狙われたヘラ
第十四話 ヘラ・フルール
朝起きるとヘラはまだ寝ており、レインは本を読み漁っていた。
「ふぁぁ……朝っぱらから何読んでるの?」
「お、スクーレか。早いな。ヘラなんてまだ寝てんのに」
「質問に答えなさいよ」
「……昨日のカリビアのことだよ」
「カリビアさんのこと?でもよく知ってたじゃない。魔王軍だとか」
「いや……それ以外にあるはずだ。例えば……ヘッジとの関係とか、な」
「ヘッジさん……」
ヘッジさんとカリビアさんといえばやはり美術館だ。しかしレインの言う通り、客と店員という関係だけではなさそうだ。それにどこでそんな親密な関係になったのかもわからない。
「じゃ、スクーレに問題だ」
「何よ?」
こんな朝っぱらから問題なんて、どうかしてる。
「旅の基本とは何でしょう?」
「……あ!」
「ここはクノリティア。死神の街。そしてヘッジの生まれ故郷……ヘラから聞いたんだけどな」
「……ってことは、誰かが知っているかもしれないってこと?」
「ピンポーン!」
レインが嬉しそうにウインクをした。なかなか上手かった。きっと不器用なハレティがやったら変になるだろう。
「早速出掛けよう!」
「おいおい、ヘラはどうするんだ?」
「寝かせとけばいいじゃない」
「まだ喧嘩してんのか?」
「もう仲直りしました!!」
「くくく、オレがいい雰囲気にさせたからかな?」
「正直やめてほしかった」
「ひでぇ!」
私たちは騒ぎながらもヘラを起こさないように部屋を出た。ヘッジさんとカリビアさんの真実を求めて……。
「……行ったか?」
「うん」
「……こいつがヘラ・フルール……」
「我々のために消えてもらいましょう。……サメラ」
「そうだな、ヤーマイロ」
どうも、グラニュー糖*です!
もしかするとヤーマイロは二期と三期で一番変わった人かもしれないですね。
あ、ちなみにヤーマイロとサメラのデザインは募集をかけて、描いてもらいました。
凝ってて素晴らしい出来です。
では、また!