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第5話

彰と輝は互いに顔を見合せ、ゴクリ…と唾を飲んだ。


そして、意を決して中へ入ると


「「すみませんでしたっ!!」」


2人しておでこを床に擦り付ける勢いで土下座した。


「えぇっ!?なにっ?どうしたのよ、2人とも」


「タオルの件なんですがっ、俺が輝にっ!」


「タオル…?タオルがどうしたのよ、」


「葵ちゃんのタオルの件で、輝を連れてくるよう言ったんだよね?!」


「葵のタオル…?なんの事?」


「え…?カナ、怒ってるんじゃないの…?」と様子を

伺う旦那の彰に対して「何で、怒るのよ」とカナは笑った。


「えっ~と…今日、輝を連れて来いって言ったのは…?」


「輝くん、葵と話したいって言ってたから」


「あっ…あぁ〜、そう言うことね!それで輝を呼んだわけね、ははっ…」


安堵してその場にへたり込む彰を見て、カナは「変なの」とつぶやく。


輝も内心ホッとしていた。


中へと通された輝はリビングを見渡した。


前に来た時とは、インテリアがすっかり変わっていて見慣れない空間になっていたからだ。


親友の家なのに、見慣れない家具のせいで緊張して、身体に自然と力が

入っていく。


「ここにどうぞ、お茶出すね。」

輝がダイニングテーブルの椅子に座るのをみてから、冷蔵庫から出した麦茶を3つのコップに注ぐと、輝、彰、自分の順にお茶を置いた。


カナと彰は、輝の対面席に横並びで座った。


3人は席に着くと、合わせたわけでもないのに同じタイミングで麦茶を1口飲んだ。


それから、少しの沈黙。


この沈黙の中、


彰は、『葵の事を、妻がどこまで話すのか?』『輝は葵の過去を知ってショックを受けないだろうか?』と心配していた。


カナは『葵の事を、輝にどう伝えようか?』と考えていた。


輝は『一体、自分は何のために今日、呼ばれたのだろうか?』と顔を少し

俯かせ考えながら、たまにチラチラと対面に座る2人の顔を交互に見ていた。


「あのっ」

「あのねっ」


輝とカナの声が被った。


「ごめん…カナさん先にどうぞ…」

「いやいや、輝くん、どうぞ、」


「大した事じゃないから…カナさん、先に、」


「そう?…それじゃぁ…」


カナは大きく1つ深呼吸をすると、葵について話し出した。


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