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コラム1


 コラムという名の言い分けを書かせて下さい。


 実は早川殿(はやかわどの)蔵春院殿(ぞうしゅんいんでん))の実名(じつみょう)の設定名『志寿(しず)』は私のオリジナルではありません。


 どこから拝借したかというと、秋山様の著書『氏真(うじざね)(じゃく)たり』(秋山香乃 静岡新聞社 2019年)からです。


 初めは違う設定名で書いていたのですが、どうしても『志寿(しず)』には敵わない。『志寿(しず)』を知っている身からすると、説得力が欠けるのです。


 『氏真(うじざね)(じゃく)たり』の中で描かれる早川殿(はやかわどの)が非常に魅力的だという事実がまず第一にあるのですが、それ以外にも理由があります。


 早川殿(はやかわどの)の父母は北条(ほうじょう)氏康(うじやす)瑞渓院(ずいけいいん)であり、瑞渓院(ずいけいいん)今川(いまがわ)氏親(うじちか)の娘です。


 早川殿(はやかわどの)の兄妹の中には、長男に北条(ほうじょう)氏親(うじちか)、三男に氏照(うじてる)がいます。氏親(うじちか)の名は瑞渓院(ずいけいいん)の父、今川(いまがわ)氏親(うじちか)から、氏照(うじてる)の名は瑞渓院(ずいけいいん)の兄、今川(いまがわ)氏輝(うじてる)から取られたと見られています。詳しくは『北条(ほうじょう)氏康(うじやす)の妻 瑞渓院(ずいけいいん)』(黒田基樹 平凡社 2017年)を参照願います。


 そうすると、四女の早川殿(はやかわどの)も嫡出の次女でありますから、何らかの今川(いまがわ)家由来の名を持っていても不思議ではありません。むしろ持っていない方がおかしいとさえ思えます。


 義元(よしもと)は庶出です。義元(よしもと)に裏切られた嫡出であった瑞渓院(ずいけいいん)の憤りは如何(いか)ほどであったでしょう。(みずか)らの方が義元(よしもと)よりも駿府(すんぷ)支配の正当性を持っていると声を追上げたい瑞渓院(ずいけいいん)の気持ちもわかります。その声が嫡子の名前に現れているのだと思います。


 駿府(すんぷ)支配を象徴するもの、そう考えると賎機山(しずはたやま)は外せないと思われます。浅間(せんげん)神社があり、伊勢(いせ)宗瑞(そうずい)の姉、北川殿(きたがわどの)の邸宅があったのも賎機山(しずはたやま)の麓です。賎機山(しずはたやま)城は詰の城とも言われます。


 賎機山(しずはたやま)から女子の名を取るならば、「しず」一択です。そして漢字を当てようと考えると、『志寿(しず)』以上に相応しい字はあり得ません。


 何度考えても『志寿(しず)』には敵いません。私の百戦百敗。恥を忍んで拝借しようと考えました。


 ぜひ、皆様も『氏真(うじざね)(じゃく)たり』を読んでいただきたい。『志寿(しず)』には勝てないと納得いただけると思います。また姉妹作の『義元(よしもと)(りょう)たり』(鈴木栄治 静岡新聞(やしろ) 2019年)もお勧めいたします。


 以上、コラムという名の言い分けでした。


 お読みいただき、ありがとうございます。


 夜雨雷鳴と申します。


 応援、感想など頂けたら嬉しいです。画面の前で滝のような涙を流して喜びます。もしかしたら、椅子の上でクルクル舞い踊るかもしれません。


 誤字脱字もあったら教えてください。読み返すたびに必ず見つかるんですよね。どこに隠れているんでしょう?


 では、次のエピソードにて、お待ちしております。

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