愛しい家族
「他人と違うこと。それをみな求めるのに、否定する。なんとも矛盾です。それを変わった子として受け止め、認めてくださった。そんな家にあの子はしてくれたことに、親としてとても嬉しいです。だから、幸せを願っています。生まれてくる子供が変わった子であろうとなかろうと。どこにいこうとも。血はつながっています。不定期に変わった子がいますが、それもまたあの子の血かなと思っています」
とても嬉しそうに。
とても穏やかに。
「変わった子が生まれる可能性のある家です。それを隠す子もいましたが、当主はお話しされたとか」
「ええ。可能性が全くないわけでないのなら。私たちの子がそうなら、受け入れてくれるものがいいと考えたので」
妻には伝えた。
婚約の確定の前に。
「勇気ある決断ですね」
「妻の事を信じていましたので。受け入れてくれる方だと」
「主のいうように、その決断をしてくださったこと。受け入れた奥様のこと。心からの感謝と敬意を」
深く頭を下げられた。
「だからこそ」
ふわりと笑って。
「子どもが傷つくことがあってはいけないと思います」
笑っている。
が。
殺気がある。
「おかしいでしょ? 頼るなと。こちらに来るなと言っているのに、守りたくてしかたないです。あの子が繋げてきたものですから」
自身の子どもを想っている。
もうすでに、この世にはいない初代当主のことを。
「それで? スフェーンはどのように理解しているのですか?」
「文字におこしてまとめられています。このお屋敷にあるように、後世に残すために」
「屋敷のものは全部呼んでいますからね」
「弟君のことを心配されていましたね」
「ああそうだね。この家のためにできることは成し遂げたいと」
「スフェーンは姉ですが、母の面も持っていますからね。ダイオは母を覚えていませんから」
「とてもよく似ていますよね。本を読む横顔など瓜二つ」
「妻の事はいつから見ていたのですか?」
「婚約のお話がでる前からですかね」
呆れた顔で、振り返り。
「驚いたよ。伴侶になるかどうかも分からないのに、彼女になってほしいと祈っている姿を見たときは」
……そんなことがあったとは。
「一目姿を見たときから、ずっと考えていました。奥様が奥様であれば、安泰だと。この家を受け入れてくださると」
私の伴侶のことも気にしてくださっていた。
「だからとても悲しかったです。お嬢様の婚約のお話も気が気でなくて。……あのような形になりましたが、なにもなくて本当によかったです」
「これがこんなにも心乱すものだから、私もとてと気になって。本来ならしない接触をしてしまいました」
知らぬ顔もできた。
それをされなかった。
わざわざ言わなくてもよかったことを。
こちらの真意はどうなのか。
「二度目の接触も、あの子に話したことも。どのような判断なのでしょうか?」
「いっそ、そばに置こうかとおもって」
さらっとおっしゃった。
カップを口に運ぶ姿にためらいも戸惑いもなく。流れる動き。
「ちゃんとお話をして。これが心惹かれる理由を知りました。彼女をそばに置きたいと。守り慈しみたいと」
フワッと笑って。
「もしよければ、私の妻に」
「え?」




