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恋愛墜堕論

作者: 勿忘草

片方の行き過ぎた愛情はやがて憎しみになりますが

お互いの行き過ぎた愛情はやがて何になるのでしょう?

『依存』とゆう言葉では生ぬるいほどのもの、『死』すらも愛情と感じてしまうようになれば、人はどうなってしまうのでしょうね。

皆さん揃って「恋に落ちる」なんて仰りますけど、本当は「恋に堕ちる」なんです

あ、これは宗教勧誘でもなにかの論文でもありませんのでご安心ください。

これは…そうですね、強いて言うのならば『遺書』とゆうものに含まれると思います。

え?私が自殺するように見えない?

心外ですね、いえ、喜ぶべきところなのでしょうか。

私がなぜ、自ら命を絶とうとしているのか気になりますか?

気になるのでしたらどうぞ、この先を読んでください。私がどうゆう立場にいて、なぜ、どうやって自殺するのか全てを書き綴るつもりですので。

まずは自己紹介でしょうか…何せ遺書なんて初めて書きますので、何から始めればいいのやら…

まぁ、皆さん遺書を書く体験なんて最初で最後なのですから、何を書いても変わりませんね(笑)

あなた、そこは笑うところだと思うのですが…

いえ、私のジョークが面白くなかったと言うことですね。

えぇ、そう取りましょう。

おっと、話が逸れてしまいましたね。名前は御手洗 桜子と申します。

御手洗とゆうのは『ミタライ』と読みますのでご注意ください。決して『オテアライ』ではございませんので

好きな食べ物は、そうですね…オムライスでしょうか。

え、意外ですか?赤いチキンライスが黄色の薄焼き卵に包まれる様に神秘を感じるのです。

まぁ、オムライスの話はこのくらいにしましょう。


自殺しようとしている理由が気になるのですか?

そうですね、『後追い自殺』とでも言っておきましょうか。

私ごとにはなりますがお付き合いをしていた人がいたのです。

これも意外だと思われますか?あなたの目には一体、私がどのように映っているのでしょうか…いつかお聞かせ願いたいですね。

そう…いたんですよお付き合いをしていた…俗に言う『彼氏』とゆう存在が。

優一くんは名前の通りの優しい人でした。

透き通るほど白い肌をしていました。

少し気が弱くて、体も弱くて、

オムライスが好きな人でした。

私がオムライスが好きなのも彼の影響でした。

彼に想いを伝えられて私達はお付き合いを始めました。

彼は私のことを熱心に愛してくれましたし、私も彼の気持ちに応えるように、彼を愛していました。

お付き合いとゆうのは、婚約の前段階と言いますよね。

私も、彼に薬指に指輪をはめてもらうことを…少し夢見ていた時期もありました。

でもその夢はもう叶いません。

そう、叶わないんです。彼はもう…この世に居ませんので。

何故?とゆう顔をしていらっしゃいますね。当然です。

彼は自ら命を絶ったのです。でも私が殺したのです。

言い方がおかしいですね、私が殺したも同然なのです。

私は風紀委員の委員長をしていました…

話がそれている?少し黙って聞いていてください。

風紀委員として、学校の風紀を乱す人達を更生させてきました、そして沢山の人に恨まれていました。

と言いましても、風紀を乱す人を注意し、耳を貸していただけなかったので停学処分、あるいは退学処分にしただけなのですが…「やりすぎだ」とゆう声を度々いただいておりました。

でも、私が思うに『悪に支配されてしまってからではもう、遅いのですよ』

そして、恨みの矛先は優一君に向けられました。

当時、私と優一君は交際を初めて3ヶ月程でした。

お互いが許せる距離がわかってきて、そして…口付けを交わしました。

初めての口付けはそれはもう素敵なものでした。

柔らかく、優しく、ほんのり温かいその感触に世のカップルがあんなにも口付けをしたがる理由が少しわかったようなきがしました。

本当に言葉では言い表せないほど素敵な…幸せな時間でした。

でも、その瞬間を見られてしまったのです。

たまたま私が停学処分を下した生徒が私と彼が口付けを交わしているのを見てしまい、写真を撮ったそうです。

紛れもない、不純異性交遊の瞬間でした。

他者にあれほど厳しくしていたにも関わらず、このようなことをしてしまった私は自主退学するつもりでした。

ですがその男子生徒が持ち出した提案が

「自分の停学処分期間を短縮すればこの写真は消すし、口外しない」とゆうものでした

私は迷いました。

この提案を呑めば、私も彼も今まで通りです。

ですが、呑んでしまえば…1人を許してしまえば、私は…風紀委員として、委員長として居られなくなる。

私は…

私は風紀と秩序を取りました。但し、校長先生にこの事は報告し、謝罪することにしました。

この旨を彼に伝えると、快く頷いてくれました。

校長先生は「確かにそのような接触はあまり良しとはしていないが、校則違反ではない」とご容赦くださいました。

ですが、この判断が全ての元凶になりました。

えぇ、私が彼と口付けをしてしまったことが…もっと前、彼の告白に頷いてしまったことが…本当の元凶なのかもしれませんが…

今更悔いても、もう手遅れなのですが。

なにしろ、その判断のせいで例の男子生徒が私たちの関係を言いふらし、優一君をいじめだしたのですから。

そして優一君は、それを、私に一言も相談せず、自殺したのですから。

そんなことがあっても冷静そうに見える…?

そうですね、今とても頭が冴えています。

最初の頃は学校に行くことすら辛かった…胸が張り裂けるより辛い思いでした。

教師は優一君の自殺の原因を公にしようとはせず、優一君をいじめていた人達も停学処分で済んでいます。

私の、大切な人が亡くなっているのに、あまりにいつも通りな教室に、クラスメイトに、教師に、学校に、吐き気がしましたよ。

ですが、取り乱してしまえば優一君をいじめていた人達の思うつぼですので、必死に冷静を装っているのです。

そうですね。こんなことも、今日で全て終わりです。

この学校に入学して2年と半年、委員会を引退した今。

この学校の風紀を守る仕事を辞めた今。

私はなりより大きなしがらみから解放されたのですよ、正直もう、疲れてしまいました。

なにせ、彼が居なくなった半年は、地獄のような日々でしたので…

隣で笑いかけて、触れてくれる人が居ないだけで、これほどまでに苦痛を感じるのは驚きでした。

なので私はもう、『彼との約束』を果たしに行こうと思います。

えぇ、教えて差し上げましょう。

彼が亡くなった後、彼のお母様から私宛の手紙を受け取ったのです。

その手紙の最後の1文に

『天国で会おう』と、書き綴ってあったのですよ。

沢山の方に恨まれている私が天国に行ける保証はありませんし、天国とゆう場所自体、あるとも限りません。

それでも私は、優一君を信じています。

行くのですよ、天国に。優一君に会うために。

そのために、寿命を迎えることが必要なのです。

私が命を絶てば、沢山の方にご迷惑をおかけすることになるでしょうが、私は止める気はありません。

だからこんな風に遺書を書いているのです。

でも、あなたと話しているので、これは遺言になるのでしょうか…?

まぁ、どちらでもいいでしょう。

ふふ、初対面ですが、どうもあなたに対しては口が軽くなってしまうようです。

せっかくですから、最後まで話を聞いてくれませんか?

もう少しで終わりますから。

彼は、この歩道橋から飛び降りたんです。

だから私も、ここから飛び降りるつもりです。

ここからなら、優一君と同じところに行ける気がするから


最後まで聞いてくれたお礼に、あなたにひとつ、教訓を教えて差しあげます。

恋は、人を奈落の底まで落とすんですよ。

真実の愛などと言っていますが、あれは楔も同然です。

堕ちたら最期、いくらもがき苦しんでも、這い上がることはできないんです。


あなたは、気をつけてくださいね。

私のように、堕ちないでくださいね。


それでは、また、『天国でお会いしましょう』


最後まで呼んでくださりありがとうございますm(*_ _)m

今回の作品は多分今までで1番長く、内容の濃いものだったと思います。


皆さんはこの身を捧げても良いと思うほど愛しい人はいますか?

その人を大切にすればするほど、離れ難くなっていく。

私もいつか、そんな人が、そんな恋ができたら良いなと思っています笑

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