表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

企画参加作品(ホラー抜き)

森の月夜

作者: keikato

 月夜のこと。

 猟師は山道でふと足をとめました。

――なにかに見られているような……。

 見上げると、空にはまんまるな月。

 猟をするのも忘れ、猟師はすっかり月に見とれてしまいました。


 そこに……。

 熊が通りかかりました。

 おそろしい猟師に気づきます。

 そっと通りすぎてから、おそるおそるふり返ってみました。

 猟師は空を見上げています。

――なにを見てるんだろう?

 見上げると、空にはまんまるな月。

 熊は猟師のことなど忘れ、すっかり月に見とれてしまいました。


 そこに……。

 狐が通りかかりました。

 おそろしい熊に気づきます。

 そっと通りすぎてから、おそるおそるふり返ってみました。

 熊は空を見上げています。

――なにを見てるんだろう?

 見上げると、空にはまんまるな月。

 狐は熊のことなど忘れ、すっかり月に見とれてしまいました。


 そこに……。

 兎が通りかかりました。

 おそろしい狐に気づきます。

 そっと通りすぎてから、おそるおそるふり返ってみました。

 狐は空を見上げています。

――なにを見てるんだろう?

 見上げると、空にはまんまるな月。

 兎は狐のことなど忘れ、すっかり月に見とれてしまいました。


 そこに……。

 山道を下り始めた猟師が通りかかりました。

 空を見上げている兎に気づきます。

――月を見てるんだな。

 猟師は兎をおどろかせないよう、そっと通りすぎました。

 月が地上を見ている夜のことでした。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 「月(と)のお話し企画」から拝読させていただきました。 月は全ての者に平等に光を投げかける。 優しくほっこりするお話をありがとうございました。
[良い点] 月は本来のことさえ忘れてしまう素敵な魔法を持っているのだなと感じました。 とても優しい世界で素敵な物語ですね。
[良い点] 『まんまるな月』が、きれいでした。 そう、読んでいて、私にも見えましたのです。 みんな見上げる空は同じで、みんなが今見とれる月もまた、同じ。 地上を見るまんまるなお月様が、みんなの心を繋い…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ