幕間 王
人里離れた遠くの何処か
暗く染められたその空間でソレは感じとる。
「どうかしたか?魔王」
壁に背を預ける一人の人影がソレに声をかける。
「……ドューノートが消えた」
ソレは静かに感じとったことを淡々と口にする。
「ヤツなら数十年前に魔術師に封印されたはずだ。……封印石ごとやられたか?」
「……いや、完全な消失だ。それも消えゆく魂に戦闘の記憶がみえる」
「そいつは妙だな……」
暗い空間に存在を大きく放つ巨大な影が続く。
「俺たちの力で生み出されたドューノートは決して消えることはない。……唯一あの忌まわしい力でない限り」
「カード……我々が元より持つ根源の力」
「カードを口にすんじゃねぇ装備屋!耳にしただけで虫唾がはしるんだよ!」
横から口を出す更なる異形の影に大きなが影は苛立ちを見せる。
「落ち着けよ”D”」「落ち着かないよ”D”」「落ち着かせよう”D”」
それぞれの影が互いに距離をとる中、怪しげな踊りをする三つ首の影が大きな影を煽る。
「落ち着きがねぇのはてめぇだ!あとてめぇも”D”だろうが!」
「急ぐ必要は無い。しかし放置するわけにいかない」
「じゃあ、どうすんだよ大将」
疑問を投げる大きな影にソレは答える。
「各々の眷属に伝えよ。件の使い手を捜索せよ。と」
ソレが下ろす手にそれぞれの影が姿を消す。
「繰り返させてはならない。数千年前の悲劇を……」
暗い空間で席につくソレは静かにそうこぼす。




