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灰色の星  作者: うさぎロック
6/6

昼食



妖精と挨拶を交わしたすぐ後、私は彼女達が待っているであろう部屋に入ろうと取手を手をかけ扉を開けようとする。

が扉は開く様子を見せない。

重い扉なのだろう、そう思い力を入れて扉を開けようとした時、右肩にいる妖精が私に話かける。


「その扉、開かないわ」


「どうゆうことだ?」


力を入れていた手を下ろし妖精に訪ねる。

すると妖精は私の右肩から浮き、開かないと言った重い扉の取手の上に乗りこちらに顔を向け

取手に指をさす。

妖精が指をさした所に目をやると指で押せそうな丸い物が飛び出ていた。


「ここ、この扉には鍵がかかってるの、でこれを押せば開ける事が出来るってわけ」


そう私に教える。

私は申し訳なさそうに「ありがとう」と言うと妖精は自慢げな顔で私の右肩に戻った。

教わった道理に押し、扉を開ける。

どうやら本当に鍵がかかっていたようだ、先ほどまでの重さは嘘のように簡単に扉が開いた。

扉を開けると廊下より明るく、廊下の横幅より広い部屋に出る。

天井までの高さは7m程、横は20mといったところだろうか、そんな広い部屋の中央には円卓が置かれていて椅子にはアシュリーとマリューが座っている、円卓の上には昼食であろう物が置かれていた。


「昼食出来てますよ」


とアシュリーが優しく話かける

マリューはアシュリーの向かいでがつがつと美味しそうに食べている。

私も椅子に座るとアシュリーが台所であろう扉のない繋がった部屋から昼食を持ってきてくれた。


「ありがとうアシュリー」


「いえいえ、それより冷めないうちに食べてくださいね」


目の前に出されたのは、まだバチバチと油の音が鳴るプレートの上に置かれ少し焦げ目のついた分厚い肉とレタスや大根のサラダ、人参と玉ねぎの入ったスープにゴロゴロとじゃがいもが入ったカレーライスだった。

香りを嗅いでみると、ニンニクのきいたとても食欲をそそられる香ばしい香りが鼻を突き抜ける。

食欲を抑えきれなくなった私はナイフとフォークを取り早速プレートに置かれた分厚い肉に手を出す。

ナイフで切ると肉汁が溢れだしその肉汁が肉をつたいプレートに垂れるとバチバチと音を奏でる。

肉は内側までしっかりと火が通っていて食中毒の心配も無さそうだ、私は一口サイズに切った肉を口に入れる。


「人間さん、変な顔してるぞ」


と妖精が小声で教えてくれる。

どうやら顔が緩んでしまっていたようだ、それにしても美味しい、全く筋がなく噛みやすい。

噛めば噛むほどに味が増していく。

ニンニクの香りも肉の味を邪魔しない絶妙なバランスだ。


「肉だけじゃなくサラダも食べてくださいね」


とアシュリーが言う。

サラダを食べ、スープを飲み、カレーを一口。

サラダはしゃきしゃきとしていてみずみずしく

スープは塩が強くなく人参も玉ねぎも柔らかい、カレーは辛すぎず何皿でもいけそうだ。

右肩に乗っている妖精も涎が垂れそうな顔をしている。


アシュリーは妖精に気づいたようで

妖精の分も昼食を持ってきた。

妖精は肉を食べると私と同じように顔を緩んめる


「妖精さん、変な顔してるぞ」


私と妖精はアシュリーの料理をこころゆくまで堪能しお腹がいっぱいになるまで食べた。

初めて会った時とは全然味が違うのは何故だ?とアシュリーに聞くと初めて会った時の食事は時間をかけなかったから普通の味だったとアシュリーは笑顔で言う

マリューはというと食べ過ぎて服からはみ出た丸いお腹を見せてソファーに横になっている

この調子だと夕飯はマリューのお腹には入らないのではないだろうか、可哀想に。

私は夕飯を楽しみにしながら妖精と共に勉強をした。

夕飯は案の定マリューはあまり食べれず、私とアシュリーと妖精だけで全て平らげた。


今日の夜は良く眠れそうだ、そう思いながら露天風呂から見える月を眺めた。

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