プロローグ2
「おい、どどどどゆこと? 俺死んでんの?ここは誰俺はどこ状態じゃないの?ていうかお前神様なの?」
「おやおやずいぶん混乱しているようだね。ひとつずつ質問に答えていくとそう、確かに僕は新世界の神になる!(ドヤッ」
「微妙に答えになってない、ていうかやめろそれ!」
「おや、ツッコミできるくらいには冷静なんだね。」
「話が進まん、いらんことは話さんでいい。いいから答えてくれ。」
「何だい、人がせっかく気を使ってやってるってのに・・・」
ツッコまん、ツッコまんぞ。「お前人じゃないだろ!」とは。
「まあいいや、話を進めよう。とりあえず僕は神様ということで納得してね、蒸し返すのめんどいから。それでどこまでいったっけ、ああ君が記憶喪失かどっかってことだっけ。これはその次の質問と絡んでくるんだけどね、君にはまず理解してもらわないといけないことがあるけど、君はもう死んでるんだ。」
さらっと言いよるな、こいつ。
神様相手にこんな態度でいいのかは疑問だが、もう今更変えんのもめんどい。
で、俺は死んでんのか、実感ないけど。
死んだあとどうなるのかっていうのはある意味永遠の難題だよな、死んだことあるやつじゃないとわからんのにその本人は死んでるんだから確認のしようがない。
そもそも死んだってことを死んだ本人はどう確認したらいいんだ?
人の生死を確認するのには三兆候説ってのがあった気がする。
瞳孔が開いてたら脳の反射が行われていないとか脈をとってどうとかくわしいことはしらんが。
しかしそれができるのは死んだかもと思われる人以外であるからして本人としてはどうしようもないんじゃないか。
実際、今こんなこと考えてる俺も夢の中での妄想かもしれん。
こんな神様出てくるようなばかみたいな夢・妄想なんて嫌だが。
だいぶ話がそれた。神様も俺の思考を邪魔せず待っていたようだ。
「俺が死んでるって言ったが、どうして死んだんだ?実際のところそんな記憶無いんだが。」
こういうふうに聞けば記憶のあやふやなことにも回答があるかもしれん。
「君はね、学校の放課後帰ろうとする途中、幼馴染の女の子に何か物が落ちてくるのが見えてその子をかばってその物の下敷きになったんだよ。脳がもうぐちゃぐちゃになってね、その影響が出て今君は記憶が定かじゃないんだよ。」
物ってなんだ物って、なぜ濁すんだそこを。
まあそこは問題じゃない、俺が気になるだけで。
でもそうか、あいつをかばって死んだのか、ならいいか。
割とあっさりと受け入れることができた。
「まあ記憶が定かじゃないんだから僕が言っても納得はできないかもしれないけどこればっかりはどうしようもないね、でここからが本題なんだけど。君が彼女を助けることは予定外だったんだ。」
「?、どういうことだ?」
「本当はね、君が助けた女の子がなくなる予定だったんだけど、君が助けることで彼女の予定されてた寿命が伸びて君が予定以上に早くに死ぬことになったんだ。」
「そうなのか、ま、人助けして死ぬんなら仕方ないか、その相手が幼馴染ならなおさらだよ。」
「これはあまりないことだけどこっち側のもの達の不手際ってことになるんだよね。だからわざわざこっち側の代表である僕が出向いてるってこと。」
「神様がわざわざ出張ってくることじゃないよ、気にすんな。」
「いや、気にすんなって、それは無理だよ。君、早死になんだよ、もっと生きれたんだよ?」
「謝られても俺が生き返れるわけでもないんだろ?」
「まあそうなんだけど・・・。」
「だったら気にするなよ、いきなりそんなにしおらしくされても気持ち悪いだけだ。
俺はあいつを助けれたんならそれで十分だ、それに神様の予定を狂わしたってのもいい経験させてもらったことになるんだし。神様なんていう高次元の存在でさえ間違えるんだからな、間違いだらけの人間がどうこう言えるわけないだろ。」
「・・・君はなんだか達観してるね、いや、そうあろうとしているっていう方が正しいのかな?」
「ふっ。」
いやふってなんだ俺、ふって。
かっこつけすぎだろ、いたすぎだろ。
でもこれくらいしないとあっちも納得してくれないだろ。
「じゃあ、君の好意にあまえさせてもらうよ、この話はおしまい。今後のことについてを話そう。」
あれで納得してくれたようだ。
「ああそうしてくれ。」
「では、君には異世界に行ってもらいます!」
「いきなり飛躍しすぎだろ!」
「ええー、悪い話じゃないと思うよ、今回のお詫びも含めて特典付けるからさ。」
むむ、それはいわゆるチートというやつか、自分で飛躍云々言っといてそれだけで魅力的に感じてしまう。
あれだよね、経験値増加とか詠唱破棄だとかだよね?
ヤバい、興奮してきて冷静な判断ができそうにない。
何を隠そう、俺はぼっち生活が長いのだ。
となるといろんなゲームマンガに手を出す余裕があるわけで・・・。
で、こういう展開はやっぱり俺みたいなやつには憧れ的なものがあるのではないだろうか。
俺は今その瞬間に立ち会ってるわけで、興奮しないでいられようか、いやいられまい。
つい反語表現をとってしまったが、そういうことだ。
「どう、いい話だと思わない?」
「まあ仕方ないな、特典あるんなら行ってもいいかな。」
おい、変わり身早すぎだろ、もっと慎重になれよ、俺。
頭の中で一部の不穏分子が何か喚いているが気にしない。
いいじゃん、俺は異世界でチートしてハーレム作って同胞の悲願を叶えてやる義務があるんだ!
最早論理理屈云々は俺には通用せん!
「よし、じゃあ今から具体的な話をしようか。」