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これで終わりです
「ん……んぅ?」
「起きた!?」
「起きたか!?」
「お兄ちゃん!?」
「んぅ? ここは?」
僕が目を覚ますとそこは学校ではなかった。
「僕は……どうなったの?倒れた……の?」
「そうや。勝負が決まった直ぐ後にな」
「たお……れた」
「心配したんだから……。一週間も寝ていたのよ?」
「一週間……。そんなに寝ていたのか。僕は。」
倒れるだろうとは思っていたけど、そこまでとは……。
コンコンッ
「失礼しますわ」
誰かがノックし部屋に入ってきた。
「容態はどうですの……? あら、起きていましたの。」
「サーシャ!」
「来たわね。お邪魔虫」
「失礼ですわね。お見舞いに来たというのに」
「毎日ごくろうさんやな。幼なじみってだけでようやるわ」
「……邪魔」
「毎日? ってかみんな何で普通に話してるの!?!?!?」
「クラスメイトになるんやしな」
「生徒会……入る……言ってた」
「私達の学校。よりにもよってあなたのクラスに転校して来るのよ」
「………………ぇ?」
その言葉に僕は固まる。
「そうですの。私はクラス代表でもありますのよ? 皆さんに会って来るように言われましたの」
「えぇーーーーー」
・・・
・・
・
翌日
「えー。今日は転校生を紹介する。昨日挨拶に来たし有名人だから皆も知っているだろうが、サーシャ・H・京歌さんだ。仲良くするように」
わーーーっと教室が沸き立つ。
「ご紹介にあずかりましたサーシャ・ホステス・京歌ですわ。皆さま気軽にサーシャとお呼びください。どうぞよろしく」
サーシャが歓声の中、華麗に挨拶とお辞儀をする。
「よろしくね? ザジ」
その笑顔は僕の心に響いた。
(記憶は無いけど、心は覚えてるのかな?)
(そうかもしれないな。だがこれで面白くなりそうだ。)
(たしかにね。厄介事にならないことを祈るだけさ……。でも今は)
「これからよろしくね。サーシャ」
僕は笑顔でかえす。
(嬉しそうだな。俺。)
(うん。サーシャとまた過ごせるのが素直に嬉しいかな。)
「ザジ! 何でサーシャさんとそんな親しそうなんだよ!」
「そーだそーだ!」
そんなまわりの声をききながら、僕は素直に喜んでいた。




