に付いて説明した。

「鑑定は神から与えられた力だよ。


アルファが知らなくても、

知らない事まで鑑定出来てしまうから、

スキルとしての鑑定なのだ。


今までもそうだったろう?」


「確かに、そう言われればそうか・・・」


レンダが、割って入る。

「いいから、もう一回読んで、メモるから、

アンタのウインドウは、文字化けで読めないのよ」


「あ、はいっす」

アルファが、掻い摘んでもう一度読み、

レンダがメモを取った。


酔っ払いドラカンが上機嫌で言う。

「いいでないか、シガラキ焼き。

タヌキ姿の商売の神だか?

なんとめでたい、ありがたいでないか、

うん、いいだ、いいだ」


子供達が、絵を回し見しながら騒ぐ。

「これ山神様?タヌキなのー?」「山神様タヌキー?」

「シガラキなーに?」「これ山神様?」「シガラキ様?」

「山神様かわいいー」「お酒持ってるねー」


マメダが、一通り見終わった頃を見計らって、

子供達から絵を回収しレンダに渡した。

「これは、レンダさんが、持っとけばいいね」


レンダが、絵を受け取りながら答える。

「そうだね。太い尻尾か・・・。

もうちょっと書き直して、明日から像作り始めるよ」


トンバーが、広間に戻って来た。

「アルファ、寝床の準備しといたよ」


「あ、ありがとうございます」


トンバーさんが、俺とダンザに向かって言う。

「オーラスの子らが使ってた部屋だから、ダンザ達の隣」


それにダンザが答え、

アルファに向かって言う。

「あいよ。

アルファ、俺とハチムの部屋の隣だな。

場所は後でな」


子供達が騒ぐ。

「アルファ兄ちゃんここで寝るの?」「一緒に住むんだよね?」

「アルファは新入りだもんね」

「一緒に寝る?」「アルファ兄ちゃんどこで寝るの?」


リリーもマメダも子供達も楽しそうだ。

俺も、大家族の一員になったみたいで、なんか楽しい。


この世界には、ジャンケンはあったが、あっちむいてほいは無かった。


俺、ダンザ、ハチム、リリー、マメダ、チビッコ達で、

大笑いしながらあっちむいてほいをやった。


酔っ払いオヤジ達や、仕舞いにはトンバーさんまで参加して、

集落全員であっちむいてほい大会が繰り広げられ、

俺の歓迎夕食は幕を閉じた。



子供達は、寝る時間だ。


酔っ払いを含む大人5人が、

入り口の詰め所で、代わる代わる番を勤め、寝ると言う。


何が襲ってくるって事も無いらしいが、用心の為だと言う。


俺は、ダンザに案内されて、

オーラスさんの息子さん達が使っていた部屋に通された。


俺の部屋は、教室ほどの広さだが、

入り口から、部屋の真ん中を仕切る板が立てられており、

一部屋を割って、二部屋にしてある。


机と椅子、4畳ほどの小上がりに、毛布が3つ置いてあった。

ベッドだな。


ダンジョン跡だから迷うかと思ったが、

迷宮と言う感じの作りではなかった。


一本道に、脇道と部屋がある感じだ。


広間から、キッチン、トイレ、

一個目の脇道が、オーラスさん達の使う部屋。


二個目の十字路の左右が、

リリーマメダ部屋とダンザハチム部屋。


俺の部屋は、ダンハチの先だ。


二個目の十字路の先、一本道の脇道に、

ニック夫妻、レンダ夫妻の部屋だそうだ。


一本道のその先は、誰も使ってない脇道と部屋が幾つかあり、

最後に階段だ。


このダンジョン跡は、一階層20部屋ほど、3階層しかない。

2階層3階層目も使ってないとの事だった。



今日はもうする事も無い、明日は荷運びだ。

寝るか・・・。


しかしちびっこ達は、やかましいな。

可愛い顔しやがって・・・アルファ兄ちゃんか・・・。


こんな山奥で少人数の集落だ、

客など珍しいだろうし、大人気だな、俺。


神の使い、タヌキ族を栄えさせる・・・

まぁ取って付けた目標だが、

あのおチビ達を見てると、なんか、な。


やってみるさ、リリーを連れてどうこうは一旦無しだ。


俺のチートなんざたかが知れてるが、

へへへ、おチビ達、お前らが笑って過ごせるように、

兄ちゃん頑張って見るよ。


頑張るたって、明日は土と木を運ぶだけだが。


しかし、栄えさせるったって、どうしたもんだかな・・・。

まずは金策か・・・丸っきりアテが無いけど。


俺の世界の物を作って売るのが、異世界での稼ぎの定番と思ってたが、

案外、上手くは行かないかもな。


科学技術に需要があるかどうか・・・だいたい製造技術が無いしな。


やっぱりダンジョンか、

ダンジョン攻略で一儲け・・・。

死にたくは無いが、チートもしょぼいし。


まぁ、考えたって始まらん、

とにかく、この世界で俺は生きて行くんだ。


最悪2t荷運びで食っていけるっぽいし、

どうにかなると神様も言ってたんだ。


一人ぼっちで異世界に放り出されるよりマシさ、

ドラカンさん達の世話になり、

出来れば、ドラカンさん達の力になろう。

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


おやすみ~


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