孤独の鳴く海
綺麗なだけの感情を誰も持てぬから 人は少しでも優しくなろうとしたんだ
素直にもの言うばかりじゃ生きづらいから 本音を胸に仕舞いこみ 嘘を覚えたんだ
きっと誰もがそうやって 巧く時間を擦り減らす
見栄と虚勢で組み立てた 嘘の自分で生きていく
砂の文字が消えてしまうように 本当の自分を見失ったままで
息を吹き込んだ風船は すぐに僕たちの掌から
「自由」を手にしたみたいに 高い青空へ昇っていく
どんな想いを閉じ込めて どこへ人は向かうのだろう?
答えを見つけた時にはもう遅すぎるのかもしれない
涙は冷たい風に運ばれ 風は孤独な胸に吹き荒ぶ
不意に凪いだ大きな海よ あなたは何を歌うのでしょう?
僕の心を映し出す泉 涙が作る波はただ広がり
歪んだ顔を浮かべたまま 今日は明日へと進み出すから
特別な愛なんていらない ただ同じように愛されたい
誰かが誰かを愛するように 誰かが誰かに愛されるように
叶わぬ願いと想いを喉の奥に閉じ込めて淋しさを歌う
隣で横たわり眠る花よ あなたはそこで幸せでしたか?
笑顔は冷たい闇に隠され 闇は孤独に一人泣き叫ぶ
常に静かな小さな泉よ あなたは僕を笑うでしょうか?
寒さに凍え 震える夜明け 暗がりの空にしがみつく雲
朝焼けの前 途切れた言葉 怖がりの僕に手を差し伸べる
それは
素直に寒いと言えていたなら 少しは温もりに抱かれたでしょうか?
孤独を怖れる小さな闇よ わたしはいつか 誰か 愛せるでしょうか?