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大会帰りのカードゲーマー異世界に行く  作者: 白馬 鏡
ターン1 敗北とはじめまして
28/32

Phase.27 ゲーマーな俺は陽動と予測する

 「おやすみ」と、アルマと挨拶を交わした俺は部屋へ戻る。

 部屋の明かりを消し眠る用意をするも俺はベッドに潜ることはしなかった。

 理由はアルマと話をしていたアイツの言葉通りなら朝方に何かが起こると予測付けたからだ。

 何が起こるか分からないけど念のためアルマの部屋にはリモーダを潜ませている。

 警戒心を保ちながら長い夜をじっと待つ。

 ステータス画面に表示されている月のマークは明るい色へ向け動いているが、その速度はとてつもなくゆっくりだ。

 それから暫しの時間が経過した。

 月はある線を越えており日を跨いだことを表している。向こうの時間で言えば零時半ほどだろうか。

 俺はベッドから腰上げ部屋を後にする。廊下の窓から村のほうを眺める。

 ガラス越しに見える視界には広場で光る赤い線が見える。

 目に留まる光の線に俺は急ぎ屋敷を出る。

 広場まで駆けると赤い光の線は僅かにその発光を繰り返していた。

 今から砦まで走ることは可能だ。でも向こうまで行けば屋敷で何かあった時すぐ戻ってくることができない。それならば……

 俺は広場の広さと辺りを確認した後、ステータス画面から一枚のカードを選択する。


「来い。翼機兵プテランガーン」


 選択した一枚のカードは翼機兵プテランガーン。俺の呼びかけにカードから飛び出した機械仕掛けの翼竜はその大きな翼を広げる。

 召喚したプテランの背に乗り、俺は急いで砦の向こう側へと加速する。

 砦の向こう側へ着いた時まだモンスターの姿は無かった。が、モンスターの気配は感じられていた。

 昼前に出た虎型モンスターと同等の大きさのモンスターか。それとも小型、中型のモンスターが無数にいるのか。気配から感じられるモンスターのプレッシャーはとてつも無いものだ。

 プレッシャーだけで勝てないと感じさせに来ている精神的なデバフに表情が歪む。

 門前に視線を落とす中、木々の影から一体のゴブリンが姿を現す。同時に俺のデッキが戦闘可能を合図する反応を示す。

 木々の影から続々とゴブリンやドリルビートルなどの多種のモンスターが姿を見せる。

 時刻は一時を過ぎたところ。恐らくあと二、三時後にどデカいアクションが起きる。ならば、


 ここは先手必勝で一気に行く!


 俺の意思にデッキのカードが手元に展開される。


「剣機人ラディン!槍機人グングニーラ!」


 触れた二枚のモンスターカードを地面へ飛ばす。光り輝きながらカードから機械仕掛けの人形が二体現れると同時にゴブリンへ攻撃を仕掛ける。

 ラディンとグングニーラは各々の意思で連携を行い。次々へと沸いて出てくるモンスターを行列を対処していく。

 片や村のほうへ視線を送るもその光景に変化は無かった。

 騒ぎを耳に明かりをつけ外へ出てくる素振りすら無い。村に住む誰も彼もがいつもの通りの夜を過ごしている。

 僅かな心配は持ちえど、それでもぐっすりと眠っている。

 そんなことを考える俺の耳にドシン!ドシン!と大きな足を音が近づいてくる。

 ゴブリン等の小型モンスターの後に続いて現れたのはトレントやオーガに加えて、ここまで目にし無かった火の玉を纏わり付かせた人影のようなモンスターだった。しかしその幽霊のようなモンスターは実体が無い訳では無く。ラディンとグングニーラの攻撃が通っていた。

 新規モンスターそれもゴースト系に少し冷やとしたが攻撃を見てその心配は無くなった。

 それから暫くの間、止めどなく溢れるモンスターとの戦闘を俺は上空から観察するのだった。

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