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『使い捨てられた補助スキル持ち、迷宮の主になって制服妖怪と学園祭を始める』  作者: 葉月奈津・男
R15版。暴力・性的ニュアンスありバージョン

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第58話 最前線攻略者たち② ~静かに崩れる舞台裏②~ 前編

2/3

 


 ◇後詰B班◇


「順調だな! これなら、すぐに終わるさ!」

 英雄になる日も近いぞ!


 後詰B班のリーダーは、お気楽な様子で断言した。

 昨日の探索時から目星をつけていた広めの空間でのことだ。

 少し早めの昼休憩に入っている。


 63階層出発時、留守役の料理スキル持ちたちが渡してくれたものが拡げられている。

 腹持ちもよく各種パフもつく、おにぎりやサンドイッチだ。


「ダンジョン探索はピクニックだっのか?!」

 誰かが定番のギャグを言い、儀礼的な笑い声が広がる。


 この空間には通路が2本繋がっている。

 東と南だ。


 どちらも長い直線の通路で、モンスターの接近に気が付きやすい。

 安全な場所と考えた理由だ。


 その判断は間違っていない。

 ダンジョン内でこれほど条件のいい休憩スペースはそうそう見つけられないだろう。


 だから間違っていない。

 今回は相手が悪すぎた。


 直線通路の先にある通路から入ってきたモノが、急加速して突っ込んで来るなんて予測不能なことだった。

 モンスターの出現は予想していても、直径2メートルの球が・・・質量のある物体が通路の幅ギリギリで転がって来る予想は無理だったのだ。

 突然のことで見張りは役に立たず、モンスター用の簡易結界は一瞬で粉々になった。


「にげ——!」

 逃げろ!

 そう言おうとしたリーダーは声を詰まらせた。


 通路の一方から来る危険ではなかった。

 2本の通路で同時にだった。

 逃げ道はすでにない。


「こ、攻撃だ! 壊せ!」

 自身も剣を握って立ちながら叫ぶ。


 判断は迅速だった。

 メンバーの反応も悪くない。


 カルマをして、「悪くない」。

 そう認めるしかないくらいには見事だった。


 ムダだったけれど。


 炎の槍も、氷の矢も、土の壁も。

 迫りくる球を破壊することはおろか、止めることもできなかった。


 むしろ、球の攻撃力を上げただけ。

 土の壁を取り込み、炎を纏った球が魔法使いたちにのしかかる。


 一方で、闘気を纏った近接職と、盾を構えたタンクが前に出る。 二つの球は、まるで意思を持つかのように、ほぼ同時に突入してきた。


「止めろッ!」


 叫びとともに、剣が振るわれ、盾が構えられる。 だが、球は止まらない。


 轟音。 地面が揺れ、空気が震える。


 一瞬ののち、二つの球が中央で激突した。 その間にいた者たちの姿は、音と衝撃に呑まれて消えた。


 金属が軋む音。 骨が砕けるような、嫌な音。


 砂埃が晴れたとき、そこに立つ者は誰一人いなかった。 ただ、潰れた装備の破片と、赤黒い染みが、彼らがいたことを物語っていた。


 一分後。

 きれいなシンクロで球を操ったフンコロガシさんたちがやってきて、崩れてしまったものを再び球に成形しようとする。


「ふっざけんなっ!」

 そこへ、剣が突き出された。

 額に傷を負い、赤い筋が頬を伝わらせたリーダーが、ガクガクブルブルと足を震える足で立ち上がる。


 突き出された剣がフンコロガシさんの腹部を刺し通した。

 糞球を形作るため、後ろ足で立っていたのだ。

 腹部は動きを制限されないよう、柔らかい部分もある。

 そこを狙った一撃だった。



読了・評価。ありがとうございます。


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