ラビスのトラウマ
第二十八話 ナニルとラビス
「姉ちゃんと?」
俺とリストはここに残った本当の目的を果たすため、俺はラビスと、リストはナニルと二人きりになった。俺とラビスは同じ弟という立場なのでこの組み合わせになった。その目的とは、ナニルとラビスを仲の良い姉弟にするためである。
「嫌だね!俺は絶対姉ちゃんと仲良くしない!」
「どうして?」
「どうしてって……」
ラビスは下を向いて呟いた。何かありそうだ。
「お、お前には知ったこっちゃないだろ!?」
俺を睨み付けるは紫の瞳。その瞳には大粒の涙が光っていた。
「俺は……優しい姉ちゃんが好きだから……」
「何があったか教えてくれるか?」
ラビスは静かに首を縦に振った。
「昔、ある患者を診ててさ……」
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「あなたは誰ですか!?」
「その寝てる奴の知り合いだ」
「ではなぜ武器を持っているのですか!?ここは病院です、片付けてください!」
「じゃあ仕事を片付けてから、な!」
俺は怖かったので階段の陰に隠れ、姉ちゃんと来客の掛け合いを見ていた。すると突然『パァン!』という大きな音が聞こえた。思わず閉じていた目を開けると、そこは呆然と立ち尽くす姉ちゃんと、銃を持った男と、血まみれの患者がいた。
「う、うわああああああっ!!」
俺は何があったのかが理解できず、頭を抱えて叫んでしまった。
当然、男は俺の存在に気付き、こちらへ向かってきた。
「ボクは何をしているのかな?そんなことをしたら誰かが来るじゃないか!」
俺はどんどん口調が荒くなっていく男の足元を何もできずに見つめるだけだった。
その時、男の足は俺の視界から消えた。ドスッ!と鈍い音と共に。
「おいおい、姉ちゃん。オレを誰だと思ってる?今度こんなことをしてみろ。……お前もこいつも殺してやろうか!」
男は吹き飛ばされた先の玄関横でのそりと起き上がった。
「……アンタに次はねぇんだよ!!」
一瞬の出来事だった。
姉ちゃんの目は赤く光り、目にも止まらぬスピードで男を殴りつけた。その後、男はピクリとも動くことはなかった。
「姉ちゃん……?」
「……ラビス。今日の事は忘れな」
できるだけ優しく接しようとした姉ちゃんは目を隠している髪の向きが違っていた。そして俺は初めて知った。姉ちゃんの目がオッドアイだということに。
「……うん」
「いい子だ。……遺体を埋めてきなさい」
姉ちゃんが笑ったときには口調が戻ったと同時に姉ちゃんの目は緑に戻っていた。
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「……ってことがあったんだ」
「そっか……」
「いつか俺も姉ちゃんに殺されちゃうんだ!だから俺が姉ちゃんを……」
パシン!
俺の頬に鋭い痛みが走った。おそるおそる前を見てみると、ヘラが俺を本気で叩いたようだった。意味がわからなかった。
「そんなんだからダメなんだ!」
「ひっ!?」
「弟を大事にしない姉なんていない!俺だってそうだ、姉ちゃんがいる!きっとナニルさんだってお前を殺そうだなんて思っていない!!」
「ヘラ……」
俺は頬を叩かれた痛みかヘラの説得なのかわからないが、力が抜けてその場にへたり込み、泣いてしまった。
「姉ちゃんはほんとに……俺を……殺さないのか?」
「あぁ、絶対に、だ」
「……わかった。話してみる」
「……がんばれよ」
俺とヘラは握手をした。
俺は姉ちゃんと話し合い、姉ちゃんのあの力を抑えてみせる!
どうも、グラニュー糖*です!
ここまで毎回と言っていいほど後書きやってますねw
もう何度目かわからないですが、これはリメイクなのでポンポン出しています。
文章増やしたりもしてます。
そしてpixivからのコピペ(読むとこより編集ページからやった方が楽という謎)が切れましたので、また何個かやるという作業の始まり始まり……!!!
では、また!




