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架空日本史  作者: 源氏石川左衛門尉久式
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4.遂に常備軍をつくる!

「そうだ、戦をしよう。」

「殿!!お待ち下さい。そんな急には決められませぬ!」


喜一郎が突然馬鹿げたことを言い出した。


「しかし、我が一宮家は備前守護であるのに備前の半分も支配しておらぬではないか。」

「しかし、そんなこと言われましても無理なものは無理です!兵力が少なすぎます!」


さて、現在の一宮家の兵力はかき集めて千いくかいかないか程度。しかし、一宮家に接している勢力も少なくとも千は超える。

同じ程度の勢力同士が戦っても結果的に得られるものはほとんどないのである。


「なにも正面きって戦うわけじゃないさ。それに我らには備前守護という大義名分があるじゃないか。」

「戦うといってもだいたいの周辺勢力とは同盟を結んでいますし、破るわけにも…」

「同盟などない勢力が一つだけあるじゃないか。」

「心当たりがありませんが…」

「林部一宮家」

「はああああ!!」


林部一宮家とは一宮家の分家で名目上は臣従している家である。しかし、その勢力は本家に並び度々本家の家督を巡って問題を起こしたことがある家である。


「無理ですよ!林部一宮家は!」

「無理なものか。家臣団の調略は終わっている。林部一宮家は五百も兵を集められまい。軍資金もあるぞ。」

「いつの間に!」

「ということで兵を集めよ。」

「はあ…分かりました…」


こうして集められた家臣達の前で喜一郎は自信満々に言った。


「我が一宮家に楯突く山犬どもを討ち滅ぼそうぞ!」

「「「おお!!」」」


戦というのはなんたかんだいってテンションが上がるのである。しかも自分達こそ正しいのだと思っていれば無理矢理連れてこられた百姓達でも士気は爆上がりする。結果、一宮軍は奮戦できた。


「かかれ!!」

「「うおー!」」


奇襲であり、裏切りなどが続出したことで林部一宮家の居城である林部城はあっけなく落ちた。親分がいなくなったのだから、その他の支城も無血開城する。終わってみればなんとも楽な戦だった。


「殿!!やりましたな!」

「ふん、当然の結果だ。」

「これで一宮家の勢力はかなり大きくなりましたな!」

「ふふん、これからさらに大きくなるぞ。国人達から臣従したいという使いが来た。」

「なんと!して、どれくらいの国人がきたのですか?」

「少なくとも備前の三分の一は押さえられるはずだ。」

「先代の悲願であった備前統一も近いですな!」


一宮家はかなりの勢力拡大に成功した。まず、林部一宮家を下したことでその勢力範囲をほぼほぼ手に入れ、さらに一宮家に恐れをなしたり前々からの誘いに乗ったりして臣従した国人が多くいたのだ。これによって最初は千にも満たなかった兵が今や三千近く動員できるようになっていた。


「よし、春日江」

「なんでしょう?」

「京に行って来い。」

「…はい?」

「だから京に行って来いと申しておるのだ。」

「なぜでしょうか?」

「朝廷から官位をもらってこい」

「ああ、なるほど。承りました。」

「ちゃんと祁答院家には伝えておる。金を積んでこい。」

「必ず成功させてきます!」


一宮家の勢力拡大に成功した喜一郎は官位を求めた。いつまでも喜一郎では少々格好が悪い。もちろん自称でも良いのだがせっかく四名家の分家であるので正式なものの方が良いだろうと思ったのである。

ちなみに、さっき金を積んでこいと春日江に言ったが児島湾の真珠の養殖が軌道に乗り一宮家の収入は一気に増加したため、かなりお金に余裕ができたのである。


「よし、常備軍を造ろう。」

「莫大な金がかかりますが…」

「お金には余裕があるから良いんだよ。」

「まず始めに農家の三男や浪人、孤児とかを集めよう。そして教育するんだ。」


こうして常備軍の整備が行われた。しかし、ここで問題が発覚する。喜一郎は同時に武士達に戦術を教えようとしたのだが、文字が読めない者が多いのである。そこで喜一郎はこう考えた。

「よし、この際学校つくろうか。」

そして、日本最古の学校一宮修学院が創設された。


そして常備軍をつくり鍛えて鍛えて五ヶ月後。

精強な一宮軍が出来上がったのである。

喜一郎は軍に階級制度を導入した。まず喜一郎直属の軍である鬼宮隊。次に鱗雲隊。最後に走盾隊。

鬼宮隊は精鋭中の精鋭であり、まさに一騎当千。鱗雲隊は精鋭。走盾隊は一般兵といった感じである。階級が上がるほど名誉が与えられるが、それ以上に実力が要る。この制度のおかげで一宮軍は常に高い士気を維持することができるようになる。

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