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怪奇討伐部Ⅱ  作者: グラニュー糖*
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人ではないナニカ

第十六話 日記



「人が気持ちよく寝てるときによく襲いかかろうと思ったな」


スクーレとレインが出掛けたあと、俺は襲撃に遭った。ここには人間はいないはず。どうしてこんなところにいるのだろうか。答えはすぐにわかった。


「雇い主が短気なんでね。ね、サメラ」

「そうだな、ヤーマイロ」


そういえばサメラと呼ばれた男はさっきから「そうだな、ヤーマイロ」としか言ってない気がするが……放っておこう。めんどくさそうだ。


「お前らの目的は何だ?」

「私たちは……いえ、あんたには言わないようにアノお方に言われてるから言わないけど、簡単に言うとあなたを殺すこと。ね、サメラ」

「そうだな、ヤーマイロ」


あぁ、もう。そのセリフはいいって!頭に血が上ってきたところで彼らは帰ると言い出した。恐らく、奇襲に失敗したからだろう。


「えらくあっさり帰るんだな。俺は朝の体操代わりにお前たちをボコボコにしようと思ってたんだが」

「それはそれは。帰ろうとして正解ね、サメラ」

「そうだな、ヤーマイロ」

「……」

「どうしたの?黙っちゃって」

「……サメラといったか?お前、ずっと同じことしか言ってないな」


サメラに視線が注がれる。……ってよく見たらヤーマイロも見てるし。


「じゃあ何を話せばいい?」

「ちゃんとしゃべれるじゃん。そうだな……『ぎゃふん』、とかかな!!」


俺は虚空から剣を取り出し、サメラへ向かって振り上げた。しかし振り下ろしたときには二人の姿はなかった。


「……速いな」


俺は剣をしまった。少しだけあった手応えを思い出しながら。翼がある生き物を斬る感触。

人間の他に鳥でもいたのか?いや、もしや彼らは……。


「気付いたようね、サメラ」

「そうだな、ヤーマイロ」

「サメラ、やっぱりヘラの言う通り、ボキャブラリーを増やした方がいいと思うわ」

「……考えておく」

(なんだ、しゃべれるじゃん……)



「ただいまー」

「おかえり」


奇襲があった数時間後、私とレインは部屋帰った。


「あら、起きてたのね」

「ちょっとあってな」

「そのぐちゃぐちゃの部屋を見ればわかるわ……」


部屋を見渡す。そこは言う通り、シーツはぐちゃぐちゃ、鏡は割れ、しっちゃかめっちゃかだった。


「何があったの?」

「……奇襲に遭ってな」

「奇襲?」

「そいつらは恐らく……吸血鬼だ」



__________



吸血鬼。魔界でも有名な有力悪魔だ。元は人間界にいた人間だという説がある。そいつらがどうやって繁殖したのかはわからないが、厄介な悪魔である。



__________



彼は剣を見ながら言った。それが本当なら大変だ。


「で、でもさぁ……まだ吸血鬼と決まったわけじゃないだろ?」

「いや、確かに手応えがあったからな。翼を持った者を斬る感覚が、な」

「生々しい話はそれくらいにしましょ。朝っぱらから嫌ぁね」

「そういえばその本は?」

「こ、これは……」


何事も無かったかのように話題を変えるヘラ。ここにヘラの名前が書かれているけど見せていいのだろうか?


「……ヘッジの家にあったんだよ。魂が教えてくれた」

「え?!ヘッジさんの家に?!それってまさか……」


ヘラが私から本を奪い取り、めくり始めた。するとあるページで手が止まった。


「……やっぱり」

「「?」」

「俺があいつを倒した日……あれから日記が止まってる」


あいつとは誰のことなのだろうか?

ここクノリティアといい、ムジナの魂といい、このぐちゃぐちゃの部屋といい、謎が多すぎる。

ムジナも『あいつ』のことを知っているとすれば、このクノリティアには大きな秘密があるのかもしれない。


死神、吸血鬼、幽霊……。どれも『死』に繋がる種族。魔王軍とハレティの関係。消えたヘッジさんと元魔王軍のカリビアさん。もしかするとそれらの事はこの本に書かれているかもしれない。この日記の持ち主が関係しているのだから。


「……それ、ムジナが教えてくれたの」

「ムジナが……?!」


ヘラが大きく目を見開く。それが私が見た初めてのヘラの表情だった。

どうも、グラニュー糖*です!


ヤーマイロやサメラは、一期のハレティの部下であるキツネ、タヌキのポジションですね。

ハレティはわりと使いやすく、ラスボスといえばこいつだ!的な奴です。


では、また!

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