いちっ!――「俺の高校生活に問題が…(苦笑)」
俺を迎えんばかりの春の心地よい風が俺を心地よく吹いてくれる。
今日から新年度。
「今年こそモテてやるぜ!」
そんなことをほざきながら登校している俺の名前は「黒須 将直」。
通りすがりのモテ男予備軍(嘘)
特にこれといったものはないが、特技はギャルゲーをwikiを見なくても2日以内に全ルートを攻略すること。かな☆
「おひゃ…… おはよう将直」
今盛大に噛んだ彼女……失礼、彼は俺の幼馴染の「古名 恵」。
ぷるんとした程よい厚さの唇。透き通るような白い肌。整った顔。
これはまさに「八方美人」といっても過言ではないだろう。
「おはよう! 今日もかわいいな。俺の彼女になってくれ!」
「可愛くなんかないよ! し、しかも……」
彼にはその美貌にはそぐわないものがついている
「僕は男の子だよっ!」
そう、恵は男の娘なのだ。
神様はなんて間違いをしてしまったのだろうか。
それとも人間製造機の故障で間違えて性別が変わってしまったのだろうか。至急手直しをしてほしいものだ。
「ああ。おとこの娘って書いて男の娘の方だろ?」
「違うよ!! もう将直なんてしらないっ」
と、いつもこんな調子である。
いつも言われてけど「知らないっ」て言われるとちょっとだけ傷つくんだよな……
しかし今日はそんなことで傷ついている場合ではない。
「とりあえず学校にいくか。」
「今日は問題も山積みだしな。」
俺はため息を付くようにして苦笑いをする。
いつもどおり、の通学路。
いつもどおり新年度の校長の長い話を聞く。
いつもどおり、生徒会やら委員会やらの話を聞く。
そこまでは『いつもどおり』だった。
今年は、一ついつもどおりでないことが今年はある。この才林高校では主席でこの学校に入学してきた生徒にスピーチをさせるという文化がある。そして現在主席で入学してスピーチを話している生徒は
――――俺の妹だ。
名前は「黒須 言美」。
「成績優秀」「眉目秀麗」「文武両道」。
ここまではアニメやラノベにできそうなレベルによくできた女の子と思うだろう。
しかし、人生というものはそうはうまくは行かないようになっているようだ。幼馴染をみても分かる通りにね。
コミュ症であり、この歳になっても俺の背中の後ろに隠れキョドキョドしているような妹だ。
そして更に問題なのが俺にしか唯一心をひらいていないといこうとだ。親とは必要最低限の話しかしない。俺の幼馴染の恵ともほぼ話をしない。友達はもちろんゼロ。
自分でいうのもなんだが「俺の妹は俺のことを溺愛しすぎている」。