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世界を救いし聖女は、聖女を止め、普通の村娘になり、普通の生活をし、普通の恋愛をし、普通に生きていく事を望みます!  作者: 光子


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「寝不足なの、分かりますか?」


そう指摘されるということは、顔に出てしまっているのだろう。

リーシャは自分の顔に触れながら、2人に尋ねた。



「そうだね。目の下に大きなクマが出来ているよ」

「どんだけ寝てないねん」



目の下にクマ……。そういうもので、寝不足である事は知られてしまうのですね。気を付け無いと、皆さんに心配をかけてしまいますね。



「寝ていない訳ではありませんよ?ここ1週間程、1.2時間は睡眠を取っています」

「1.2間睡眠て……」

「それでは美しいお肌も荒れてしまうよ」



心配をかけたくなくて、きちんと睡眠を取っているアピールをしたつもりだったのだが、もっと心配されてしまった。



「てか、何しに来たん?リーシャはんが村長はんとこ来んの珍しいな」

「あ、えっと。ノルゼスに会いに来ました」


そう言えば、そもそも、ここに来た目的を忘れていました。

何か言いたそうにしているノルゼスに会って、きちんと話をする事。あまり良い話では無い予感がするので、大変億劫ではありますが、避ける訳にもいかないので、きちんと会いにきました。



「私が今まで忙しくしていたので、時間が取れなくて……今日、やっと目安がついたので、会いに来たんです」


お祭りの準備は、後は作ったアクセサリーやキーホルダーを部屋に飾るだけなので、これは1晩あれば大丈夫でしょう。



「ノルゼス君なら今はいないよ」

「そうなんですか?」

「ああ。村長が魔物退治をお願いしていて、昨日くらいから村に戻って来ていないかな」


確かに。昨日からノルゼスの来訪が無かった気がします。


「村長は使える者は何でも使え!主義の人だから、折角来た冒険者をフル活用してるんだろうね」


昨日から出立しているという事は、中々に遠い場所の依頼をしたみたいだが、ノルゼスは冒険者。野宿は朝飯前だし、魔物討伐もそつ無くこなすだろう。

成程。ただで宿泊場所を提供する気は無いようです。

でも、良かったのかもしれません。顔にクマが出来ている状態で会ったら、また何か言われるのは必須。



「ーーーノルゼスはんに何の用があんの?」

「え?えっと、彼が私に何か、話したい事があるそうなので」

「話ねぇ」

「?」


歯切れの悪い、どこか、不機嫌そうに見えるイマル。


「イマル?私、何か気にさわるような事を……」

「ははは。違うよリーシャさん、これはヤキモーー」

「ジェラードはん今日執拗いなぁ!」



ジェラードが言い切る前に、イマルは言葉をかき消した。






あれから、ジェラードに促され、リーシャはイマルの監視付きで帰宅になった。


『イマル君、リーシャさんを送ってあげなさい。彼女は無茶をしてしまいがちな性格のようだし、ゆっくり休む様、きちんと見張っていないとね。くれぐれも、送り狼になる様な事だけはーー』

『ほんっっまにどつくで?』


送り狼の意味が分からないリーシャは、頭の中で?を浮かべた。


重い物はある程度運び終わっており、実は何日か前から村長にこき使われていたイマルは、お役御免となり、リーシャの監視を引き受けた。



「ごめんなさいイマル。イマルも疲れてるのに…」

「かまへんよ。どうせリーシャはんのが無かったら、あのまま手伝わされてたに決まってるからな。寧ろ、解放させてくれてありがとうや」



家に着くと、リーシャはそのまま、庭の方へと歩き出した。

「どこ行くのん?」

「庭です。私、最近畑のお世話を疎かにしていまして、少し手入れをしないと……」

「却下や」


そそくさとスコップやジョウロを用意し始めたリーシャを止める。


「俺が何の為に派遣されたか分かるか?これで仕事させてみい。ジェラードはんに俺が怒られてしまうわ」


寝不足のリーシャを心配し、体を休ませるようにら見張る役目を言い渡されたのに、無理をさせれば、監視の意味が無くなる。



「イマルが怒られるのは……嫌ですね」


自分が怒られるよりも、嫌。


「ならゆっくり休み。ご飯食べたんか?」

「いえ、まだです」

「なら何か作ったるわ。材料貰うでー」



何度かリーシャのキッチンを使った事があるので、手馴れたように、イマルは食事の支度を始めた。


「……」

リーシャは、そんなイマルを眺めるように、椅子に座った。



(……なんだか……何もしないでいいってなると……本当に、眠たくなってきました……)



誰かに、何かをして貰う。


聖女の時はこれが普通の事で、全てを周りがする事が当然で、それがとても嫌だったのに、何故だろう。


(今はとても……嬉しい……幸せ……)



誰かが自分の為を思って料理をしてくれる事が、こんなに嬉しいものだと、知らなかった。







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