第99話。安全確認をし、新たなる才を得る。
若き新6人PT、
アルファ、ダンザ、ハチム、リリー、マメダ、ラリーサと、
ハーネ、シュンツを送りに来たドラカンは、
1台の荷車を押し、極東街道宿場町、イーハンの南門外、
獣人キャンプに到着したところである。
集落襲撃未遂後の、町の様子を探る為であった。
南門では、自警団が門番をしている。
騎士団全員が、イーハンから引き上げたと言う、
隣村の商人、ニボガッツの話は本当だったようだ。
あれ?シュンツお前、シガラキ教徒になってるんじゃないか?
門番に鑑定されて、シガラキ様の事がバレるとヤバイと思いったが、
シュンツは、祈ったくらいじゃ信徒とはならないと笑う。
シガラキ様を世に公表するまで、人前に出られなくなるかもと思って、
僕も母さんも、用心の為、シガラキ様に祈ってないと、シュンツは続けた。
俺は、門に向かう前に、シュンツとハーネさんを鑑定した。
2人共、ライツ教徒のままだ。
頭良いな、さすがは聖女の商人。
ラリーサは、食事の前、おチビ達と一緒に祭壇に祈っていた。
こっちも、鑑定して見たが、ちょっと祈ったぐらいで、
ゼンツ教神職者が、シガラキ教徒になる訳無いかw
いつもの様に、タヌキ族のみんなを外の獣人キャンプに残し、
俺、シュンツ、ラリーサで荷車を動かし南門に向かう。
ハーネさんが、少し遠くから門番に対応した。
門番をしている、町の自警団員の対応は柔らかかった。
騎士団が居ないから、獣人を町に入れても、かまやしない。
バレやしないけど、決まりだから、
仕事だから悪いねと、いった調子だ。
あのダンザを叩きやがった糞門番、
騎士団員の野朗共とは大違いだな。
ハーネさんとシュンツは、顔見知りの自警団員と談笑している。
荷が軽いから良いよとか、獣人排斥なんて面倒ですね、てなもんだ。
ラリーサは、猫族の獣人とは言え、
バイロン冒険者ギルド長の孫である事を、門番は承知している様子だ。
俺は、ハーネさん達の連れだし、獣人じゃない。
俺もラリーサも、冒険者ギルド証を見せるだけで、素通りだった。
俺、ハーネさん、シュンツ、ラリーサで、
すんなりとイーハンの町に入る。
先ずは、荷車を曳いたまま、町中央の教会に向かった。
教会には、ターク神父は居なかった。
教会の職員さんに、ハーネさんとシュンツが声を掛け、情報を聞き出す。
ニボガッツさんの話の通り、ターク神父は、領主と騎士団と共に、
ダンジョン排除の件について、
北方の大きな町に、報告に向かったとの事だった。
10日から2週間ほどで、戻ると言う話だ。
ハーネ商会倉庫に、荷を一旦降ろすついでに、
近隣の倉庫の奥に、騎士団に徴用された荷車3台を返して周った。
神隠しで無くなった物が、いつの間にか、持ち主に帰った訳だ。
まさか、荷車をアイテム収納して、魔力探知で、
アイテム収納の距離を伸ばし、30mも先から出してるとは思うまいw
神業と言う事になるんだろうww
ハーネ商会の倉庫に、曳いて来た荷車を置き、
俺達は、冒険者ギルドに情報収集に向かう。
冒険者ギルドの受付には、トーシさんが居た。
奥にダフリーさんが居ると言うので、中に通して貰う。
やはり、話の筋としては、ダンジョン排除に来たが誤報であった。
と言う事になってるらしい。
トーシさんいわく、町は落ち着いているとの事だった。
ダフリーさんの居る部屋に通され、トーシさんは受付に戻った。
俺達は、ダフリーさんからも話しを聞く。
実際は、バップ領主と騎士団を、ターク神父とバイロンさんが監視し、
ライツ教、実力派閥の力が強い町に、引き渡しに行ったとの事。
バップが連れて来た奴等は勿論、元から居た騎士団も、
馬と荷物を持って、イーハンから完全に出て行ったそうな。
応接室のソファーに座った、ダフリーさんが言う。
「まぁ、これで一件落着だ。
ふふ、それにしても、神罰にしちまうんだから、
タークにも、あきれたもんだよw」
ハーネさんが、調子良く返す。
「雲一つ無い空から、命を取らない落雷に、
荷車が3台消える神隠しですもの」
シュンツも、言った。
「聖女のライトが掛かった魔石の暴発、
30m先からの、神の使いのアイテム収納とも、
想像付かないでしょうねw」
俺は、少し笑いながら言う。
「それにしても、神罰とか神隠しとか、良くあるんすか?
あれで、領主も騎士団も信じるもんっすか?」
シュンツが、俺に解説する。
「神罰も神隠しも、伝説上の話、御伽噺レベルですよ。
まぁ、聖女とか神の使いも、御伽噺レベルなんですけどね。
シガラキ様が光臨された事を知った上で、
ターク神父が導きを受け待ち構え、不可解な事が起こったんですから、
バップも騎士団員も、信じざるを得ないでしょう」
ダフリーさんが、不思議そうな顔をして言う。
「そうだねぇ、アタシも聖女だの神の使いだのって言うから、
正直どうしたもんかと思ってたけど・・・。
アルファさんは、本当に他所の世界から来たのかい?
聖女のリリーちゃんだって、
うちのラリーサと、大して変わらないくらいだし」
俺は、おでこを掻きながらダフリーさんに、答えた。
「いやぁ・・・レベル5でこっちに飛ばされましたし、
出来る事っても、2tのアイテム収納程度なんす。
リリーも、ついこの間まで、何でも無い子だったっす」
ダフリーさんが、続けて問う。
「そうなのかい?
そうは言っても、神様から何かやるように、
言い付かって来たんじゃないのかい?」
俺は、正直に答えた。
「はい、ドラカンさん達を盛り立てる様に、
タヌキ族を繁栄させる様に、言われて来たっす」
ハーネさんも、チョット疑わしい目で俺をみながら言う。
「本当かしらねぇ・・・」
俺は、変な空気に焦りながら言った。
「ホントっすよ」
シュンツが、笑いながら俺に言う。
「ははは、御伽噺の神の使いは、
世界を変えるほどの力を持ってるんですよ。
何か大きな目的を持って来たのでは?と、考えるのが普通なんです」
ラリーサが、能天気に言った。
「おばぁちゃん!
神のお使いの人は、水飴を作って、美味しいお菓子を作れるのよ」
シュンツが、アイテム収納から、ダフリーさんに、
皿に乗せた大学芋を出しながら言った。
「ええ、こちらが異世界のお菓子、
大学芋と言うそうです。どうぞ」
シュンツめ、大学芋をアイテム収納してやがったか。
大学芋を女性に振る舞い、
なんぞ商談でも上手く運ぶつもりだったのか?w
まったく抜け目の無いヤツだww
ダフリーさんは、俺が水飴の製法を知る事に感心し、
大学芋を一つ口に運んだ。
「これは、食べた事が無いものね。
異世界のお菓子?美味しいじゃないの」
ラリーサが、ダフリーさんに向かって、またも能天気に言う。
「ね、美味しいでしょ?
きっと、神様のお使いで、美味しいお菓子を作りに来たのよ」
ダフリーさんは、孫娘ラリーサに向かって言う。
「お菓子作りに、神が異世界から使いをねぇw
しかし、本当に美味しいねぇコレは」
シュンツが、ダフリーさんに向かって商人の顔で言う。
「近いうちに、この町で露天販売しようかと思ってるんです。
水飴が手に入りますからね。
他の甘味よりお手頃な価格で、出せると思っております」
シュンツめw
大学芋の売り込みかいww
まったく、シュンツに任せて置けば、
資金繰りの心配だけは、いらなそうだな。
ラリーサが、大学芋にパクつき、ちょっと困ったような口調で言う。
「でもね、おばぁちゃん。
私は、おじぃちゃんみたいな、頼れる前衛の人と結婚したいのよ?」
ダフリーさんも、大学芋をパクつきながら、少し笑って言った。
「シガラキ教、神の使いと縁が出来れば良いと思って、
お前にそうは言ったけど、アルファさん達に言っちまったのかい?w
なんだい、ラリーサはしょうがないねww」
ハーネさんも、大学芋を食べ、少し笑いながら言った。
「ラリーサちゃんは、可愛いわねぇ」
ダフリーさんが、俺に向かって言う。
「アルファさん、そう言う事だから、
良かったらラリーサを、貰って居ただけ無いかしらねぇ?
器量も良いし、腕も立つ方だと思うんだけど。
ホラ、ちょっと、こんな感じの子だけど、可愛いじゃないの?」
俺は、またも焦って言った。
「いやいや、ホラ、本人も頼れる前衛が良いって言ってますし。
結婚は、置いておいて、アレっす。
あの、PTメンバーに、なって貰えれば良いなと思ってるんす」
シュンツが、ダフリーさんに補足する。
「アルファさんは、特殊鑑定が出来まして、人の『才』が見抜けます。
ラリーサさんには、双剣の才があるそうでして、
しかも、アルファさんがリーダーをするなら、6人PTが組めるんです。
アルファさん、聖女リリー、後は『才』を持つ4人でPTをと言う事です」
ハーネさんも、後押しをする。
「ええ、ダンザ、ハチム、マメダちゃんも『才』を持ってるそうで、
4人目の『才』持ちのラリーサちゃんは、
神の引き合わせでは無いか?と言う事なんですの」
ダフリーさんは、嬉しそうに言った。
「おや、ラリーサは、神の使いに認められる程の才能があったのかい?
筋が良いとは思ってたけど、そうかい、双剣の才ってのがあったんだねぇ。
アルファさん、聖女のPTに入れて貰えるなんて、有難いよ。
ラリーサ、神の使いのPTに入れて貰いなさいな、いい話よ?
結婚の事は、おいおいでいいからねw?」
ラリーサは、結婚の話が無くなり、聖女のPTに入る事を喜んだ。
「おばぁちゃんホント?
じゃ、リリーちゃん達とPT組んでいいのね?」
俺は、ダフリーさん、ラリーサに向かって言った。
「とりあえず、今はリリーのレベル上げをしてるっす。
リリーが、次の神職を生み出せる様になるまで、コレが目標っす。
出来るだけ安全に、ゆっくりやるつもりっす」
ダフリーさんが、俺に向かって言った。
「そうなのかい?
Lv5でここに来たと言うのに、
随分と速くLvが上がってるようだけど・・・。
ああ、あれだね?スタングレネードだね」
スタンは、まだ一日しか使ってなかったんすけどねw
シュンツが、ニヤニヤしながら言う。
「それだけじゃ無いんですよ?
神の使いと聖女の戦い方は。
僕を連れて、10階ボスの先まで、無傷で行けるんですから」
ダフリーさんが、そこに食い付いて来た。
「ほほう、そうなのかい?
そういえば、シュンツ、アンタも急にLvが上がってるわね。
神の使いの戦い方のお陰かい?興味あるねぇ」
俺は、長くなりそうなので、ラリーサに向かって言った。
「まぁ、そこは帰ってからにしよう」
ラリーサは、大学芋を食べ、ニコニコとご機嫌に笑って居た。
聖女のPTに入った事より、大学芋が食べ放題な事が、嬉しいんじゃないか?
まったく、能天気な子だな、ラリーサはw
俺達とほぼ同じLvだから、10階ボス前後までは潜ってそうだし。
双剣の才があるんだから、戦闘に関しては、たぶん問題無いんだろう。
シュンツが、俺に目配せして言う。
「水飴の原料と、
サツマイモを買って帰らないといけませんねw」
ハーネさんも、頃合を見て言った。
「そうね、そろそろおいとましようかしら?
ドラカン達を外で待たせているし」
ダフリーさんが、俺に頭を下げ言った。
「アルファさん、ラリーサを宜しくお願いしますね。
まぁ結婚の事は、おいおいでw」
俺は、おでこを掻きながら答える。
「はは、結婚はあれっすけど、
PTメンバーとしてお預かりします」
俺と、ハーネさん、シュンツは、
ラリーサを正式なPTメンバーとして向かえ、冒険者ギルドを後にした。
さらっと、斜め読みでも、読んで貰って有り難いっす。
いいねやら、感想やら、ブックマークやら、レビューやら、
星5やらw頂きたいっす。
反応無いと、便所の落書きだものねw
3連休!
ちょいと時間が取れそうなので、出来れば書き溜めたい。




