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超獣戯画Ⅰ  作者: m-u-t-o-i


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第三十七話 イパルの伝承

中からオレガノが出てきた。

「何か用かしら」

オレガノは見知らぬ尋ね人に少し驚いていた

「イパルの街の伝承について聞きたい」

レンドは単刀直入に問いかける。

「伝承というと…」

オレガノは考え込む。

「雷についての伝承があるとクレアに聞いた。あなたがそれに詳しいともね」

「そうクレアに…。入って頂戴」

そういうと、オレガノは二人を部屋の中に招き入れた。

二人は客間にとおされ、オレガノはゆっくりと三人分の茶を入れる。

彼女は二人に紅茶をだして、一息ついたところで話し始めた。

「イパルの街になぜ雷の神の信仰があったのか、正確な歴史を私も知っているわけではないけど、大筋はカリヤの国の信仰のやり方に由来しているといわれているわ」

レンドは納得したようにうなずく。

「カリヤの国…というと龍の信仰ですね」

「ええ、詳しいのね。カリヤの国に根付く一番の信仰は神を龍ととらえる信仰だった。カリヤの国の多くは自然と土地に恵まれた場所だったけど、山の近くだった分。

天候がとても変わりやすくてね…そこから生まれたのが龍の信仰といわれているわ。

多くの気象現象…雲や雨や雹そして雷とかね…。それらの天候の全てに一匹ずつそれらをつかさどる神…龍がいると信じられていた」

レンドはリコをみる。

リコは彼女の言っていることは間違っていないという目でうなずく。

「私達がいたイパルは雷の神の信仰があってね。雷は大きな被害を私達にもたらすことも多いからみんな一生懸命に神に祈っていたわ」

「ではその神は龍の姿を?」

レンドは神の姿を知ることに重きを置いていることにリコは気が付いていた。

「ええ、ただカリヤの国の龍の信仰は少し特殊でね。みな龍の姿と人の姿を持つとされているの」

「やはり…」

リコは少しこの言葉が気になった。

レンドが初めからその答えを予測していたように聞こえたからだ。

オレガノの雷の神の説明が終わった後、レンドは祠について尋ねた。

「この街には雷神の祠があるそうですね」

「ええ、移住者はみんな最初はよりどころが必要ってことで無理をいっておかせてもらっているの」

そしてオレガノはこのタイミングでピントにも聞かせた雷の話をレンド達にもした。

その話が終わった後、レンドは考え込みながらこう言った。

「興味深いです。それはいつ頃の話ですか」

「ちょうど3年は前になるかしらね」

レンドはメモを取り出して尋ねる。

「となるとあの獣が森に現れるよりは前だと?」

オレガノはうなずく。

「ええ、あの獣が現れたのはこの1年ほどの事ですからね」

「なるほど、この話を他の誰かにされましたか?」

「移住者の何人かにだけ…話したわ」

「話した人の名前をすべていただいてもいいですか?覚えている限りでかまわないので」

オレガノが記憶をたどって名前を教える。

レンドはそれをすべて書き取ると礼を言ってオレガノの家を後にした。

「ねえ、さっきの」

リコは家を出た所でレンドに話しかける。

「ああ、最後の名前だろう」

オレガノの出した名前の最後には当然ピントがいた。

「だいぶ情報は集まってきたが…まだ完全じゃない」

レンドはそういうとリコを連れて森へと向かった


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