表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
7/10

「そういやゼロカ。お前の点数てなんぼや?」


「え?」


 突然の質問に僕は戸惑う。


「え? やなくて点数や点数。昔はテスト受けてたんやろ? 何点とってたんや?」


「それが覚えてないんだよ、残念ながら。だからサーシャと戦うのは僕じゃない。神太だ」


「それならその神太の点数はなんぼなんや? 称号も気になるしな」


「えーっと……」


「俺か?俺は満点だ。満点。パーフェクト。1000点のオールラウンダーだよ」


「「「!?!?!?」」」


「まぁそうゆう事。だから大丈夫。そう簡単には負けないよ」


「負けないよて、お前今……」


「お兄ちゃん……かわった?」


「まぁね。今のが神太。僕の中にいる僕じゃない僕」


「……そない自由に入れかわれるんか?」


「うん。結構簡単にできるかな。今は二人同時の状態だから」


「「「二人同時!?!?!?」」」


「そないきような事が」


「ちょっと! きいてないわよ!」


 ユーキの言葉を途中で遮りサキが怒鳴る。


「言ってなかったっけ? たまに一緒だったよ?」


「きいてないわよ!」


「言ったけどなぁ……? まぁいいや」


「良くない! それなら兄さんを出して! 今すぐ!」


 そう言って掴みかかってきたサキを


「まぁ落ち着け。可愛い顔が台無しだぞ?」


 俺がなだめる。


「さて、なるべく出てこない事にしてるんだが……。ソノミを泣かせたくはないのでな」


(確かにね。)


「という訳で俺が神太だ。ソノミの五才上の兄だよ」


「兄さん!」


 俺が自己紹介をおえた瞬間ソノミが俺に抱きついてきた。


「兄さん……兄さん兄さん兄さん!」


「よしよし。泣くなよ。さっきも言っただろ? 可愛い顔が台無しだぞ?」


「でも! でもでもでも!」


「「・・・・・」」


 その様子をユーキとトオカがかたまって見ている。


「ほら、ユーキとトカに見られてるぞ? カッコいい女になるんじゃなかったのか?」


「っぐすんっぐすん。うぐっ。……わかった。頑張る」


「よしっ。それでこそ俺の嫁になる女だ」


「う」


「嫁っ!」


「お嫁……さん!?!?!?」


 今度はユーキとトカがサキの言葉を遮った。


「嫁てあんた、兄妹なんやろうが!」


「だめ・・・良くない」


「そこはほら、僕だから大丈夫なん」


「ソノミは俺が兄だった時から俺の嫁だぞ?」


「神太少し黙ってて! 僕が説明する」


 僕はあわてて神太のかわりに出てくる。


「そこらへんはサキの家庭の事情ってやつだから、ここまでにしてくれない」


「いいわ。私が話す」


「ちょ、サキ。何で?」


「こうなった以上隠しても仕方ないわ。私と兄は兄妹だけど兄妹じゃないの。戸籍が別なのよ」


「家族なんやろ? 何故にそないな事を?」


「私は元々兄の子供を産むためにつくられたのよ。……だから戸籍は別なの。一応血は繋がってるらしいけどそれも本当かはわからないわ」


「じゃあ嫁っちゅうのは仕事かいな」


「それは違うわ。兄は私を本気で好きになってくれた。だから私も兄を好きになれた」


「「「………………」」」


「でもある日事件が起こったの。兄が事故にあったのよ。そしてそのせいで体が動かせなくなったの」


「そこで体が必要になったんだ。そしてその体に選ばれたのが、僕らしい」


「ちょうどその頃さっき言った称号の実験計画が企画されたの。そしてその実験の条件にザジと兄が当てはまったの」


「そこから先はさっき言ったよな?」


「僕は記憶を失って……」


「私は兄を失った」


「さて、じゃあ神太が考えたサーシャの攻略法をきいて貰おうか。意見をききたいしね」


「あぁ」


「えぇ」


「う……ん」


「ってちょお待て。お前ら別々に思考を持てるのかいな」


「そうだよ。まぁ疲れるけどね……」


「じゃあ俺から説明するぞー。よくきけよ? ………………」


「それなら」


「そりゃええわ」


「ナイス……アイデア」


 さて、準備は整った。


(待ってろよ。サーシャ。驚かせてやる)


 僕は3日後が楽しみになった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ