表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
50/129

第50話 出頭命令

 生徒会から呼び出しを受けた。

 朝のホームルームに生徒会の役員だという二年生が訪れて、魔法道具同好会は今日の放課後に生徒会室に出頭するように告げられたのだ。前のほうの席に座るひよりが思わず振り返って目を合わせる。

 トラップを解除しまくった件だろうか。あれ、よくよく考えると後から来る人は通路が滅茶苦茶に散らかっていて歩きづらかったかもって思ってたんだよね。それとも、闘技場の端の木人を壊した件だろうか。あれは半分以上、A組の一矢さんが原因だし。まさか、門限破りの件?二学期でカウントがリセットにならなくて、部活としての通算成績でNGになったとか?うーん、ルールってどうなっているんだろう。そういえば、ダンジョンの規則ってちゃんと読んだことがないな。


「あんた、何しでかしたのよ?」

 中間休みに白井さんに詰め寄られる。彼女の中ではボクが呼び出しの犯人らしい。

「いや、心当たりないんだよね」

「うそ。本当ならちゃんと目を見て言えるはずよ」

 怒っている女子の目を見て話せる男子なんて、相当なメンタル強者かチャラ男だけだよ、白井さん。

「あーあ、ついにやっちまったか、コウタ。いつかやらかすと思ったんだよなあ」

「ヨギはそういう混ぜ返すようなことを言わない」

「でもさ、理由もないのに呼び出しくらうことなんかないじゃん」

「そりゃそうだけど」

「生徒会に呼び出されたからと言って、何もコウタが責められるとは限らないぞ」

「ヒコぉ。ありがとう。持つべきものはやっぱり心の支えになる友達だね」

「オレは?オレもマブダチだろ?」

「しっしっ、ヨギなんか何の支えにもならない藁みたいなもんじゃないか」

「藁か。わらしべ長者も一本の藁から幸運を掴むんだし、オレってもしかしてラッキーボーイってこと?」

「生徒会の呼び出し、もしかしたら剣術部がらみかもしれん」

「なにかあったの?」

「身内の恥なんであまり大きな声じゃ言えないんだが、二年生に数名、処分が下った人がいてね」

「二年生?ボク、剣術部の二年生には面識なかったと思うんだけど」

「ぉーぃ」

「コウタの知らない先輩だよ。ただ、例の件で塚本とつるんでいたっていう噂があるんだ」

「なるほど」

「ぉーぃ」

「時任とも何かあったみたいだし、そっちの件で事情聴取に呼ばれたのも知れない」

「そういうことか」

「ま、可能性があるってだけだけどな」

「おーい、って無視すんなよな。寂しいじゃないか」

「あれ、ヨギだったのか。藁に結んだアブがブンブンいっているのかと思った」

「あら、よかったじゃない。藁からアブにランクアップしたのね。次はミカンだったかしら」

「オレンジなら今日の弁当のデザートに入っているけど……。はっ、これは本当に長者に成り上がる日は近い?」

「あの話って、信心深い若者が一所懸命観音様に祈願したところから始まるのよ。あんたにそんな信心なんてないでしょ?」

「へへっ、残念でした。神頼みならいつもしているぜっ」

「なるほど、中間考査も近いものね。その信心が受験の神様に通じるといいわね」

「そうなんよ。一学期の期末考査はおかげで赤点ギリギリでクリアできたんよなー」

「それでも呼び出しくらって補習受けてたな、おまえ」

「そうだった。これは信心パワーをもっと強化せねば」

「努力するの、そっちかーい」

 あ、負けてしまった。結局ヨギのおちゃらけに突っ込んでしまった。けど、なんとなく生徒会の呼び出しのことが気にならなくなった気がするから、いいか。


 そんなこんなで授業中は生徒会の呼び出しを忘れていられたけれど、放課後になったらそうもいかない。覚悟を決めてひよりと一緒に生徒会室を目指す。ごくり。

「コウタくん、ひよりちゃん、いらっしゃーい」

 美宮みるく先輩が出迎えてくれる。案内されるままに生徒会の会議室に入る。テーブルの窓側に生徒会長と副会長が座っていた。

「魔法道具同好会部長琴浦ひより、姫野荒太だな」

「はい」「そうです」

 副会長の確認に答える。

 なんとも威圧的な雰囲気を感じる。やっぱり何か叱られるのかな。

「トラップリシンダーというマジックアイテムを持っているな?」

「はい、持ってます」

「どうやって入手した」

「ええと、普通にダンジョンでドロップしました」

「ふむ。それを使って罠を解除したことは?」

「あります。練習のために第二階層で何度か……」

 副会長がやっぱりという表情を浮かべる。

「それだけか?」

 嘘は見逃さないというように副会長が疑いの視線を強くする。

「それだけです」

 ボクに後ろ暗いところはない。何か勘違いでルール違反をしているかもしれないけれど、故意に何かをしたことはない。理不尽に疑われている気がしてだんだん苛立つ気持ちが芽生えてくる。よし、そっちがその気ならこっちも強気で行こう。

「部屋の解錠に使ったことはないか?」

 生徒会全員の視線が集まる。失敬な、ボクが泥棒を働いたとでも?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ