表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

67/82

村娘生活4ヶ月目 レナルド67






村娘生活4ヶ月2日目ーーー。


朝の身支度や家事を済ませると、リーシャは早々と家を出て、サクヤの家に向かった。

(今日はサクヤが昨日釣った魚で料理を振舞ってくれる日です)

昨今、魚が手に入らなかった村で、久々に手に入った魚。

物心ついた時には魚が手に入らなくなっていた現8歳のサクヤも、魚を調理した事は無いが、ゲンに教わりつつ、本を参考に手料理を振舞ってくれるらしい。

手に入れたものの、高難易度の魚の調理など、リーシャには出来るはずも無く、サクヤの申し出はとても有難かった。

「お魚お魚。サクヤの作るお魚料理は、とても美味しいのでしょうね」

城で食べ慣れているが、城では食事を美味しいと思わなかった。でも、ここに来てからはご飯が楽しみになっている。

因みに、朝早くに急いでサクヤの家に向かっているのは、調理の仕方を見学したいからでもある。

料理が出来るようになるには、勉強あるのみ!


急ぎ足で向かっていると、角で人とぶつかりそうになり、慌てて立ち止まった。

「ごめんなさいーーって、ルド?」

「リーシャ」

角から出て来たのは、レナルドだった。

「おはようございますルド」

「ああ、おはようリーシャ」

 いまいち距離感が掴めず、とりあえず、リーシャは丁寧に頭を下げ、挨拶した。レナルド本人は、そんなリーシャの気持ちはつゆ知らず、嬉しそうに挨拶を返した。

「今から新しい家に行かれるのですか?」

 辺境の村ヘーゼルでは、空き家を移住者に無償で提供しており、リーシャもその恩家に預かった。

「ああ」

「…そうですか。頑張って下さいね」

 何故私を追ってこの村に来たのかはまだ良く分かっていないが、城を辞めて来てしまったものはもう仕方ない。レナルドも、城を辞めてゆっくりと余生を過ごしたかったのかもしれない。

「………あの、ルドは、そのーー普通に暮らしていけるのですか?」

 そのまま、レナルドと別れようと思ったのだが、ふと、気になってしまった事を尋ねた。

「普通に暮らす?」

「掃除とか、洗濯とか、料理とか…」

 ノルゼスも城の関係者だったが、彼は城下町出身で、冒険中も、肉の解体や調理を進んでやっていた覚えがあるが、ルドは見たことが無い。私と一緒に、料理人が作った料理を食べていた覚えがあるし、何なら、肉の調達時も、魔物をオーバーキルし、肉塊一つ残さず消滅させ、ノルゼスに怒られていた気がする。

「そんなもの、メイドがするだろ」


(ーーそうですよね。ルドも私と同じで、生粋の城暮らしですものね)


 城での生活は勿論、冒険中も執事やメイド、身の回りのお世話をする者が沢山いたので、自分でする必要が無かった。ただ、自分の役割をこなせば良いだけ。

「メイドなんていませんよ……ここはお城じゃないんですよ」

「いないのか!?マジかよ…」

 私も世間知らずだと思いますが、ルドも大概ですね。

「当たり前ですよ。ルド、本当に大丈夫ですか?城に帰った方が良いのではないですか?」

 どういった辞め方をしてきたのかは知りませんが、国一番の大魔法使いなのだから、戻りたいと言えば戻らせてくれそうな気がします。

「リーシャも一緒じゃなければ戻らない」

「ーーなら、自分で頑張るしか有りませんね」

かと言って、このまま放置するのも忍びない。けど、生活能力皆無の私が助けた所で、なんの足しにもならない。寧ろ2人で泥沼にハマって行く気がする。

「安心しろ。何とかなる」


(どこから来るんですかその自信は)


 心配ではあるが、自分が手助けしたところでどうにもならない。今はサクヤとの約束(魚料理)も迫っている。私が、手を差し出したところで、何にもならない。それは分かっているーーー


「……お昼過ぎたら時間が有りますので、様子を見に行っても良いですか?」

 ---でも、このまま放っておくことは出来ず、リーシャはレナルドに尋ねた。


「!俺を…心配してくれてるのか?」

 そりゃあ心配にもなりますよ。一応、私の関係者ですし……自分が手伝える事は少ないかもしれないけど、この村の先輩!として、色々教えてあげないと!

「泥沼にはまらないように頑張りましょうね」

「泥沼?」

 生活能力皆無の私と、初心者ルドで出来る範囲は頑張りましょう!っと、午後からはレナルドの引っ越しの手伝いをする事をリーシャは決めた。





 サクヤ宅。


「あ、お姉ちゃん。遅かったね」

 サクヤはリーシャを見るなり、そう言った。

「遅かったですか?約束していた時間よりはまだ早いと思いますが…」

 料理の見学をしたいからと、早めに家を出ていたので、レナルドと話をしていた時間を差し引いても、遅れてはいない。

「リーシャはんの事やから、魚を作ってるところが見たいゆーて、もっと早く来るんかと思ってたわ」

 サクヤの家には、同じく約束をしていたイマルの姿もあった。


 成程。二人には私の事はお見通しのようですね。


「そのつもりだったのですが、途中、ルドと会って、話していたら遅くなってしまったんです」






評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ