4,駒で“会話”するゲーム
もう一度繰り返しますが、ごいたは2対2のペア戦です。
ここでまた強調したのは、それがごいたにおける一番大事なポイントであり、初心者が一番失念するポイントだからです。
ごいたにまだ慣れていないプレイヤーだと、味方の攻め駒を迷い迷い受けてしまうことが多く見られます。
上達してくると、味方の駒を受けた方が良い――もしくは受けなければならない場面があることが分かってくるのですが、まだ経験の浅い人はそうじゃない場合でも受けてしまいがちです。
また、味方の欲しい駒を持っているのに、自分の上がりが低くなるなどの理由で出さないということも多くあります。
初心者の打ち方でよくあるこの二つに共通しているのは、どちらも独り善がりな打ち方になりがちだということです。
三度言いますが、ごいたはペア戦です。自分と相方、協力して勝ちを目指すのがごいた最大の目的です。
極端ですが、たとえ自分が全く上がれなかったとしても、味方が150点以上を獲得すれば自分も勝ちになります。
では、協力とは具体的に何をすればいいのか。それは相方に自分が持っている情報を教えることです。
自分がたくさん持っている駒を相方に教えること。相方が出した駒が自分も持っていることを教えること。
もし前者ができれば、相方も方針が立てやすくなり、もし後者ができれば、相方が攻めやすくなります。
もちろん情報は自分から相方への一方通行ではなく、相方から自分へ送られることもあります。こういうやり取りをしていると、自分と相方二人だけで持ち合っている駒が分かってきます。こういう駒のことをかかりと言いますが、それは敵にとって王でしか受けることができない駒になり、それすらできない香なら王以上の強さを持つ駒になります。
しかし何もわからない状態だと、そんな駒が最強なのか見せかけなのか分かりません。そのために情報を教えあうのです。
それでは自分がたくさん持っている駒をどう相方に教えればいいのでしょうか。もちろん、大っぴらに持ち駒を見せる行為はルール違反です。
答えは非常にシンプルです。最初の攻めにその駒を出せばいいだけです。
逆に相方が出した駒が自分も持っていると教えるにはどうすればいいのでしょう。こちらもシンプルに、攻め駒を出す時にそれを出せばいいだけです。
よく保存会のベテランが「ごいたは竹駒で“会話”するゲーム」だと言います。
実際にごいたが上手い人は相手の意図を汲み取った打ち方をしています。
まずは独りよがりの打ち方を改善できれば、まずは初心者脱出となるはずです。