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第十一話。特殊鑑定とダンジョン跡に暮らす集落

アルファは、湖畔のそば、

山の中の洞窟にある、ドラカン集落に入った。


アルファは、洞窟の中の倉庫で、

子供達と犬に翻弄されていたのであった。


「誰か、誰か助けてー」


リリーとマメダが倉庫に入ってくる。

「こーら、お前達。新入りを困らせるな」

「だめよー、イタズラしちゃー」


子供と犬が、アルファから離れた。


アルファは、二台の荷車をアイテム収納から出す。

「見てろよーチビッコ」


子供達が、驚きの歓声を上げた。

「うわー」「すげー」「収納してたのー?」「のー?」


アルファが、リリーに聞く。

「ほーら、お土産は・・・トマトっすかね?」


子供達が、荷台に飛びつき荷を漁り出す。

荷を引っ掻き回しながら、一段と騒ぎ出した。

「お土産ー」「飴無いのー?」「水飴はー?」「お土産無いのー」


リリーが、少し困った顔で言った。

「お土産はウサギよ、

ウサギ」


リリーとマメダが、子供達に責められる。

「えーウサギー?」「飴買って来てって言ったのにー」

「水飴も言ったのにー」「あーお酒があるー」


子供達の騒ぎを聞きながら、

ドラカンが、倉庫の口に入って言う。

「ごめんだよー。

飴も水飴も売ってなかっただー」


「なかったのー?」「そんな事ないよー」

「嘘だー」「忘れたんだー」


「ホラ、隣村で卵は買ってきただぞ。

卵はおいしいだぞー」


「卵より飴が良かったー」「飴ー」「水飴ー」「もー」


アルファが、居たたまれず言う。

「今度な、今度、町行ったら探してくるから、

今日は無しな」


ドラカンが、広間の方を振り返り言った。

「揃っただか?

新入りのアルファを紹介するだー」


ドラカンが、倉庫内全員に、広間に戻るように手を振る。

ブーブー言う子供達と犬を、

マメダとリリーが、倉庫から追い出した。


それに続き、アルファも、倉庫から広間に戻る。


広間には、大人が10人弱、集っていた。


ドラカンが、アルファを紹介する。

「この若いのは、アルファだー、

今日からここに暮らすだ。


リリーが、朝騒いでおった通り、

神の使いとして草原に本当に居ただ。


異常な量のアイテム収納、

文字化けする詳しい鑑定ウインドウ、

話しぶりから、神の使いかも知れんだ。


まぁそれだけでは、神の使いかどうかは確定ではないだが・・・。

他に行くアテもないだな。


アルファは、町の教会で神と交信したらしいだ。

山神様に、我らタヌキ族を守護する神となって頂く手があるそうだで、

皆にも協力して貰いたいだー」


皆に紹介されたアルファが、全員に挨拶する。

「今朝転生してこの世界に来ました、アルファと申します。


タヌキ族を盛り立ててくれと、神様に言われて来たっす・・・が、

大した能力は持ってませんので、お力になれるかは自分でも判らないっす。


過大な期待はぜず、よろしくお願いします。

お世話になるっす。」


あまりに話が急すぎて、困惑する皆の空気を変えるように、

ドラカンがうながした。

「ニック、

とりあえずアルファに鑑定して貰うだ」


ニックと呼ばれた小柄な男が、アルファの方に歩いてくる。

「よろしく、アルファ。

ニックだ。

鑑定お願いできるかな?」


「はい、よろしくっす。

鑑定します」


ニックにウインドウが見えるように、アルファは体をひねった。


ニックは、ウインドウを見ながら言う。

「確かに、異常な大きさのウインドウだ・・・、

文字化けで読めないが、異世界の言葉なのか?」


「自分には、全てこちらの言葉に見えてるっす。

文字化けはしてません。

逆に、ニックさんが読めるのはどこっすか?」


「ニック、34歳、タヌキ族、Lv26、弓師、

ドラカン集落在住、犯罪歴無し・・・。


後は、HPだの力だのの数値、

読めるのはそのぐらいで、後は文字化けだ」


女性が、割り込んで来る。

「あたしの鑑定もして貰えるかい?」


アルファは、女性にウインドウが見えるように向き直り、鑑定した。


割り込んできた女性が、鑑定ウインドウを読む。

「レンダ、29歳、タヌキ族、Lv24、

アイテム師、後は各種数値か・・・。


文字化けで読めないが・・・、随分詳しい鑑定のようだね。

ハチム、あんたも鑑定して貰いな」


ハチムと呼ばれた、金髪で長髪の若い男が、

アルファの方に寄って来る。

「ハチムです、

僕も鑑定して貰っていいですか?」


アルファは、ハチムに見えるように鑑定した。


ハチムも、レンダと同じようにウインドウを読んだ。

「ハチム、19歳、タヌキ族、Lv4、軽戦士、

後、読めるのは各種数値・・・同じですね。


文字化けしている所を、

アルファさんは読めるんですか?」


アルファは、ハチムが読んだ以外のところを、掻い摘んで読む。

「ハチムさんは、ドラカンさんの子、マメダさんの兄、

・・・料理が得意・・・オートマッピング・・・ヤリの才!」


マメダが、ウインドウを覗き込みに、割り込んで来る。

「ハチム兄ちゃん!『才』ですって『ヤリの才』!

やっぱり冒険者になるべきなのよ」


興奮するマメダに、ハチムが、しどろもどろで答える。

「『ヤリの才』と『オートマッピング』が何か判らないけど、

僕は冒険者には向かないと思うよ」


アルファが、ハチムに向かって言う。

「オートマッピングは、入ったダンジョンの構造を、

無意識に覚えちゃうんだと思うっす。


『ヤリの才』は、その名の通り、

ヤリを使えば、他の人より上達するって事っすよ。

凄く冒険者向けの才能を持ってると思うっす」


中年男が、ハチムとマメダを制するように言う。

「問題は、『才』や『オートマッピング』じゃない。

それは、やってみないと確かめられない事だからな。


ドラカンの子である事や、

料理が得意である事が判るのが、我らの鑑定とは違うのだ・・・。

私の鑑定もして貰っていいかね?」


アルファは、中年男の鑑定をし、要所を読んだ。

「オーラスさん、40歳、Lv24、アイテム師、魔法使い・・・

元Dクラス冒険者・・・ドラカンさんとこの集落を作る

・・・そこに居るのが奥さん・・・

お子さんは成人し集落を去った」


オーラスは、アルファのウインドウを覗き込み言った。

「うーむ・・・そこまで鑑定できるのか・・・

確かに、特殊な詳しい鑑定のようだ」


ドラカンが、アルファに向かって言う。

「という事は、ニックの妻とレンダの旦那も、

もう判ってるって事だーな」


アルファが、まだ鑑定して無い二人を指差し、答える。

「はい、そちらがニックさんの奥さん、

レンダさんの旦那さんは、あちらっすね」


ドラカンが、笑いながら言う。

「説明が省けていいだ。

集落の大人はこれで全員だー」


アルファが、驚いた様に、指を折りながら言う。

「え?

ドラカンさんと、ダンザ、リリー、ハチム君、マメダ。


後は、ニックさん夫妻、レンダさん夫妻、オーラスさん夫妻・・・

集落って11人すか?

もっと居ないんすか?」


集落の成人は、ドラカン一家5人、

他に3夫妻6人で、11人であった。


子供は13人、ニック夫妻とレンダ夫妻の子である。

内2人は、まだ赤ん坊であった。


アルファが、続けて言う。

「あと、ここ・・・ダンジョンっすよね?

ドラカンさん達が、このレンガの洞窟を造ったとは思えないっす」


ドラカンが、ニヤニヤしながら答える。

「正確には、ダンジョン跡だー。

冒険者だった頃、兄貴達とPTで潰したダンジョンだー」


「ドラカンさんが、ダンジョンを『潰した』っすか?」


「ライツは、南のゼンツと違って邪気が薄いだ。

だからダンジョンは出来ないか、出来ても成長できないだー。


ここは3階層しかない、小さな浅いダンジョンだっただ。

一番奥にダンジョンコア、大き目の魔石があっただで、

持ち帰って売っただよ」


俺は、ダンジョンの『潰し方』が気になってさらに尋ねる。

「コアを持ち帰れば、ダンジョンが潰れるんすね?」


「ダンジョンは、コア、魔法生物の作る巣と考えられて居るだ。

地下の魔力の流れ、地脈、竜脈とも言うだが、

それにコアが寄生し魔力と邪気を蓄えて成長するだ。


コアが本体で、コア本体を壊すか、ダンジョンから無くせば、

巣であるダンジョンは機能しなくなるだ」


「ふむ・・・コアの巣が、ダンジョンって事すか」


横からオーラスが、補足をする。

「コア防御の為、周りの環境を利用して魔物を生み出す。

また、地上の生物を誘い込み、取り込む事も知られている。


一説には、太古に魔神か魔族が作り出した魔法生物ではないか、

とも言われているな」


集落に着くまで、

ドラカンさん達がニヤニヤしていた理由はコレか・・・、

集落と言っても11人しか居ないし・・・家はダンジョン跡だし・・・。


栄えて無いにも程があるな・・・タヌキ族。


なんとなくタヌキはのんびりしたイメージがあるが、

やっぱりそうなのか?


子沢山だし・・・あれか?

魔物が少なく生活費が安い地方の、

くっそ山奥の家賃ゼロ・・・家っつーかダンジョン跡で、

のんびりスローライフってか?


・・・クソ!中間管理神め!!山神め!!!

せっかくの異世界転生なのに、なんてトコに送り込みやがる・・・。

リリーが居なきゃ・・・タレ目女神様が居なきゃ、出て行くところだぞ!


出て行かないがな!

我が女神様の元を、離れるつもりは毛頭無いがな!!


いや、・・・リリーと出て行けばいいのか。


このクソ山奥の集落を捨てて、

リリーとウッハウハでラブラブな異世界生活を送ればいいのか。


そうしよう!

リリーと2人、新天地でラブラブでグッチョグty・・・


オーラスの補足を聞きながら、ぼーっとするアルファをよそに、

子供達が騒ぎ出した。

時刻は、夕飯時に差し掛かろうとしていたのだ。


「ハチム兄ちゃん、お腹空いたー」

「お腹すいたー」「ご飯ー」「ウサギね、ウサギ」「卵も」・・・


ドラカンが、皆に向かって言う。

「おお、飯時か、話は飯を食いながらにするだ。

ホレ、みんな飯の支度だー」

さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。


いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、

星5やらw頂きたいっす。


反応無いと、便所の落書きだものねw


飯だ飯だ


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