表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
キミのタマはボクのモノ 巻の一  作者: しかも・かくの
第四章 空ろなる聖所と初めての戦いについて
38/42

第三十八回

 剣は易々と大ネズミの体を切り裂いていった。

 いや、違う。

 剣は何も切ってはいない。大ネズミなど最初から存在していなかったかのごとく、ただ地に引かれるままに落ちてゆく。

 剣は今や恵の一部となり、いやむしろ恵こそが剣の一部となって、何物も遮ることなき真空をどこまでも流れる、かと見えたのも束の間。

 かつん、と硬い手応えにぶつかって剣が止まった。

 闇が凝縮したかのような黒い玉、その表面に剣先がめり込んでいる。

「ふんっ」

 腹の底から力を出すようなつもりで、恵はさらに押し込んだ。どろりと重く粘る抵抗を押し退け、剣先がじわりと沈む。そしてついに膜を破り彼方に触れた。

「ひっ……ひゃうっ!?」

 ぞくりとした。柄を握った手の先から体の熱がどんどん吸い取られていく。それとも逆に冷気が流れ込んでいるのか。

 いずれにせよその先は黒玉へと通じている。悪しき根を断ち切るのが先か、それとも恵の気力と体力が尽きるのが早いか。

「勝負だ! いざ〈蒼の剣〉よ、我がいかずちの光となりて闇を開け!!」

(御意)

 一面の蒼が世界を満たす。

 剣の発した光が力となって恵を衝き動かし、恵の振るう剣がその発する光をさらに強める。

 そして。

 あたかも幼子がこねて作った泥団子であったかのごとく、黒玉はほろほろと崩れて消えた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ