表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『使い捨てられた補助スキル持ち、迷宮の主になって制服妖怪と学園祭を始める』  作者: 葉月奈津・男
R15版。暴力・性的ニュアンスありバージョン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

150/360

第9話 『ダンジョンマスター』 ~処刑の鐘~ ②

3/7

 


「出せるモンスターは『蟲』だけか?」


『その通りです。カタログをご覧になりますか?』


「見せてくれ」


 3Dウィンドウに、虫型モンスターの一覧が表示される。

 サイズ、能力、特性、すべてがカスタマイズ可能。


 表示されたのは、羽音、毒牙、群れ、擬態、孵化、寄生── どれも、静かに、確実に、侵食する者たち。


「・・・悪くない」


 派手さはない。

 だが、確実に蝕む。

 それは、オレのやり方に似ていた。


 だが、すべては『ポイント』次第。


「魔力上昇は毎時80ってことだけど、それ以外に手に入れる方法は?」


『異物が魔法を使用した際、余剰魔力を吸収できます。不発や外れた場合も同様です』


 ──なるほど。

 無駄撃ちを誘えば、こちらの糧になる。


「よし、方針は決まった」


 魔法を撃たせる。

 マナポイントを蓄える。

 ダンジョンを育てる。


「・・・いや、待てよ」


 73000のマナポイント。

 つまり、730ダンジョンポイント。


「レベルを上げるのに必要なポイント数は?」


『レベル5までは1レベルにつき30。5から10は50。10から20は100。以降は5刻みで、レベル数×50ずつ加算されます』


「よし。レベルを10まで上げてくれ」


 合計400ポイントを消費。

 残り330は、今後の布石に。


「さて・・・虫だけで、どうやって終わらせる?」


 主力とは戦えない。

 消耗するだけだ。

 新たな強敵も作れない。なら──


「主力は足止めする。絶対に。ここで時間を稼ぐ。彼らが『勝利』を信じている間に、『敗北』を仕込む」


 それが、唯一の勝ち筋。

 奴らが再突入するまでに、こちらが『未知』を作る。


「システム。64階層のモンスターに変更を加えてくれ」


『変更内容を提示してください』


「三段階に分ける。序盤は得意属性と弱点属性を入れ替え。中盤は現状維持。終盤は完全ランダム」


 モンスターそのものは変えられない。

 だが、ステータスの変更はコストなし。

 そこを突く。


『変更完了しました』


「よし。続いて──敵戦力を削る戦略を考えるぞ」


 主力を避け、他の者たちでポイントを稼ぐ。

 魔法を撃たせ、無駄撃ちを誘い、魔力を吸い上げる。


 ダンジョンは、もう『彼らの舞台』じゃない。

 ここは、オレの世界だ。


 そして、オレはもう──『ただの人間』じゃない。


 ◇


 朝が来た。

 それは、祝福ではない。

 ただ、処刑の鐘が鳴るまでの静寂だった。


 レイド本隊が、再び64階層へと突入していく。

 彼らは、勝利の余韻を引きずっていた。

 英雄譚の続きを、当然のように期待していた。

 だが──この迷宮は、もう彼らの知っている場所ではない。


 配置は変わった。

 属性は逆転した。

 罠は、彼らの記憶を裏切るように潜んでいる。


『知っている』という油断が、最も深い罠になる。


 本気の死闘。

 オレは、もう誰のためでもない。

 自分の意思で、この戦いを始める。


 その幕が、静かに──切って落とされた。


 あいつらが戻ってくる。

 オレを捨てたまま、勝利だけを拾いに。


「何人、たどり着けるかな?」


 オレは、待つだけでいい。

 この迷宮の主として。

 この世界の支配者として。


 迷宮は、静かに呼吸を始めた。

 それは、カルマの鼓動と重なっていた。


 そして──その答えは、静かに、確実に刻まれていく。



 迎撃という反撃が始まる。



評価いただけると続編を書く意欲に直結します


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ