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超獣戯画Ⅰ  作者: m-u-t-o-i


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第八章 第五十二話 真実

クレアがとらわれた次の日の朝、リコにレンドは呼び出された。

「今日はどうするの?」

「今日はタフな一日になる。まずはピントの所に行くぞ」

リコは少し驚いた。

「どこにいるか知っているの?」

「どこにどうされているかまでな。あいつの状態は常に把握はしていたが、グラントの所に置いておいた方が結果色々と都合がよかったんだ」

そういうとレンドはリコを連れてブレストの家に向かった。

ブレストの家ではピントは相変わらず捕まったままで、ブレストの残した医療記録の続きを読み漁っていた。

謎の色がついていない医療記録については、おそらくこの患者は死んではいないのではないかという結論をつけていた。

なぜなら、死んだ場合には医療記録の中身にも死亡というのがきちんと書かれていることが分かったからである。

そうしていると、何やら一階から大声が聞こえた。

「てめえ、何しにきやがった」

声の主はレイルだった。レンドとリコがブレストの家に着いたのだ。

レンドは入っていいかと尋ね、出てきたレイルが怒り出したというところだった。

「ここに子供を一人捕らえているだろ」

レイルは少し驚くが知らんふりをする。

「何の話だ」

レンドは続ける。

「そいつに聞きたいことがあるんだ。それにお前のところの大将にもな。中にいるんだろ?」

そういってレンドは中に入ろうとする。

レイルが起こって止めようとするが、レンドはその手を払いのけた。

突き飛ばされた格好になったレイルは逆上して、刀に手をかけたが、その時に後ろからグラントの怒号が飛んだ。

「やめねえか」

グラントは傷の状態がだいぶ良くなっており、もうゆっくりとだが自分で立てるようになっていた。グラントは扉から出てくるとレイルとレンド達の間に立つ。

「何しにきやがった」

グラントはレンドを睨みつける。

「策を持ってきた。あの獣を倒すためのな」

これにはグラントも驚いた。レンドはてっきり、単独で獣を狩りに行くものだとばかり思っていたからである。

「策だと?」

「ああ、今回はおそらく俺一人では倒しきれない…お前たちの力が必要になる。だがその前にピントに会わせてもらおうか」

グラントはなぜここまでピントがいると断言できるのか不思議に思い、一応否定してみた。

「そんな奴、うちにはいない。」

レンドは苦笑する。

「残念だが俺にその手の嘘は通用しない、地下室だろう?許可が出ないなら、無理やりにでも行くが?」

グラントは見透かされすぎて、気味が悪い思いをした。

だがどちらにしても、グランド自身もピントからはもう情報を手に入れられない状況で、持て余している部分もあった。

おそらく状況を打破できそうなのがレンドだけなのもグラントは何となくわかっていたのでレイルに合図すると、レンドとリコを地下室のピントの所まで連れて行った。

「久しぶりだな。」

ピントはレンドの登場に驚いていた。レンドは続ける。

「策は上手く行ったようじゃないか。だがおそらくこれ以上はないだろう」

言われてピントは目をそらす。

「今の反応で十分だ」

というとレンドはピントに質問を始めた。

「お前の妹が生贄になった日、お前の飼い犬は拡大型になった…違うか?」

これにグラントとレイルは驚いた。二人ともあの獣は伝承型だと思っていたからだ。

ピントは少し不意を突かれた表情をしたがすぐ顔をそらした。

レンドは満足そうな表情を浮かべる。

「そして、その後、お前とその獣は製作者に会った…そうだな?」

ピントはかなり驚いていた。

製作者に会っていたことは以前にレンドにはバレていたが、その具体的なタイミング

までも当てられるとは思っていなかった。

「な…どうして…」

「正確な順序は正直、俺も定かではないが、おそらくその時にお前は雷神にも会ったはずだ」

聞き慣れない言葉にグラントが反応する。

「なんだ雷神って?」

ピントはもはや唖然としてレンドを見つめていた。

「どうしてそれを…」

レンドはほぼ確信に至ったようで続ける。

「当然の疑問だな。お前らも知っておく必要がある」

そういうとレンドはグラント達にも聞くように促した。

「結論から言おう。あの獣は2体の獣が合体している。おそらく黒の拡大型と白の伝承型がな」


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