6,親の第一手
ここからは、実際の初動について見ていきます。
まずは自分が親になった時、どうするのがいいのでしょうか。それを考えていきます。
まずは基本的に、一番数が多い駒から打っていくのがベターです。二枚ある駒より三枚ある駒、三枚ある駒より四枚ある駒を優先します。ただし先ほども言ったように、情報の価値が薄いシはその選択肢から除きます。
もし同じ枚数の駒が二つあった場合は、好きな方を選んでも構いません。ただ香があるのなら香を最初に出すことをおすすめします。
もし香を打てば、相方は香が複数枚持っているだろうと思ってくれます。さらに相方の手持ちにも香があれば、最低でも二人で三枚――もしかしたら香はかかっているかもと思ってくれます。
角か飛を二枚とも持っていれば、王の居場所を炙り出すチャンスです。
一打目、二打目と連打すると、敵として止めなければ上がり寸前の危険な状況に陥ります。そのため、敵は高確率で王を切ってきます。そうすれば、こちらにとって厄介な駒を捨てさせたことになりますし、自分の手持ちに王があれば、次に攻める時にその王で攻めれば確実に上がることができます。
ときには選ぶのが難しい場合もあります。例えば八丁や、シ以外に同じ物がないときなど。何から伏せようか、何から攻めようかと困るときです。そんなときは、“何を出すか”ではなく、“何を伝えるか”から考えると上手くいきます。つまり、自分の手持ちがバラバラであることを相方に伝えることが大事です。
角や飛――二枚駒を出しましょう。これだけで相方にバラバラであることを伝えることができます。それらもない場合は、仕方なく四枚駒を打つか、場合によってはし攻めも考えましょう。
ここまでは攻め駒について述べてきましたが、親の第一手では最初に駒を伏せることになります。順序が逆になりましたが、なにを伏せましょうか。
基本的にはシを伏せるのが正解です。シは攻め駒で使いづらい反面、価値が小さい分伏せる駒として適しています。
では、シがなかったらどうしましょう。
そのときは四枚駒のいずれかを伏せることになります。ただし、香を選択するのは一旦端に置いておきます。多くの場合は馬を選択することになります。馬はシが伏せられない場合に代用として用いられることが多々あります。
もし四枚駒のなにかが全てあった場合、香であってもその中の一枚を伏せるべきです。攻めは三回までしか行えないため一枚余る上、その一枚も受けとしても利用できないので違う駒を伏せるよりも、余った駒を伏せて受けの選択肢を増やしておくべきだからです。
最初にシを打つ状況――し攻めの方法ですが、これだけでも一つの項目ができるほどの量になりそうなので、別の項目で説明します。