八角形のダイアモンドとリーケの旅
久しぶりに本棚のノートを漁っていたら、小学校4年生の5月ごろに書いた絵本の物語が出てきました。
ラストが衝撃ですが、普通に物語になってます。場面がコロコロ変わるのはご愛嬌。
おもしろいと思ったので、パソコンで書き起こしてみました。
(ひらがなばかりで読みにくいので、漢字に変換しています)
それでは、八角形のダイアモンドとリーケの旅、はじまりはじまり〜
ある日、郵便屋さんがリーケにお届けものを渡した。
紙袋を開けて出てきたのは、八角形のダイアモンドだった。
それは、おじいちゃんからだった。
「誰にも渡してはならない。見せてはならない。大事に取っておくのだ」
そう手紙には書いてあった。
そこへいきなり、ピンポンもせず、ノックもせず、
変なおじさんが目を光らせて入ってきた。
リーケはかろうじで、ダイアモンドを見られずにポケットに入れた。
「いきなり変な人がやって来るなんて、やっぱりダイアモンドを追っているんだ」
リーケは思った。
その男はリーケを家中追いかけ回した。
ああ、もうダメ。
と思ったその時、その男も立ち止まった。
しかし、今度は偉そうだった。
リーケにははっきりと見えなかったが、
なんと、その後ろにはたくさんの男たちが立っているようだった。
そして、その男たちに、二階の一番隅っこで下が庭の部屋の窓に
追い詰められてしまった。
風はヒューっと吹いていた。
「落ちたい」
「落ちたい。でも、でも・・・」
「石はどうすればいいのかな。届けなくちゃ、おじいちゃんに」
そして、窓からパッと手を離した。
勇気だった。
リーケは無事に地面に降りた。
それから旅の支度をするために一度、家に戻った。
リーケは急いで手元にあったものをリュックに詰めた。
パンとリンゴとグミと水筒、タオルにわんちゃん。
そしてまた外に出た。
男たちはどんどん近づいてきた。
ピストルを持っている。リーケは必死で逃げた。
目にいっぱい涙をためて。一番のスピードを上げて。
リーケは色々な路地を曲がって、わざと道に迷った。
その時、真っ黒で暗い壁のような『もの』が行く手をふさいだ。
でもリーケは構わず進んだ。
リーケはまず指先から(その黒いものに)入っていった。
そして歩いた。暗黒の中を。
突然リーケは何かにつまずいて転んだ。
ころころころって。
明るければ怖くない。つまずかなかったかもしれない。
でもこの世界では、次、また何が起こるかわからない。
と、気がついた時には砂漠の真ん中。
「何が起こったの?どうしてなの?」とリーケ。
それからリーケはきょろきょろ見回して、
追いかけられてきていないのを確認すると、ホッとした。
そしたらお腹が空いているのに気がついたので
食パンを出して食べた。
その間もリーケはなぜなのだろうと不思議に思って考えていた。
「でも、まだ、安全ではない」リーケは判断した。
犬の名はクロッキー。リーケの一番の友達。
「クロッキーこれからどうする?」
でも、クロッキーは「もっとなでて」とばかりに甘える。
でも、リーケにはそれが一番の返事だった。
その時向こうから黒い影が八つ、リーケに近づいて来た。
でも、今さら逃げてもきっと間に合わない。
リーケは落ち込んだ。諦めようと思った。
そして、荷物をまとめ終わった時・・・。
ドンーーー
地面が消えて、リーケとクロッキーは落ちた。
けれども、同時にダイアモンドもポケットから落ちてしまった。
「たいへんだ!」
でも平気だった。
体は宙に浮いていた。
ダイアモンドはキラキラ光りながら道案内をするようだった。
暗い中を飛んでいると、水盆のような玉(?)があった。
リーケはできれば帰りたかった。
でもその玉のところへ行くしかない。他にどこへ行けば良いのか。
それに、玉の中へ体が勝手に吸い込まれていくーーー
へその裏が引っ張られるーーー
お花畑が広がる世界に出た。奥にはお菓子の家があった。
すると知らない女の子が突然そこにいて話した。
「これは小さい子の見る世界です。きっとここなら安全です」
けれどもここは、愚かな子供たちの夢。
宝石箱、サッカー選手、車、飛行機、お城、火山。
リーケはどんどん下がるエレベーターに乗った。
「これも、夢で作られたものです。ちなみに私も夢の子です。お嬢さま」
「お嬢さま?」
「はい、もちろんですよ、お嬢さま」
一番下に着いた。洞窟の奥を見た。
いちごが20個、柿が20個、卵が二つ、食パンが二つ。
「これが食べ物です。これを1000人で1日で食べるのです」
リーケはびっくりした。たったこれだけ・・・。
次の部屋には、たくさんの同じ扉が並んでいた。
「ここでお嬢さまが、どうしたいのかよくわかるようになります」と夢の子は言った。
リーケはなんだか一つの扉が、どうしてもそれだけ、開けたくなった。
「わーい」
扉を開けたら、そこはずーっと続く道と草。
リーケはずーっと走り続けた。
するとあの男がまたやって来た。
あそこを出なければよかったとリーケは思った。
男はリーケにピストルを突きつけた。
でも、リーケは今度は勇気を持って、かかっていった。
「やるなら、やってみなさい!」
(ピストルで頭を撃たれる、女の子の絵)
これで、おしまいです。